日刊工業新聞


田中真紀子 著
『父と私』ご紹介ページ

日刊工業新聞社より2017年3月6日に発売となりました、
田中 真紀子著『父と私』をご紹介する特設Webページです。

『父と私』
 田中 眞紀子 著
父と私 田中真紀子

 『父と私』の出版の背景には、田中角栄著『日本列島改造論』を日刊工業新聞社が1972年(昭和47年)に発売した縁があります。2016年10月に発刊された『日刊工業新聞 100年史』(注1)より、出版社の視点からの『日本列島改造論』をめぐる物語をご紹介します。

体裁 四六判 上製カバー 308ページ 
定価 本体価格1,600円+税
発売日 2017年3月6日(月)
<日刊工業新聞社のオンラインブックストア>
http://pub.nikkan.co.jp/books/detail/00003159

◆出版社の視点からみた
『日本列島改造論』

 空前のベストセラー『日本列島改造論』 

日本列島改造論

 田中角栄氏の『日本列島改造論』が出版されたのは1972年(昭和47年)6月だった。わずか1年間で22刷の91万部を売り切るという空前のベストセラーとなった。当時、政治家の本は全く売れない時代だった。そのため、各省庁に買い取りをお願いしに出向いたほどだった。
 ベストセラーとなったのは、総理大臣の地方創生を描いた政策提言であるということ以外にも、いくつかの要因が重なったためである。
 まず出版時期である。当初4月末に刊行を予定していたが、著者が当時、通産大臣という多忙なポストにいたため、筆入れが遅れてしまった。そのため6月末の刊行となるのだが、偶然にもその17日後の7月7日に田中角栄内閣(第1次)が誕生する。結果的に本書が注目を集めるのには最高のタイミングとなった。
 次に、同氏の人柄と当時のニーズである。庶民性や行動力、頭の回転の速さといった人間としての魅力があった。また、日本の過密と過疎をなくし、都会と農村のあいだの富の格差を是正するという提言が若い人に受け入れられた。こうして政治や経済に関心のなかった地方の青年や婦人層にも広く読まれることとなった。

 他社の反応や産業界からの反響も大

 社内外の宣伝も効いた。
 「『日本列島改造論』が20日発売」という広告が日刊工業新聞に載ったのが1972年6月16日だった。同月19日付の「ほん」欄(新刊紹介欄)には江戸英雄三井不動産社長が書評を寄せ、「総合的な解決策を提示し、実行プランとしての迫力がある。力作である」と記している。21日付では永野重雄日本商工会議所会頭、芦原義重関西経済連合会会長、土光敏夫東芝社長、藤野忠次郎三菱商事社長がそれぞれ、「大胆なプランに共感」、「説得力ある改造哲学」、「若い世帯の混迷解く」、「勇気ある姿勢に感銘」と賛意を示した。
 『週刊新潮』の7月22日号は、同書を批判しながらも「今や霞が関のお役人の必読書といわれている一方、意外に若いOLが買っていく」と売れ行きの好調ぶりを認めている。
 『読売新聞』7月13日付夕刊の「サイドライト」には「日本列島改造論はやがて超ベストセラーになることは確実だとみられている。趣味と実益をかねて、国民はこれに飛びついた」と述べている。

日本列島改造論広告

 全国の地方書店で構成されている「新風会」は例年、ベストセラーないし優良書を選んで「新風賞」を授与している。『日本列島改造論』は第7回の新風賞を新潮社発行の有吉佐和子氏の『恍惚の人』とともに受賞した。新風賞の歴代受賞者や受賞作は豪華だ。過去から現在までの受賞者を見てみると、ピーター・ドラッカー氏、松下幸之助氏、村上春樹氏、吉本ばなな氏など世界的な著名人も名を連ねている。

コラム
[幻の『日本列島改造論』第2弾]

 『日本列島改造論』がベストセラーになったのち、一部地域で地価の暴騰が起こり、一部マスコミから同書は強い批判を受けた。地価問題については、同書の制作途中で田中通産大臣も、もう少し詳しく検討し、土地の造成が安くできて地価も安定する方策を付け加えようとしたのだが、それが間に合わなかったという事情もあった。
 決して地価問題を無視したわけではなく、むしろ地価の安定を目指したのが田中政策の根幹でもあった。その後、英国のブリタニカ国際年鑑に田中総理大臣の論文が掲載されているが、そのなかでは地価安定対策が強調されていた。
 このようなことから日本列島改造論の第2弾をつくろうという話が持ち上がった。第1弾が経済中心であったので、今度は内政面、外交面(アジア、中東、ソ連外交など)にも触れ、内政面では、特に教育、行政改革、技術開発問題に触れようということで、シナリオも試案ができ上がっていた。
 そして、いよいよ田中総理の口述予定をつくろうという段になった1974年12月9日に田中内閣が総辞職、同書の刊行は幻に終わった。

(注1)出典元:『日刊工業新聞100年史』、2015年11月発行、日刊工業新聞社100年史編纂委員会制作、日刊工業新聞社発行 非売品 
※上記記述内容の無断引用を禁じます。

日刊工業新聞電子版
◆「日刊工業アーカイブス」より
日刊工業新聞電子版

日刊工業新聞社では、取材で写真撮影したフィルムや印画紙のデータベース化に取り組んでいます。この度「日刊工業アーカイブス」として、テーマや時期を選び毎月掲載してゆきます。第1回目として「田中角栄」を取り上げます。

◇2017年3月6日付 日刊工業アーカイブス(1)躍動の昭和「田中角栄」
*有料記事コンテンツとなりますが、日刊工業新聞 電子版に無料会員登録すると有料記事が月11本までご覧になれます。

父と私
『父と私』 田中 眞紀子 著
体 裁 四六判 上製カバー 308ページ 
定 価 本体価格1,600円+税
発売日 2017年3月6日(月)

著者が父とともに歩んだ四十七年間の濃密な日々を
研ぎ澄まされた感性とクリアな視点でユーモアを交えて活写した究極の"田中角榮像"
娘から見た、政治家・田中角榮氏とは?眞紀子氏の足跡をたどりつつ、今、初めて明らかにされる実像!

<概要>
幼少期から父の死に至るまでの四十七年もの間、深い絆で結ばれてきた父と娘。昭和から平成という激動の時代をともに歩んできた著者が、研ぎ澄まされた感性とクリアな視点を通し、時にユーモアを交えながら活写する田中角栄氏の実像。次の世代に向けた究極の“田中角栄本”である。
娘は父から何を学び、父をどう支えてきたのか。そして今、何を次代に伝えようとしているのか。名宰相・田中角栄を傍らで見つめてきた真実が著者自身の筆で記されている。

書籍『父と私』は、全国の書店や、各種オンラインのブックストアで購入いただけます。 下記は一例です。

<旧字体の表記に関しまして>
田中角榮氏のお名前は、田中角栄氏と表記する場合があります。
田中眞紀子氏のお名前は、田中真紀子氏と表記する場合があります。
【お問い合わせ】
日刊工業新聞社 出版局 TEL:03‐5644‐7410
http://pub.nikkan.co.jp/inquiries/