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今年創刊100年/産業界の羅針盤に−取締役社長 井水治博

 日刊工業新聞は今年11月、創刊100周年を迎えます。1915年(大正4年)、前身の『鉄世界』として誕生以来、1世紀にわたり紙齢を積み重ねることができました。これもひとえに産業界および読者の皆さまのご厚情のおかげです。厚く御礼を申し上げます。

取締役社長 井水治博

■継承と創造

 「継往開来(けいおうかいらい)」という故事があります。朱子学の創始者・朱熹(しゅき)は、先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を拓(ひら)く大切さを説いています。
 産業界の鼓動を社会に発信し、新たな未来創造に寄与するわが社に課せられた使命は、長い歳月を経た今も不変です。「産業界とともに歩んだ100年」というかけがえのない財産を今日に引き継ぎ、次なる100年に向けた扉を開いていく所存です。
 戦後、「日本の奇跡」と海外で絶賛された日本の成長の秘密は、言うまでもなく「産業力」です。欧米という「坂の上の雲」を目指し、国民が一丸となり経済大国への道を切り拓きました。中でもモノづくり力は世界を凌駕し、国富増大の立役者になったことは特筆されます。
 時代の主役も軽工業から重化学工業、そして知識集約型産業へと変化。高度な技能を伝承しながらも、時代の変化に応じた産業を創出する「継承と創造」を繰り返してきたことが、「モノづくり立国・日本」を不動にした最大の理由です。

■国力の源泉に

 日刊工業新聞社はそんなダイナミズムにあふれた産業界と軌を一にして、正確・的確な報道に徹してきました。産業紙のジャンルを開拓したパイオニアとして、産業界の息遣いに耳を澄ましながら、時代の潮流を産業界に伝える役割を果たしてきた自負があります。健全な産業発展には健全なメディアが不可欠なことは、過去も未来も変わることはありません。今後も科学技術の創造と中小企業の成長に寄与しながら「産業界の羅針盤」としての使命を全うする覚悟です。これからの100年を展望した場合、モノづくりが国力の源泉であり続けることは確実です。モノづくり力の強さは、その国の国民性や文化が深く関わると言われています。
 モノづくりを推進することは経済面の繁栄だけでなく、「モノづくり文化の創造」にも立脚するはずです。新時代のモノづくりを世界に広げていくことが、日本の存在感を高める近道になるでしょう。
 グローバル化、ICT化が急速に進展し、産業界やメディアは変化への対応が迫られています。顧客が、読者が何を求めているのか。これを的確にくみ取り、製品やサービスに生かす顧客本位の姿勢が改めて問われています。
 室町時代を代表する猿楽師・世阿弥は「離見の見」という言葉で、観客の目で自分を見つめ直す重要性を指摘しています。顧客の目線で高い付加価値を提供する―。次なる100年に向けた成長のキーワードです。

■産業社会に寄与

 日刊工業新聞社は今後も、モノづくりへの尊敬と敬愛の情を紙面に反映させていきます。「産業総合紙」としての自覚を高め、産業界のリーディングメディアになるべく不断の努力を重ねて参ります。それが活力と創造力あふれる次世代の産業社会づくりに貢献するわが社の責務と信じております。

100周年記念事業・イベント

 創刊100周年に関連して、2015年中に以下のような記念事業・イベントを計画しております。

  • 4月7日…コミュニティー型サイト「ニュースイッチ」開設
  • 9―11月…記念シンポジウム・講演会開催(全国4都市)
  • 6月末…紙面デザイン一新、文字も拡大
  • 夏…沖縄に支局開設
  • 秋…公式ウェブサイト「ビジネスライン」を一新
  • 年度後半…記念出版「大全シリーズ」を刊行

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