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機械工業デザイン賞・経済産業(通商産業)大臣賞 受賞製品

第11回(1981年・昭和56年)

■「ラフターラインクレーン TR-250M」 (株)多田野鉄工所

製品分野:建設機械

【受賞のポイント】
国産初の25トンづりクレーン。作業操作性および重量・走行時のバランスが極めて良い。性能アップに対する総重量の増加率も低く抑え、安全性にもきめ細かい配慮。造形も内的外的質の均衡が見事で、精度感・力量感あふれる秀作。

■「キャノワード55」 キヤノン(株)

製品分野:電子機械

【受賞のポイント】
英文タイプ並の操作性、印字品質の鮮明化、低騒音、高度編集機能など優れた諸機能を持つ。コンパクトで個性的、かつ軽快なデザイン。「夢の和文タイプライター」と呼ぶにふさわしい製品。

第12回(1982年・昭和57年)

■「全身診断用CTスキャナー TCT-80A」 東京芝浦電気(株)

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
低価格化と診断効率向上を同時に実現した高性能のX線CTスキャナー。中小病院への普及を狙った。省スペース化で医師と患者のスキンシップを楽にしたうえ、スキャン時の騒音を抑えるなどきめ細やかな配慮が評価された。ソフトムードのミルキーホワイト色とブルーのベルトラインもさわやか。

■「N5000シリーズ スリム型搬送端局装置」 日本電気(株)

製品分野:電子機械

【受賞のポイント】
同装置は電話局内で音声などをデジタル信号に変換し送信する電話交換機の一種。ペンシルのようなスリムさが最大の特徴。これまでの装置は幅が520ミリメートルと人の肩幅の大きさだった。同装置は1/4の120ミリメートルで片手でつかめる細さ。省スペース化でき電話需要が増えても簡単に増設できる。輸送も梱包も楽で消費電力も30ワットと従来の半分。

第13回(1983年・昭和58年)

■「MI-810 自動IC挿入機」 池上通信機(株)

製品分野:自動化機械

【受賞のポイント】
プリント基板へのICチップ挿入作業の自動化機械。倣い操作方式という独自のICチップ挿入プログラミングシステムを開発。素人でも操作できる使いやすさが評価された。挿入率は99.9%以上で、挿入スピードも1秒につき1個と早い。同社は実装機分野では後発メーカーだが、同装置でシェア上位を狙う。

■「立型マシニングセンタ VR-3A」 三井精機工業(株)

製品分野:工作機械

【受賞のポイント】
NC装置、油圧ユニットなどをコンパクトにまとめ機電一体化し、装置本体の安定度を飛躍的に高めた。機械全体で最も目につくATC関係機器や配管、配線を、デザイン化したFRP製のカバーで覆った。機械周囲のどこから見られてもデザイン上の死角がないという見栄えの良さを誇る。

第14回(1984年・昭和59年)

■「フジコンピューテッドラジオグラフィー F-CR101」 富士写真フイルム(株)

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
医療用画像診断システムで、極めて少ないX線被爆(ひばく)量で良好なX線写真が得られる。被爆線量は従来の1/5で患者の負担を大きく減らしたことが評価された。操作もコンピュータで自動化し不慣れな技師でも使いやすくした。各装置のパネルはほぼ目線上の高さにあり、操作する人の立場に立ったデザインを採用している。

■「循環器X線診断システム CAS-LA/CAS-CP-2S/CAT-FX」 (株)東芝

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
同システムは心血管撮影装置と呼ばれ、造影剤を注入しながら心筋内の複雑な動脈をX線撮影する装置。患者を動かさずに多方向から撮影でき、2方向からの同時撮影も実現した。患者の負担を軽減しながら高精度の画像を得られる画期的な製品。デザインもこれまでの「マシン」から「メカ」への変化を醸しだし威圧感を軽くしている。

第15回(1985年・昭和60年)

■「OES上部消化管汎用ファイバースコープ GIF TYPE Q10」 オリンパス光学工業(株)

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
内視鏡(ファイバースコープ)に欠くことのできない3つの機能である光学特性、生検狙撃能、挿入性能を最大限に追求した。特に生体情報の解像力の飛躍的な向上をはじめ、ファイバー径を細くし挿入時の苦痛軽減実現は注目に値する。またスコープ内のすべての管路も洗浄でき、耐久性に富む素材の活用、組み立てやすい構造といった機能に忠実なデザインが高く評価された。

■「富士モノクロスキャナ SCANART30」 富士写真フイルム(株)

製品分野:自動化機械

【受賞のポイント】
高品質な製版ができる白黒印刷スキャナ。プリント写真原稿から印刷工程に必要な網がけを行う露光装置で、従来の製版カメラではできない機能を多数持つ。CRTやキーボード、原稿台との関連操作を工夫。装置の操作を人間と機械がコミュニケーションするような対話形式とし使いやすさを追求した。装置本体も小型化され、飾り気のない率直な造形は好感が持てる。

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