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機械工業デザイン賞・経済産業(通商産業)大臣賞 受賞製品

第16回(1986年・昭和61年)

■「全身用東芝スキャナ TCT-900S」 (株)東芝

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
世界最高速のスキャンと連続スキャンを実現し、世界最高の精密診断を可能にした。またスキャニング時間を大幅に短縮化、寝台の移動や高さ調節もスムーズで診断技術の向上とともに患者の肉体的負担を軽減した。操作パネルの表示もわかりやすいうえ、体の触れる部分の角を丸めるなど操作上の安全性も確保。全体的にソフトな造形は患者の不安感を除く効果もある。

■「α−9000」 ミノルタカメラ(株)

製品分野:光学機械

【受賞のポイント】
撮影のための基本的な操作を可能な限り自動化するとともにプロの写真家の欲求を、高度に達成した一眼レフカメラ。ボディー集中制御方式のシステムやオートフォーカス(AF)の機能が最大の特色。軽量、小型によくまとめられている。形状は手のひらにぴったり吸いつくような感じを持っている。

第17回(1987年・昭和62年)

■「炭酸ガスレーザ加工機 ML806 T2型」 三菱電機(株)

製品分野:金属加工・処理機械

【受賞のポイント】
高精度・高品質加工と複合加工機能を実現した。安定的にミクロンレベルの加工ができるうえ、平面と立体加工、切断と溶接加工が一台で可能になった。デザインは機電一体化による省スペース設計。発振器、電源、制御装置などの機械構成要素をモジュール化しているのも特色。ファクトリーオートメーションに対応しロボットなどの介在に有利な懐の深いC型コラムを造形の軸とした。

■「磁気共鳴断層診断撮影装置 RESONA」 横河メディカルシステム(株)

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
放射線被ばくを伴わず、造影剤も必要ないMRI(磁気共鳴断層装置)の特性を維持しながら大幅なコストダウンを図り、患者に親しみやすいデザインを実現した。心臓など動きの激しい器官の静止像や小範囲の拡大図、身体のスライス図といった多様な画像を得ることが可能だ。操作は簡単だが、専門家の高度な要求にも柔軟に対応できる。デザインはシンプルでソフト。患者への威圧感を取り除いている。

第18回(1988年・昭和63年)

■「三菱高速高精度加工機 M-KRシリーズ」 三菱重工業(株)

製品分野:工作機械

【受賞のポイント】
金型の高速高精度加工と生産性向上を実現した。先読みした入力データから誤差の補正を行って指令データをつくり機械を動かすため、入力データと機械の動きが完全に一致し高精度な加工ができる。多品種・少量生産のネックとなっていた金型加工の工期短縮と高精度加工に道を開く画期的な加工機。

■「超音波診断装置 SSH-160A」 (株)東芝

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
先天性心疾患や虚血性心疾患といった循環器疾患に対応する超音波診断装置。高画質で心臓の奇形や弁・心筋の疾患を正確に知ることができる。画像の記憶や移動、拡大により高い心機能計測も可能にした。立・座操作など使用環境に配慮した操作性を追求している。落ち着き、清潔、信頼感のあるデザインで配色なども工夫され、操作者と患者に親しみやすさを感じさせる。

第19回(1989年・平成元年)

■「DWC110PH形 ワイヤ放電加工機」 三菱電機(株)

製品分野:金属加工・処理機械

【受賞のポイント】
金型加工に求められる高精度化、無人化に対応したワイヤカット放電加工機。インバーター制御方式による液温制御装置などの開発により加工精度3ミクロン、最良面粗さ0.5ミクロン、真円度2ミクロンという高精度加工を実現。高信頼性ワイヤ自動供給装置や自動スクラップ処理装置の搭載により、ワークのセッティングから加工終了まで作業者が不要となり長時間の無人化が可能になった。

■「総合制御システム CENTUM-XL」 横河電機(株)

製品分野:電子機械

【受賞のポイント】
最新のプロセス技術をはじめ電子回路技術や通信技術、マンマシンインターフェース技術を応用した次世代の計装制御システム。人間に近い制御システムという意図で開発された。オペレーターが適切な判断、操作が行えるように、システムからの情報を高度に加工し、分かりやすい形でCRT画面や音声で伝え、オペレーターの負担軽減、安全制御などを工夫している。また画面部にふくらみを持たせやさしさ、温かさを表現した。

第20回(1990年・平成2年)

■「NECスーパーコンピュータ SX-3 モデル44」 日本電気(株)

製品分野:電子機械

【受賞のポイント】
気象シミレーションや流体、構造解析といった設計・研究分野で使う超高速計算の能力を一桁以上向上した世界最高速のスーパーコンピュータ。1秒間に55億回の浮動小数点ベクトル演算ができる単一プロセッサーを国産で初めて4台並列で接続した。最大で22ギガFLOPS(1秒間に220億回の浮動小数点演算を実行する能力)の処理性能を持つ。

■「日立超電導MRイメージング装置 MRH-500」 (株)日立製作所

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
核磁気共鳴を利用する現在で最も進んだMRI。新画像処理システムにより空間分解能0.3ミリメートルという高精密画像を得ることができる。基本画像の高画質化に加え頭部、全身の情報を幅広く詳細に、かつ鮮明に撮像し診断の正確性を高めている。省スペース化を図り、デザイン面では患者の不安感を和らげるため、優しさや温かさを感じさせるラウンドフォルムを基本とした。

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