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機械工業デザイン賞・経済産業(通商産業)大臣賞 受賞製品

第26回(1996年・平成8年)

■「VLSIテスト・システム T6671B」 (株)アドバンテスト

製品分野:測定機器

【受賞のポイント】
最先端のLSIを測定する装置。開発されたシステムはモジュール間のインターフェース結合回路を省き、各モジュールを接合一体とした回路構成とすることで、筐体で1/5の省スペース、消費電力で1/4の節減を実現した。造形は装置前面にパッケージを挿入するソケットを有したテスト台が配置され、機能的特色ある形態を構成している。

■「永久磁石式MRイメージング装置 AIRIS」 (株)日立メディコ

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
同装置は、設置性や経済性に優れ0.3Tの永久磁石方式を採用した結果、静かなMRI装置として高画質、高機能、高スループットを実現している。従来のトンネル型を大幅に改良、前面210度、後面70度のオープンガントリーにした。これまで不可能であった関節に代表される運動検査、術中利用などが可能になった。騒音についてもきわめて制御され、患者に対する不安感を大幅に解消している。

第27回(1997年・平成9年)

■「500系新幹線電車」 西日本旅客鉄道(株)、川崎重工業(株)、近畿車輛(株)、日本車輛製造(株)、(株)日立製作所

製品分野:その他の生産財

【受賞のポイント】
JR西日本は、1990年、次世代新幹線プロジェクトをスタートさせ、時速300キロを目指し、(1)高性能の確保、(2)環境との調和、(3)居住性の向上などをコンセプトとした。高性能の確保については、16両すべてを電動車方式とし、時速300キロの安全運転に対し軌道粘着性能や高出力を考慮している。環境面ではパンタグラフから発生する騒音を防ぐため、新たに翼型パンタグラフを開発、支持部に自動車のサスペンション技術を取り入れている。

■「透過型電子顕微鏡 H-7500」 (株)日立製作所

製品分野:光学機械

【受賞のポイント】
「H-7500」は、高コントラストで広視野の像観察を可能とする電子光学系を搭載しており、ユーザーニーズに応えたものである。同機の最大の特徴は低倍率、広視野、高コンストラスト。バイオ分野では数千倍以下の低倍率が重要で、同機の場合、700倍の低倍率の時でも直径160ミリの広視野を確保、そのうえ直径10ミクロンという小さな対物絞りを挿入しても、視野カットとなる高コンストラストな像観察、記録を可能とする結像レンズ系を実現している。

第28回(1998年・平成10年)

■「ホール用デジタルオーディオミキシングコンソール WR-DX1000シリーズ」 松下通信工業(株)

製品分野:電子機械

【受賞のポイント】
同機はマイクや楽器の音をDA変換して、得られた音をAD変換してアンプ、スピーカーへ送り出す。入力部に20ビットADコンバーター、出力部に独自開発の24ビットコンバーターを搭載、広いダイナミックレンジを確保しヴァイオリンの繊細な音からティンバニーの響きまでクリアに再現できる。指先の微妙なタッチをとらえ高品位な操作感を実現、高精度な調整を可能としている。

■「超高精度ワイヤ放電加工機 PX05」 三菱電機(株)

製品分野:金属加工・処理機械

【受賞のポイント】
「PX05」は従来、分割し研磨加工で生産していた半導体のリードフレーム金型を一体のまま最終工程までカバーできるため、研磨機などの工程が削減できるだけではなく、生産性を向上させ金型の短納期化と低コスト化を実現している。造形面ではカバーの上部に傾斜部を設け、オペレーターへの圧迫感をとりのぞいており、カラーリングはライトグレーを基調に、ワイヤ走行系カバーに軽快感を与える。

第29回(1999年・平成11年)

■「全身用CTスキャナ TSX-101A」 (株)東芝

製品分野:医療・福祉機器

【受賞のポイント】
ニーズにかかわる技術要素として、0.5秒/スキャンによる高速スキャンの実現がある。X線管球や検出器などを内蔵したアルミシリンダー構造の架台をリニアモータードライブによって実現した。1回転0.5秒の高速スキャンは、13Gに耐えるバランスと精度を保ち、カバーを外した実験でも静粛な回転を実現している。この高速スキャンにより、検査時間を短縮し、世界初となる心臓の静止画像化を実現した。

■「DVDマスタリングシステム」 松下電器産業(株)

製品分野:自動化機械

【受賞のポイント】
本製品はDVDやCDのスタンパーを製造するためのマスタリング装置。ガラス基板投入後、操作部の指示によって、洗浄からフォトレジストコーティング、メタラジングといった一連の全行程を自動で行い、マスターが製品として完成する。全体造形は関連商品とともにデザイン統合と環境調和を図る同社のFA機器IDマニュアルで定めているが、基本的にこれに準じて実施している。

第30回(2000年・平成12年)

■「菊半截寸延び高速多色オフセット印刷機 RYOBI 680シリーズ」 リョービ(株)

製品分野:印刷機械

【受賞のポイント】
自動化、省力化印刷を中心に生産性と印刷品質の向上を達成。造形処理はマンマシンインターフェース、使い易さへの配慮、地球環境に対する取り組みなどを技術部門ときめ細かい検討を行った。美しさ、信頼感を創出し印刷品質向上と新しいニーズに応えた企画・開発力には高い評価があった。

■「バッテリー式フォークリフト GENEO-B」 トヨタ自動車(株)、(株)豊田自動織機製作所

製品分野:産業用車両

【受賞のポイント】
これまでのDCモーターから常識を覆すACモーターを駆動用に搭載。AC化の困難にはMOSモジュールの開発など基礎部分から問題を解決することで実現した。操作者の立場から見直しを行い、バッテリーの管理交換を容易にし、座席を低い位置に配置し乗降事故を防止した。革新的機能により従来概念を払拭した製品企画の実現は、業界の先導的役割を果たしており、その社会貢献度は高い。

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