洗浄が拓く、モノづくり日本 English English

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質問1

中性洗剤で超音波洗浄をした後に純水ですすいで温風乾燥をしていますが、時々乾燥シミが発生します。どこに問題があるのでしょうか?
① 純水装置の能力が低下しており、供給水中の不純物が十分に除去されていない場合=純水の純度低下本来純水中の不純物は非常に少なく、乾燥後にシミが発生する可能性は少ないが、長期の使用によって特にイオン交換樹脂が劣化した。リンス水中のイオン残渣が急激に増加した。などの理由で、温風乾燥後にそれらの残留物がシミとして観察される場合がこれに当てはまります。
② リンス不十分で、リンス工程後でも洗浄剤成分が微量残留しており、乾燥後に目視で確認されて シミとなっている場合=洗浄剤の残留
③ 洗浄が不十分で鍍洗浄物表面に汚れ成分が残留している場合=汚れ成分の残留
④ 乾燥室内の空気が汚れており、空気中のパーティクルがリンス水に溶け込み(吸着され)、乾燥後にシミとして観察される場合=乾燥空気の汚染

などの理由が考えられます。

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質問2

フッ素系溶剤で電機部品を洗浄していますが、十分にベーパー洗浄しても乾燥しない場合があります。原因は何でしょうか。
① 薄物や小物部品など被洗浄物の熱容量が小さく、ベーパー洗浄後に洗浄機から被洗浄物を取り出した時に洗浄液が被洗浄物底辺などに残留しており、その気化熱の総量よりも被洗浄物の熱容量の方が小さく、被洗浄物表面が冷えてしまい乾燥されない状態となる場合。
② 小物や薄物部品を洗浄する場合に、重なり合った部分に洗浄液が残留し、洗浄機からバスケットを取り出した後も洗浄液が残留している場合。
③ 上記①、②によって残留した洗浄液が時間とともに気化・乾燥し、結果として部分的に被洗浄物表面温度が低下、それによって空気中の水分(湿気)が被洗浄物表面に付着してシミとして観察される場合=俗に言う結露ジミ。

などの原因から生ずる場合が多いので、これらを念頭に置いて状況をよく観察し、的確に対応することが重要です。

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質問3

超音波洗浄における周波数とその特性について教えて下さい。
 現在、洗浄用途では、19kHz~1MHzのものが実用化されている。超音波メーカー各社はその用途に応じ、各種周波数の超音波を取りそろえているが、自動車部品などの部品洗浄ではキャビテーション強度(洗浄衝撃力)の高い25kHz~40kHzの低周波数のものが選定されています。
 周波数が高くなると、キャビテーションの発生に必要な超音波出力(W/cm2)の閾値が高くなるため400kHz以上では、キャビテーションの発生はほとんどなく、逆に超音波の振動加速エネルギー(液分子の振動)が、洗浄の作用として働くといわれている。また、周波数が高くなると超音波の波長や振幅も短くなり、超音波の指向性が増す反面、Shadowing現象(例えば被洗浄部品の裏側に超音波が届かないなどの現象)が発生するようになります。
 ウェーハやディスプレイ基板など、平板形状でサブミクロンの粒子を洗浄するような超精密洗浄では、製品へのダメージや洗浄性などから、1MHz前後の高い周波数の超音波を用いることが常識となっています。一方、部品洗浄でもハードディスク部品などの精密洗浄では、低周波数(粗洗浄)と高周波数(仕上げ洗浄)の超音波を組み合わせるケースも多くなってきています。

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質問4

洗浄で使用する水の品質について、何か目安はありますか。
 水系の洗浄を行う場合、使用する水(洗浄用水)の品質(水質)を確認しておくことが重要になります。金属部品における洗浄用水の水質目安を表に示します。(下表)水の清浄性(純度)を表す項目としては、導電率や溶解性蒸発残留物という指標があります。導電率は、電解質(溶解イオン)の量に比例し、純度の低い水を使用すると、洗浄品質や洗浄装置などへの弊害が出てきます。また、全硬度とは、カルシウムやマグネシウムの不純物の量を表し、少ないものを「軟水」、多いものを「硬水」といいます。全硬度の高い水は、洗浄剤成分と反応し洗浄力を低下させたり、不溶解生成物を形成することがあります。一般的なアルカリ洗浄浴や水洗水の洗浄用水としては、Cランクのもので十分ですが、特に硬度が問題となるようなときには、Bランクに相当する水質のものを使用します。また、腐食や乾燥後のウォーターマークなど溶解イオン量を懸念するときには、Aランクの水質が好ましいといえます。

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質問5

湿式洗浄における洗浄液管理の基本的な考え方を教えて下さい。
 洗浄工程に汚れが持ち込まれると、洗浄液中に除去された汚れが蓄積してきます。湿式洗浄では、洗浄液の使用に伴う消費や劣化の他に、洗浄液へ持ち込まれた汚れが増え、洗浄物に再付着することで洗浄品質の低下を招きます。したがって、洗浄液の成分や性状に加え、洗浄液の汚れ濃度を管理する必要があります。特に洗浄液の汚れによる洗浄品質の低下は、最終洗浄液の汚れ濃度が影響します。すなわち、最終洗浄液の汚れ濃度の限界値を見極めることが重要となります。通常は洗浄試験などを行い、その管理濃度を決定しますが、洗浄液のくみ出し量と最終洗浄液の汚れ濃度から得られる再付着量を被洗浄物の要求品質の1割以下とするという考え方もあります。
 すなわち、

被洗浄物の要求品質×0.1 > 洗浄物による洗浄液くみ出し量×最終洗浄液の汚れ濃度


例えば金属加工部品の脱脂洗浄において、洗浄の前段階で油切りなどを行い部品の付着汚れの量を減らすことは有効な手段となります。洗浄槽数を増やすことや洗浄槽間の洗浄液のくみ出し量を減らすことで最終洗浄液の汚れ濃度の上昇を抑制することもできます。しかし、単純に槽数を増やすことは洗浄装置が大型化してしまうので、洗浄工程への持ち込み汚れ量が多い場合には、浄化装置を設置し、最終洗浄液の汚れ濃度を維持管理することになります。

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質問6

フッ素系溶剤を用いた水切り乾燥の特徴を教えて下さい。
 水系洗浄の水洗後にHFE(Hydrofluoroether)やHFC(Hydrofluorocarbon)などのフッ素系溶剤で水切り乾燥を行う技術は、水とフッ素系溶剤が相溶しない性質を利用しています。水切りに用いられるフッ素系溶剤には、アルコールや界面活性剤が少量添加されています。これらのフッ素系溶剤に水が付着した被乾燥物を浸漬すると水が剥離し、フッ素系溶剤との比重差により剥離した水は液面へ浮上します。この現象はアルコールや界面活性剤を含有していないフッ素系溶剤単体ではみられないため、水切り乾燥用のフッ素系溶剤を用いる必要があります。プロセスとしては浮上した水を排除した後、被乾燥物を引き上げ、フッ素系溶剤の蒸気に曝し蒸気乾燥を行うことで水切り乾燥が完結します。
 フッ素系溶剤を用いた水切り乾燥は、イソプロピルアルコールなどのアルコール単体を用いた乾燥と比べ、乾燥速度が速く、なおかつ蒸気乾燥の温度も低いため、エネルギーの消費が少ない乾燥技術の一つといえます。ただし、アルコール含有のフッ素系溶剤では、浮上分離した水と共にアルコールが消費されるため、持ち込み水分量が多い場合はアルコールを添加し、適正な濃度を維持する必要があります。

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質問7

金属部品の脱脂洗浄において、洗浄現場で使用できる簡便な洗浄評価法があれば教えて下さい。
 洗浄が終了したものの清浄度の確認を一般に「洗浄評価」と呼んでいます。洗浄評価法にはさまざまなやり方がありますが、脱脂洗浄において用いられる簡便法として「ぬれ性評価」があります。ぬれ性評価とは、液体を被評価物表面に付着させ、液体がぬれ広がる箇所は清浄であり、ぬれない(はじく)箇所は汚れが付着していると判定するもので、洗浄不良を容易に判別することができます。ぬれ性評価には、呼気あるいはスチームにより水蒸気を付着させ水蒸気の凝縮状態を観察する方法や、溶剤や水などの検査液を塗布し検査液のぬれ広がりを観察する方法があります。水や水蒸気は、人体に対する有害性はなく、モノレイヤーレベルの汚れを検出することが可能で、ぬれ性検査液としては優れた特性を示す。しかしながら、水や水蒸気は、金属部品の脱脂洗浄においてその清浄性を評価するには、汚れを検出する感度が高すぎる場合があります。また、無色透明液体のため洗浄現場では識別し難いという課題があります。
 ぬれ性評価の検査液として、水に替わり墨汁(カーボンブラック分散液)を用いることがあります。カーボンブラックは、人体に対し低毒な顔料であり、その分散液は低粘性黒色液体で識別性に優れる特長があります。特に表面張力40~45mN/m(20℃)、粘度1.5~4.5mPa・s(20℃)のカーボンブラック分散液は、自動車部品の製造工程における金属部品の洗浄評価法として、知られています。

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質問8

炭化水素系やフッ素系などの非水系洗浄剤の選定の考え方を教えて下さい。
 産業洗浄において、除去対象となる汚れは、「粒子(固体微粒子)」「有機汚れ(有機化合物)」「無機汚れ(金属・無機化合物)」に大別されます。粒子汚れは、固体粉や塵埃などの汚れであり、有機汚れは、加工油、フラックス、接着剤や離剤などの有機化合物の汚れです。実際に被洗浄物に付着している汚れは、有機汚れとさまざまな粒子汚れが介在するような複合汚れが多く、有機汚れの状態を見極め、有機汚れを洗浄できる機能を持った洗浄剤を選定することがポイントです。
 非水系洗浄剤の有機汚れに対する洗浄能力を示すものとして、KB値(カウリブタノール値)とSP値(溶解度パラメーター)があります。KB値とは、ロジンエステル樹脂を洗浄剤がどれだけ溶解するかを表すものであり、洗浄剤のKB値が大きいほど有機汚れの溶解力が高いことを示しています。また、有機汚れは、洗浄剤の化学作用や超音波などの物理作用による「膨潤」後、洗浄液に相溶することで除去されます。汚れと洗浄剤のSP値が近いほど、両者の相溶性が良くなることから、洗浄除去したい汚れのSP値に近い洗浄剤を選定します。例えば、加工油などの脂肪族の汚れは、炭化水素系洗浄剤が選択され、フラックスなどの極性汚れは、アルコール系洗浄剤が適用されるのは、SP値やKB値によって整理することができます。

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質問9

炭化水素系洗浄など可燃物を洗浄剤として使用する場合の基本的な安全対策の考え方について教えて下さい。
 消防法の危険物第4類第2石油類および第3石油類に属する炭化水素系洗浄剤を開放型洗浄装置で使用する場合を例に解説します。物が燃焼するためには、燃焼の三要素「可燃物」、「着火源」および「空気(酸素)」が必要です。開放型洗浄装置では、三要素のうち「空気」は常に存在しているため、理論的には他の二要素、すなわち「可燃物」と「着火源」の要素の少なくとも一つが燃焼条件にならないようにする必要があります。炭化水素系洗浄剤は、この「可燃物」そのものになります。したがって、空気と接する空間部分(気相)の炭化水素濃度(体積%)を燃焼(爆発)範囲の下限以下にすることが必要です。そのためには、表のように洗浄温度を使用する炭化水素の引火点に応じて7~16℃以上低くするか、または洗浄剤が空気と接する空間部分(気相)の炭化水素蒸気を排出し、蒸気濃度を燃焼(爆発)範囲の下限界の1/4以下にすることが望ましいといわれています。
 また、装置上では液温が適正温度以上にならないような安全装置を装備する。さらにセンサーを設け適正温度を超えた場合は、排気装置以外の装置全体を停止させる機構とするなどの安全対策も必要です。

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質問10

水系の脱脂洗浄において、洗浄槽内の「異臭」やタンク内壁の「ぬめり」がはっせいすることがありますが、何か対策の方法はありますか。
 水系洗浄で起こる「異臭」や「ぬめり」のトラブルは、日常生活における洗浄場(台所、風呂、洗面台など)で起こる現象と基本的には同じです。洗浄工程で発生する「異臭」は、主に洗浄槽に持ち込まれる加工油や汚れなどの有機物を栄養源として、液中に細菌が繁殖することで起こります。一方、「ぬめり(バイオフィルム)」は、水を主成分とした水膜でフィルム状の高分子化合物からできた構造物の中に生息する微生物の集団であるといわれています1)。このバイオフィルムの形成は、材料表面への細菌の付着から始まるので、付着体の材質や表面状態によってもその形成率が異なります。例えば、Cu、Ag、Alなどの非鉄金属材料よりも鉄を主成分とする鉄鋼材料(SS400)の方が、バイオフィルムが形成されやすいとの研究事例もあります。
 洗浄工程で発生する「異臭」や「ぬめり」は、被洗浄物への直接的な影響は少ないですが、作業環境の悪化やフィルタなどの目詰まりを引き起こすため、何らかの対策が必要なケースもあります。その対策としては、細菌の栄養源となる有機物や無機物の持ち込みを減らす(あるいは除去する)ことや殺菌装置などを設置して、細菌の増殖を抑制することが有効です。
 なお、洗浄液中の細菌数は、水溶性切削油の腐敗菌などを検出するキット「細菌検出用培地」で簡単に調査することができます。水系の脱脂洗浄においては、経験的に細菌を培地で培養したコロニー数(Colony Forming Unit)をおよそ105CFU/ml以下で維持管理することを目安にしています。

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出典元:産業洗浄技術情報誌 産業洗浄(発行:日本産業洗浄協議会)

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