トピックニュース

アマダ、材料供給装置一体のプレス自動化システム 簡易操作

 
開発したアルファス。1つのモニター画面でプレス機とコイル材供給装置を操作できる

開発したアルファス。1つのモニター画面でプレス機とコイル材供給装置を操作できる

 アマダはプレス機械とコイル材供給装置(レベラフィーダー)の一体化システムの展開に乗り出す。両機械の操作・制御を集約した順送プレス加工自動化システムをシリーズ化し、9月から順次投入。同システムの商品化は業界初という。一つのモニター画面上で両機械を操作でき、作業負荷軽減が見込める。システムを一括提案し導入期間を短縮できる点も訴求し、自動化需要を取り込む。

 新システム「アルファス」は、プレス機や自動機を手がける子会社アマダプレスシステム(神奈川県伊勢原市)が開発、販売する。独自制御システム「iIII」を搭載したデジタル電動サーボプレス機とレベラフィーダーで構成。従来はそれぞれ搭載していた操作・制御盤を一つにし、運転、設定、段取りまでをまとめて設定できる。

 シリーズ第1弾商品を9月1日に発売。加圧能力150トン、ストローク長さ150ミリメートルのプレス機と、板幅50ミリ―300ミリメートル、板厚0・3ミリ―3・2ミリメートルに対応するレベラフィーダーの仕様で、価格は4000万円(消費税抜き)から。年間12台の販売を目指す。

 送り速度を標準速度比約40%高める高速モードを新たに搭載した。金型の加工開始・終了位置を自動検出することで、レベラフィーダーのリリースや送りのスタート・干渉のタイミングを自動で設定できる。

 従来は、コイル材をほどくアンコイラーの回転時に起動と停止を繰り返すため、コイル材が緩んで材料に擦り傷が付く事象が発生していた。新システムでは、アンコイラーの巻きだし速度とライン速度を等しくし、アンコイラーが回り続けることで緩みを抑える機能を標準で搭載。擦り傷削減や締め直し作業の回避により、品質向上と省力化を実現する。

 プレス加工の現場では少子高齢化や熟練技能者の引退による人手不足を背景に段取り作業や操作の簡易化・省力化に対するニーズが高まる。同社は今後、プレス機とフィーダーの仕様や性能ごとに新商品を追加し、商品群を拡充する計画だ。

(日刊工業新聞電子版 2021年9月1日付)