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不二越、寿命3倍の盛上げタップ

 

 不二越は新たな材料や形状、コーティングを採用することで他社従来品と比べ3倍以上の長寿命化を実現した盛上げ(非切削)タップ「ZTフォーミングタップ=写真」を開発した。自動車部品の量産ラインなどでは生産性向上のため、切りくずトラブルが発生しない盛上げタップの需要が拡大している。長寿命で安定した加工が可能な新製品を投入し、ニーズに対応する。10月21日に発売する。2024年までに年間3億円の売上高を目指す。

 タップはネジ溝を加工する工具。ZTフォーミングタップでは、盛上げタップ専用に組織を微細化したコバルト(Co)高速度鋼(ハイス)を開発。ハイスの柔軟性を維持しながら高硬度化した。

 形状ではネジ山盛上げ部をマージン(タップの外周の縁)レスにした。接触面積を小さくし摩擦抵抗を低減。加工トルクと摩耗を抑える。油溝の形状も見直し、深く大きく広げ切削油剤の流量を向上。先端まで油剤が届きにくい横型マシニングセンター(MC)でも潤滑性能を発揮する。

 食付き(先端の傾斜部分)が2ピッチと4ピッチの2タイプを用意した。寸法はM3―M16、並目・細目ネジを含め全34寸法。M6×1ミリメートルピッチで全長62ミリメートルの場合、消費税込みの価格は1本3740円。

(日刊工業新聞電子版 2021年9月29日付)