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アマダ、小型ファイバーレーザー加工機投入 省エネ・少量生産用

 
開発した小型ファイバーレーザー加工機「BREVIS―1212AJ」

開発した小型ファイバーレーザー加工機「BREVIS―1212AJ」

 アマダはファイバーレーザー加工機で同社初となる小型機種の展開に乗り出す。第1弾として、設置面積を現在の最小機種と比べて7割縮小した新機種を市場投入する。都市部などの面積が限られる小規模工場での二酸化炭素(CO2)レーザー機からの更新需要を取り込む。また、量産加工を担う中・大型機とは別に、特注品や小ロット加工に対応する「サブマシン」としても訴求する。

 アマダはレーザー加工機のうち、ファイバーレーザー機は中・大型の3機種をそろえ、最小機種は寸法が長さ9507ミリ×幅2840ミリ×高さ2532ミリメートル。CO2レーザー機は、長さ2905ミリ×幅2202ミリ×高さ2160ミリメートルの小型機種も展開している。

 新開発の「BREVIS―1212AJ」を1日に発売。機械寸法が長さ3088ミリ×幅2389ミリ×高さ1900ミリメートルで、CO2レーザー機の最小機種とほぼ同サイズとなる。最大加工寸法は1270ミリ×1270ミリメートルで、出力3キロワットのレーザー発振器を搭載し、厚さ12ミリメートルまでの材料加工に対応。加工点での光の最適化とレンズの組み合わせにより、異なる材質や板厚でもレンズ交換不要で段取り時間を削減できる。月10―15台の販売を目指す。

 Z軸のストロークは他機種の約2倍の200ミリメートルで、立体物にも容易で正確な追加工を実現する。加工パレットは正面・側面からのアクセスが可能で、引き出せる設計としたことで作業者が楽に素材を搬入出できる。

 NC(数値制御)装置は、大型タッチスクリーンで操作性が高い「AMNC3i」を採用。また、余った板材を有効活用するため、機内カメラ映像画面上のタッチ操作で簡単に板取りを行える機能も搭載する。

 板金加工の現場では短納期化や多品種少量生産、人手不足を背景に省エネルギーで生産性の高いファイバーレーザー加工機の導入が広がっている。一方、都市部などの面積が小さい工場ではスペースの理由で大型機の導入が難しく、小型機の需要が高まっている。

(日刊工業新聞電子版 2021年10月1日付)