【特集】主要工作機械メーカーの推し製品
アマダ金属加工業の労働者・技能者不足に貢献
アマダは、ファイバーレーザー加工機の小型機種や、プレス機械とコイル材供給装置(レベラーフィーダー)の一体化システムなど4機種を出展する。機械性能はもちろん、使いやすさや作業効率も追求。熟練技能者の引退や技術者不足といった金属加工業が抱える課題解決につながる点も訴求する。
アマダ初の省スペース小型レーザー加工機
ファイバーレーザー加工機の「BREVIS―1212AJ」は、同社にとって初の小型機だ。これまではファイバーレーザー加工機のうち、最小機種は寸法が長さ9507ミリ×幅2840ミリ×高さ2532ミリメートルだった。今回は、長さ3088ミリ×幅2389ミリ×高さ1900ミリメートルで、設置面積を7割縮小した。
また加工点での光の最適化とレンズの組み合わせにより、異なる材質や板厚でもレンズ交換不要で段取り時間を削減可能。加工パレットは正面・側面から引き出せる設計としたことで、作業者が楽に素材を搬入出できる。
都市部などの面積が限られる小規模工場での二酸化炭素(CO2)レーザー機からの更新需要を取り込む。
プレス加工現場の簡易化、省力化ニーズに応える
プレス機械では、レベラーフィーダーとの操作・制御を集約した順送プレス加工自動化システム「アルファス」を出展する。一つのモニター画面上で両機械を操作でき、作業負荷の軽減が見込める。
プレス加工の現場では、少子高齢化や熟練技能者の引退に伴う人手不足を背景に、段取り作業や操作の簡易化・省力化に対するニーズが今後さらに高まる見通し。
プロファイル研削盤で12年ぶり新機種
また、精密金型・部品などの加工に使われるプロファイル研削盤では、同社で12年ぶりとなる新機種「DPG-150」も出展する。
従来の光学式投影機に代わり、32インチサイズで4K画面のデジタルプロジェクターを搭載。最大倍率を400倍(従来は110倍)と大幅に拡大した。加工対象物(ワーク)の微細な部分を鮮明に見ることができ、視野範囲も広げられる。デジタルプロジェクターの搭載は業界初という。
自動でワーク形状の計測や完成品との誤差の補正加工を行う機能も搭載する。計測にはルーペ操作による計測や指定区間の自動計測など3機能を設定。初期段取り後の全作業を自動化することで、作業者による品質のバラつきを抑えられ、チャート紙の作成用設備費用も削減できる。
プロファイル研削盤は、計測用に光学式投影機を搭載し、ワークをスクリーンに投影し、仕上げ形状が描かれたチャート図に倣って精密に研削加工する。ただ精度計測や補正加工は、作業者が肉眼で判断して行うため、熟練の技能が必要とされる。
新機種は、熟練者でなくても簡単に高精度加工が可能な点が特徴だ。また、加工時間も従来比20%以上の短縮が見込めることから、研削加工への要求精度の高度化や作業者の技術不足といった課題解決支援につながる機種として注目されそうだ。
(編集委員・土井俊)