NEDO、高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)と元素戦略磁性材料研究拠点(ESICMM)は、2021年12月1日に東京大学 伊藤謝恩ホール(本郷キャンパス)において磁性材料に関する「MagHEM・ESICMM合同成果報告会」を開催致します。
ESICMMでは学理を探求し、MagHEMでは得られた原理原則に基づく成果を求め、電力消費の過半を占めるモーターの省エネを最重要課題として産業への応用を進めてきました。磁石と応用分野のモーター研究チーム一体で高効率モーターへの応用を目指し、官民の総力を挙げた取組を実施してきました。
本合同成果報告会では磁性材料開発の最新技術動向及び応用製品であるモーターについての取組等を報告します。また、新磁石を用いたモーターモデルも展示予定です。
ご来場、または、ウェブでの視聴、どちらでも、どなたでも無料で聴講いただけますので、この機会にぜひお気軽にお申込みください(申し込み締切は2021年11月29日(月)正午です。 現在アーカイブ配信の申込を受付中です。)
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本成果報告会は、2012年に創設された経済産業省の未来開拓研究開発制度の一環として事業を開始したMagHEM、および、同年に開始された文部科学省の「元素戦略プロジェクト〈研究拠点形成型〉」の一拠点として採択されたESICMMの10年計画の最終年度の総まとめとなります。
新型コロナウイルス感染状況によっては、実開催をとりやめオンライン開催のみとなる可能性があります。その場合は、事務局よりお申し込みの方全員へ聴講URLをご案内します。
2021年12月1日(水)10:00~17:00(9:30開場)
伊藤謝恩ホール【お願い】当日参加の皆様の入場方法Mapです。
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学伊藤国際学術研究センタ-内
※事前申し込み者限定でアーカイブ配信も行います。
【Webex視聴方法】一例としてブラウザからの視聴方法です。
経済産業省(次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発)
文部科学省(元素戦略プロジェクト研究拠点形成型)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)
元素戦略磁性材料研究拠点(ESICMM)
など
10:00〜10:03
開会の辞
NEDO 西村 知泰 理事
10:05〜10:08
来賓挨拶
経済産業省 大竹 真貴 製造産業局 金属課 金属技術室 室長
10:10〜10:13
来賓挨拶
文部科学省 江頭 基 研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)
10:15〜10:43
概要報告
MagHEMが取り組んできた内容とその成果概要
MagHEM 尾崎 公洋 プロジェクトリーダー(産総研)
10:45〜11:13
概要報告
ESICMMが目指したものとその成果
ESICMM 広沢 哲 代表研究者(NIMS)
11:15〜11:33
学理(電子論)
電子論が開いた永久磁石材料の新しい世界
ESICMM 三宅 隆(産総研)
11:35〜11:53
学理(解析)
磁石解析ネットワークを用いた保磁力メカニズムの解明
ESICMM 宝野 和博(NIMS)
11:55〜12:13
省Nd/超Nd磁石
高効率モーター用新規ネオジム磁石
MagHEM 木下 昭人(トヨタ自動車)
12:15〜13:15
休憩
13:15〜13:33
材料創製
複相組織の制御に基づく高保磁力磁石材料の創製
ESICMM 杉本 諭(東北大学)
13:35〜13:53
熱力学
希土類磁石用熱力学データベースの構築とその利活用
ESICMM 阿部 太一(NIMS)
13:55〜14:13
FeNi
完全レアアースフリーFeNi超格子磁石の開発
MagHEM 藏 裕彰(デンソー)
14:15〜14:33
実装後の磁石特性
モーター実装時の磁性材料の評価技術
MagHEM 浅野 能成(ダイキン工業)
14:35〜14:53
モーター開発
新規磁石材料に適した高効率モーター開発
MagHEM 山際 昭雄(ダイキン工業)
14:55〜15:00
閉会の辞
元素戦略プロジェクト 玉尾 皓平 プログラムディレクター
15:00〜17:00
ポスターセッション&展示(ライブ配信は予定しておりません)
「2ミニッツ・プレゼン」として29組のプレゼンテーションをアーカイブ配信いたします。
PDF形式のポスターデータもご覧いただけます。
2021年12月15日現在、ポスター発表者は以下の通りです。
ほぼ全ての発表者は会場にいる予定で準備を進めております。興味のある分野の研究者等とお話ください。
No.の背景色で、水色はESICMM。赤色はMagHEMの所属メンバーとなります。
2021年12月15日現在
(敬称略)
No. | 発表者 | 所属 | ポスタータイトル(日本語) | ポスタータイトル(英語) |
---|---|---|---|---|
1 | 三宅 隆 | 産総研 | 磁石化合物の計算探索と物性解明 | Computational exploration and analysis of hard magnetic compounds |
2 | 高橋 有紀子 | NIMS | モデル薄膜による新規磁石材料開発 | Development of new permanent magnetic material by model thin film |
3 | 寺西 利治 | 京都大学 | 高Fe濃度希土類磁石微粒子の合成と磁気特性 | Synthesis and Magnetic Properties of Rare-Earth Magnet Particles with High Fe Contents |
4 | Hossein Sepehri-Amin | NIMS | 高性能Fe基希土類バルク磁石の創製 | Development of high-performance Fe-based rare earth bulk magnets |
5 | 松浦 昌志 | 東北大学 | 希土類-鉄系磁石合金における相平衡と高性能ボンド磁石への応用 | Phase equilibrium in rare earth-iron magnet alloys and application to high performance bonded magnets |
6 | 中村 裕之 | 京都大学 | M型フェライト磁石の高性能化指針:サイト選択Co置換 | Guiding principle for improving peformance of the M-type ferrite magnet:Site-selective Co substitution |
7 | 阿部 太一 | NIMS | ESICMMにおける永久磁石用状態図データベースの構築 | Phase daigram database for the permanent magnets constructed in ESICMM project |
8 | 小山 敏幸 | 名古屋大学 | ネオジム磁石における粒界付近の組織形成に対するフェーズフィールド解析 | Phase-field analysis to understand the microstructure formation around the grain boundary region in Neodymium hard magnets |
9 | 佐々木 泰祐 | NIMS | ネオジム磁石の微細組織と保磁力 | Microstructure and coercivity of Neodymium magnet |
10 | 中村 哲也 | 東北大学 | 放射光磁石計測技術の確立による保磁力機構と相変化の解明 | Elucidation of coercivity mechanism and phase-change by establishing synchrotron radiation measurement techniques for permanent magnet study |
11 | 岡本 聡 | 東北大学 | 永久磁石におけるマルチスケール保磁力解析 | Multiscale coercivity analyses of permanent magnets |
12 | 宮下 精二 | 東京大学 | 永久磁石における種々の保磁力機構の理論的研究 | Theoretical studies on various mechanisms of coercivity of permanent magnets |
13 | 合田 義弘 | 東京工業大学 | 永久磁石における材料組織効果の第一原理電子論 | Microstructure effects in permanent magnets studied by first-principles electron theory |
14 | 只野 央将 | NIMS | 永久磁石材料におけるフォノンと有限温度磁性の理論解析 | First-principles study of phonons and finite-temperature magnetism in permanent magnets |
15 | 土浦 宏紀 | 東北大学 | 希土類永久磁石の有限温度磁気特性に関する理論的解析 | Theoretical study on the finite temperature magnetic properties of rare-earth permanent magnets |
16 | 常行 真司 赤井 久純 |
東京大学 | 基盤的計算機シミュレーション手法の磁石材料開発への展開 | Application of fundamental computer simulation methods to the development of permanent magnet materials |
17 | 小野 寛太 | KEK | 中性子・放射光 in situ 解析 | In situ characterization with neutron and x-rays |
18 | 袖山 慶太郎 | NIMS | 熱間加工磁石におけるプロセス最適化とSEM画像の特徴量抽出 | Optimization of extrusion process for Nd-Fe-B magnets using active learning and feature extraction from SEM images |
19 | 大久保 忠勝 | NIMS | データ創出・活用型磁性材料研究に向けて | Toward Magnetic Materials Research by Digital Transformation |
20 | 木下 昭人 | トヨタ自動車 | 高効率モーター用新規ネオジム磁石 | Novel Nd magnet for highly efficient motors |
21 | 林 禎彰 | デンソー | 完全レアアースフリーFeNi超格子磁石の開発 | Development of L10-FeNi magnetic material for rare-earth-free permanent magnet |
22 | 三箇 義仁 | ダイキン工業 | 評価技術・モーター開発 | Motor material evaluation technologies and motor development |
23 | 松本 紀久 | 三菱電機 | 磁性材料の評価技術開発 | Development of magnetic materials evaluation technologies |
24 | 内山 翔 | 明電舎 | 高効率モーターの開発 | Development of high efficiency motor |
25 | 豊田 俊介/ 谷川 茂穂 |
金属系材料研究開発センター/MagHEM | 高効率モーター用磁性材料の技術動向 | Technical Trend of Magnetic Materials for High Efficiency Motor |
26 | 尾崎 公洋 | 産総研 | 基盤技術開発-プロセスシミュレーションと材料解析 | Analysis of magnetic particles, and development of processing simulation technologies for powder molding |
27 | 宇根 康裕 | 大同特殊鋼 | ナノ結晶粒Nd焼結磁石 | Sintered Nd magnets made of nano-scale crystal grains |
28 | 柘植 勇輝 | 愛知製鋼 | Nd系異方性ボンド磁石マグファイン | Anisotropic Nd-Fe-B resin bonded magnet MAGFINE® |
29 | 浦田 顕理/ 高下 拓也 |
トーキン/ JFEスチール |
高Bsナノ結晶軟磁性材料 | High-Bs nano-crystalline soft magnetic materials |
■新磁石を用いたモーターモデル
MagHEMより展示を行います。説明員も現場におります。
No. | 所属 | 展示物 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車/大同特殊鋼 | 高効率モーター用新規ネオジム磁石 | |
2 | デンソー | FeNi磁石を用いた試作小型モーター | |
3 | ダイキン工業 | モーター動展示 | |
4 | 三菱電機 | ナノ結晶薄帯積層コア | |
5 | トーキン/JFEスチール | 高Bsナノ結晶軟磁性材料 |
ポスター等
本成果報告会のポスター、リーフレットです。PDF形式でご自由にダウンロードいただけます。
※高画質のPDFをご希望の方は、下記事務局までご連絡ください。
日刊工業新聞記事
本報告会に関連、参考となる日刊工業新聞の記事リンクです。
一部、ニュースサイト「ニュースイッチ」に転載している記事は無料で読めます。
●2021年11月18日付け、日刊工業新聞
深層断面/産学“理想の”データ連携 研究期間短縮・産業競争力底上げ
…文科省と経産省で取り組みが進む、磁石の大型研究事業の10年を総まとめ。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/618928
>本記事はニュースイッチでも転載
●2021年4月21日付け、日刊工業新聞
深層断面/研究開発DX 蓄積データ走らせ新技術
…材料開発にマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を導入する動きについて、トヨタ自動車のデータ活用支援事業と物質・材料研究機構(NIMS)の研究モデルを紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00595925
>本記事はニュースイッチでも転載
●2021年11月8日付け、日刊工業新聞
For Future先端技術(26)物質・材料研究機構 磁性材料研究拠点
…広沢哲ESICMM代表研究者のインタビューを中心に、磁石の最小単位である「磁区」の観察技術についても紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00617694
●2021年11月29日付け、日刊工業新聞
For Future先端技術(28)MagHEM 高効率モーター用ネオジム磁石
…「芸術品より、使い勝手のいいそこそこの磁石」をキーワードに開発してきたMagHEMプロジェクト。年度末の最終試験を控え、直前の模様を紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/619818
●2021年11月11日付け、日刊工業新聞
京大、最大1.6テスラ達成 希土類磁石「1-12」系粉末で成功
…京都大学のチュイン・タントゥイ特定助教と佐藤良太助教、寺西利治教授らの成果を紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/618172
●2021年11月19日付け、日刊工業新聞
デンソー、レアアース不要に 鉄ニッケル磁石の小型モーター用開発
…先端技術研究のオンライン説明会での発表より。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/618971
>本記事はニュースイッチでも転載
https://newswitch.jp/p/29693
●2020年12月18日付け、日刊工業新聞
ネオジム使用2―5割減 トヨタと大同特殊鋼など、次世代磁石部材を開発
…トヨタ自動車と大同特殊鋼、MagHEMによる、ネオジム磁石部材開発について紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/582294
>本記事はニュースイッチでも転載
●2021年2月10日付け、日刊工業新聞
愛知製鋼など、ネオジム系磁石の性能向上 電動アクスル小型化可能
…東北大学と共同でレアアース(希土類)のジスプロシウム不使用のネオジム系磁石で、磁力を15%高める技術を開発。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/587893
>本記事はニュースイッチでも転載
●2021年6月9日付け、日刊工業新聞
物材機構が先鞭「研究開発DX」 新たなエコシステム期待
…物質・材料研究機構(NIMS)のデータ整備の背景について紹介。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/601320
>本記事はニュースイッチでも転載
●2021年11月2日付け、日刊工業新聞
トヨタ、AIで磁石探索 車載モーターの希土類削減
…トヨタ自動車によるオーストリアのドナウ大学クレムスと共同で開発した磁石材料探索システムについて紹介。1面トップ。
〒540-0031 大阪府大阪市中央区北浜東2-16
「MagHEM・ESICMM合同成果報告会」事務局
(日刊工業新聞社 大阪支社内/担当:谷、森野、今堀)
tel:06-6232-8105