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地域応援隊

2月28日（火曜日）付 日刊工業新聞　12面 地域特集から

＜出稿企業一覧＞

企業名		新聞広告
テクノエコー	残留塩素系の装置ソリューション
垣堺精機	リチウムイオン電池向けの金属箔スリッターマシン
ＣＲＳ埼玉	自動車部品のリビルド品を中国で展開
エムエフケイ	ステンレス並みの高耐食アルマイト表面処理
大起理化工業	放射能汚染向けなど土壌粉砕装置を発売
ティ・エイチ・エム	国産直管ＬＥＤで販売代理店を募集
日本捲線工業	ＬＥＤ照明向けトランス式高効率電源を販売

環境・省エネ時代を先取りする　難問解決テクノロジー　−埼玉西部地域−

　世界的な人口増加は地球温暖化原因のひとつでもあり、新興国経済の発展は公害の広がりとあいまって大量生産・消費社会の行き詰まりを暗示。温暖化の波は、過激な気候変動をもたらし砂漠化の進展や、真水資源の需給関係も危うくする。また、世界人口の増大と衛生面での対処不足は疫病の多発原因ともなり、未来世代への大きな負荷ともなりかねない。幸いにも我が国には豊富な水資源と良好な衛生環境があり、何より「世界でトップクラスの環境・省エネ（エコ）技術」を保有する。そうした技術の一端を紹介する

【塩素濃度を高精度で測定する装置ソリューション】

　テクノエコー（埼玉県入間市、山中範行社長、04・2937・1061）は、工場排水に含まれる塩素濃度などを高精度で測定するための装置ソリューションを提供する。同装置は、センサー電極の汚れを防いだり光透過率をよりよく保つ機構を備え長時間メンテナンスフリーでの利用が可能。設置場所としては、循環式温泉施設やスポーツクラブ向けに国内でおよそ6割のシェアを持つ。このほか、化成ソーダ系プラントや食品工場、発電所向け放流口モニターのほか、バラスト水や医療用滅菌装置向けなど幅広い分野に対応、累計販売台数は1万台を越えた。

　新型機「放流水用無試薬式全残留塩素計GR−10B−220−20」では、自社従来型に比べ加電圧調整などさまざまな測定条件を微調整できる。アンモニア化合物など結合型残留塩素を多く含む残留塩素水の濃度測定が容易。フィルターを使わない独自の浮遊物質除去機構により、取水側の近くでも使用できる。データロガーを標準装備。「残留塩素水の特質に合わせて事前設定した測定条件の変数データをフラッシュメモリーに読み込んで活用できる」という。

【中国で自動車中古部品のリビルド事業参入】

　CRS埼玉（埼玉県川越市、加藤一臣社長、049・228・5111）は、中国における自動車中古部品のリビルド事業に乗り出す。2011年、中国の張家港市に地元政府などと合弁で設立した廃車リサイクル子会社「CAPA（張家港）資源再生＝完成図予想図」敷地内に自動車中古部品リビルド工場を設置し、日本企業を中心に複数のリビルドメーカーに入居を呼びかける考え。

　CAPA資源再生では現在、同敷地内に廃車リサイクル工場を建設中で8月頃に稼働する予定。次のステップとしてリビルド工場を設置することで、リサイクル事業の高付加価値化を進める。扱うリビルド製品はエンジン、セルモーター、オルタネーターなどの他、バンパーなどの外装品も手がける計画だ。円高による日本へ逆輸入のメリットも見込む。

【アルミの高耐食化で省エネ化に貢献】

　エムエフケイ（埼玉県日高市、古屋十三栄社長、042・984・0333）の主力商品は、厚さ10〜15マイクロメートル（マイクロは100万分の1）程度の被膜でステンレス並の高耐食性を持つアルマイト処理「MFコート」。このほか各種金属表面処理で豊富な実績を持つ。

　2011年、研究開発に業務を特化した子会社「MFKテクニカルセンター」を設立。「国内にしか残らないような最先端技術の開発」を推進する。例えば、シール材剥離など、熱交換機を分解洗浄しやすくするどぶづけ洗浄液の開発や、ステンレスに高耐食の表面処理を施して、チタンの代替とするための研究を進める。超微細加工分野では、アルマイト表面に形成したナノレベルのハニカム構造を利用。ハニカム中に酸化チタンイオンを入れ込んだエアフィルターを開発している。

　このほか、埼玉県産業振興公社の旗振りのもと、シリコンパウダーを用いたフレキシブル太陽電池の開発に、複数社で着手する計画。

【放射線汚染調査向けなどで土壌粉砕装置に引き合い】

　大起理化工業（埼玉県鴻巣市、大島忠男社長、048・568・2500）は、土壌を粉砕してサンプルにする自動機「無粉塵型自動粉砕ふるい分け装置DIK−2600」を発売した。密閉した樹脂製サンプル容器の内部で粉砕して粉塵漏れを抑制するため、ダイオキシンや放射性物質など有害物混入の疑いがある土壌に対応できる。粒径2ミリメートル以下に粉砕する。

　回転テーブルと逆方向にサンプル容器が自転する遊星回転機構を用いた。サンプル容器はふるいを境に上下に分かれる。同上部に入れた2本の樹脂被覆棒が遊星回転の働きで土壌を粉砕し、下部容器に粉末を回収する。「1分程度の運転で分析に適した粉末サンプルを得られる」という。専用ソフトウエアにより分析データを地図ソフト上にプロットできる。

　5月18日には創立80周年を記念し、東京都秋葉原の中小企業振興公社でプライベートショーを開催する。自社の環境機器各種を展示するほか、オランダの提携先アイテルカンプ社の製品を展示する。午前中はユーザー向け、午後は代理店向けの内容とする。

【車載リチウムイオン電池向け、薄物金属箔用スリッターマシン】

　垣堺精機（埼玉県小鹿野町、垣堺正男社長、0494・75・3310）は、リチウムイオン電池向けなど薄物金属箔に特化したスリッターマシン「KSL350HTC＝写真」を発売した。バリの高さを抑えることにより、後工程での切り粉の発生が減らせる。そのため、品質要求が極めて高い自動車用リチウムイオン二次電池用の材料切断に向く。

　同機は、ロールから金属箔を引き出しながら、1スリット幅2ミリメートルで、50スリットまでの切断・巻き取りが可能。箔厚は10マイクロ〜200マイクロメートルに対応する。巻き取り速度は毎分150メートル。

　きさげ加工などの部品すり合わせ整合の徹底により、装置のブレを数マイクロメートル以内に抑制し、箔切断の際に生ずる端バリの高さを5マイクロメートル以内にした。切断幅のバラつきは20マイクロメートル以内。

　同社のスリッターマシンは現在、主に電子機器向けトランスコア用材料箔の切断などで活躍中だ。

【LED照明向け低損失回路を開発】

　日本捲線工業（埼玉県所沢市、村井雄三社長、04・2945・1411）は、変圧器（オートトランス）を用いた発光ダイオード（LED）パネル用省エネ型「電圧安定分割器」を発売した。家庭用電源などにつなぐだけで、LED電源装置として用いることができ、スイッチング電源に比べて2割ほど省エネが可能。自社応接室にデモ用として、同電源を用いた電照看板を設置した。

　電圧安定分割器は、トランスの性質を生かし電流経路を工夫することで、複数のLEDパネルに電圧を分割して安定供給できる。負荷電圧によって回路分割数が決まるが、回路全体トランス一個で済むため低コストで照明回路を構築できる。

　オートトランスと整流器を併用した構造。LEDは整流器で作り出した脈流でも点灯することを利用した。トランスがほとんど発熱しないため、高効率で、トランスの設計基準も従来の3分の1程度小型軽量で済む。完全密閉型トランスのため経年変化がなく長寿命。ノイズが発生せず電波障害に強いのも特徴だ。

【国産直管型LEDの販売代理店募集】

　ティ・エイチ・エム（埼玉県所沢市、萩尾道昭社長、04・2994・8350）は、直管型LEDの代理店販売に着手する。これまで直販および自社での施工に特化していたが、今後に予想される電力料金の引き上げなどをにらんで、販売体制を強化する。
同社は国内で直管型LEDを組み立て製造しており、生産能力は月間2万本程度。電力消費量は蛍光灯に比べておよそ半分で済む。LED素子には、国内メーカーの樹脂発光素子のほか、輝度の高いシリコン発光素子も採用が可能。

　代理店募集に先立ち自社の直管型LEDで国内における商標登録「AI−TUBE」を取得。扱い品種は110ワット、40ワット、32ワット、30ワット、20ワット、15ワット、10ワットの各種。簡単な工事で既設の蛍光灯に取り付けて用いることができ、国内で3万本の導入実績がある。

　同社ではこのほか、工場や施設など向けに、既設の水銀灯を、最大4万時間と長寿命なセラミックメタルハライド灯に付け替える事業をのばしており、同分野でも代理店を募集する。

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