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地域応援隊

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日本経済復活を先導する オンリーワンテクノロジー 埼玉県西部地域

6月26日(水曜日)付 日刊工業新聞 19面〜20面  広告特集から

 円安・株高のトレンドが進む中、国内の景気活性化への期待が一段と高まっている。だが、街角の声を聞く限り、ここ数カ月間において目立った景気浮揚のシグナルは見られないというのが正直な印象だ。何はともあれ、アベノミクスの成長戦略が示された。実効性への懐疑論はあれど、政府による成長に向けた道筋が見えて来た。こうした成長戦略の波にいち早く乗り、さらなる成長を期する企業の最新動向を紹介する。(順不同)

 

圧電アクチュエーター増産で新工場開設も

ワックデータサービス

▲上海テックス2013に出展

▲上海テックス2013に出展

 ワックデータサービス(埼玉県富士見市、渡辺和久社長、049・251・7777)は、主力製品であるニット編み機の選針向け圧電アクチュエーターの需要拡大を受け生産体制の再整備を急ぐ。およそ一年前より、品質向上のため内製化率を上げてきたが、ここ数カ月間、受注量が前年同月比3倍程度と高原状態が続いている。そのため、ここ1―2年内で近隣に新たな生産拠点を設ける計画だ。

 同社は売上高の約95%を海外市場に依存している。製品への信頼度やアフターサービスへの高評価を受け、主要顧客である欧州のニット製造装置メーカー向け出荷が急増中。背景には「世界におけるニット製品主要生産国である中国でのニット製品の在庫減や、同製造会社が設備投資を抑えて来た反動」(渡辺社長)もあるようだ。

 過熱気味な受注に対応するため、パートを含めた全従業員数を1年前に比べ約1.5倍となる38人に増員。また、特設ラインを設置したほか、毎土曜日にも工場を操業しているが「それでも供給が追いつかない」(同)という。


地震・津波観測網向け銅合金出荷が好調

三芳合金工業

航空機向け足周り部材

 三芳合金工業(埼玉県三芳町、萩野茂雄社長、049・258・3381)は各種銅合金製品製造を手がけて60余年の歴史を持つ。その販売子会社である大和合金(東京都板橋区)では萩野源次郎氏が1月、新社長として就任した。リーマンショック後には21億円まで落ち込んだ大和合金の売り上げも2013年3月期には36億円と、過去最高だった同40億円超をうかがうまでに回復した。 消しゴム用金型や、航空機向け足周り部材(写真)などで高シェアを持つ一方、顧客層は製造業全般に幅広い。最近は「三陸沖海底に敷設される地震・津波観測網向けや、一部の半導体材料裏金としての注文が特に好調」(萩野源次郎大和合金社長)だ。海外へも営業攻勢をかけており、昨年のベルリンエアショー出展を契機に新たな取引が始まった。6月17日に開催したパリエアショーにも出展。その成果について「多くの有意義な出会いがあった」(同)と手応えを感じている。


スリッター加工でタイに進出、装置のノックダウン生産も

垣堺精機

移設するスリッターマシン

 垣堺精機(埼玉県小鹿野町、垣堺正男社長、0494・75・3310)は、タイのバンコク近郊のパトムターニ市に子会社工場を設置した。現在、本社工場からのスリッターマシン(写真)移設を進めており、7月には導入が完了する見込み。9月をめどに、自動車や電子部品関連の現地日系メーカー向けなどに各種金属コイルの分割切断/巻き取り加工の請け負いを開始する予定。

 タイ子会社はレンタル工場を利用した。垣堺成功工場長ほか2人の現地従業員で運営する。100分の3ミリメートル厚以下の薄物金属コイルの加工が中心となる見込み。受託加工が軌道に乗り次第、装置のノックダウン生産に着手するほか、東南アジア全域をにらんだ営業の核拠点とする考えだ。

 タイ進出の一方で、本社工場でも繁忙が続く。特にコイル幅800ミリ、切断分割数が50ラインにも及ぶ大型スリッターマシンへの需要が高まっている。「コイルの取り出しや移動装置の開発も必要なため、納期に追われている」(垣堺正男社長)状態だ。


熱間アルミ鍛造向け油性潤滑剤を開発

青木科学研究所

ダイカスト金型向け油性離型剤

 青木科学研究所(東京都港区六本木、青木久治社長、03・3403・4301)が開発した熱間アルミ鍛造向け油性潤滑剤「FTSシリーズ」が評判を呼んでいる。2012年12月に発売したところ、最近は特に引き合いが急増。現在、顧客先で実用化試験を進めており「まもなくアルミ鍛造部品の量産化に採用される見込み」(青木社長)だ。同潤滑剤は、金型温度300度C前後の高温下で利用できるため、塗布時に金型を冷却しないで済むのが特徴。温度負荷が少なく金型が長寿命化するほか、従来の同水溶性に比べ使用量が10分の1以下で済み「周辺汚れが起きにくく洗浄の手間いらず」(同)という。

 主力製品としてのダイカスト金型向け油性離型剤(写真)の製造販売も好調。同離型剤は400度Cの高温でも油膜が形成でき、水溶性に比べ使用量が1000分の1程度で済み、廃液も出ない特性を持つ。国内外の大手ダイカストメーカーや自動車メーカーが相次いで採用を決めている。


ホンダ寄居工場への都市ガス供給網を整備

武州ガス

7月に稼働するホンダ寄居工場

7月に稼働するホンダ寄居工場

 武州ガス(埼玉県川越市、原敏成社長、049・241・9000)は、ホンダの寄居工場稼働に備え同エリアに都市ガス網の整備を進めてきた。予定より遅れたが、7月にホンダ寄居工場が稼働することは武州ガスにとっても朗報。既存のホンダ狭山工場に都市ガスを供給している背景もあり「両工場を合わせて、ガス需要が一層増えることを期待」(田中正幸特需営業部長)する。

 ホンダ寄居工場においてはコジェネレーション施設向け、塗装の乾燥工程やボイラ向けなどに主なガス需要が見込まれる。特に外部事業者が運営する大型コジェネレーション施設では「かなりのガス需要が見込まれる」(同)という。同エリアで都市ガス網を整備したことにより「寄居の資源循環工場団地で、LNGやLPGから当社のガス供給へ切り替えもあった」(同)など福次的な効果も得られた。

 同社では、このように整備した都市ガス網を、被災時などに備えてループ化する計画。越生―小川間の約20キロメートル区間にガス管を敷設することで、今後3年以内にループ化を完了する見込みだ。


乗用車向けCFRP内外装部品量産を8月開始(1000トンプレス機を導入)

チャレンヂ

新規導入した川崎油工製1000トン油圧プレス機

 チャレンヂ(埼玉県狭山市、中村敬佳社長、04・2900・2111)は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)製品の量産向けに新規導入した川崎油工製1000トン油圧プレス機(写真)を今月試験稼働した。当面はトライアルを行い、国内外の乗用車メーカー向け内外装部品として8月にも量産を開始する。左右が最大1・5メートル×2メートル幅の大型部品の短時間成形が可能だ。

 国産の高級スポーツ乗用車向け外装部品としてや、欧州の自動車メーカー3社向けに車体構造部品の量産を行う。今後、一年以内には国産車向けシートフレームとしての試作量産も開始する見込み。

 電気や蒸気で内部加熱できる特殊な金型を用いて熱硬化CFRPをプレス成形する独自工法を用いる。熱硬化時間が5分以下と、加熱炉(オートクレーブ)方式の同4時間に比べ圧倒的に短時間で済むのが特徴。さらにプレスの周辺工程向けとして、CFRPの自動カット機や金型にCFRPを装着するプリフォーム工程、表裏自動接着を可能にする自動ロボットを導入した。これらにより「バリ取りなどを含めても一個あたり簡単なもので5分、複雑なものでも最大20分で塗装工程に回せる。人件費に至ってはオートクレーブを用いた場合の10分の1にできる」(中村社長)という。


瞬間接着テープを開発

共同技研化学

両面接着用「瞬間接着テープ」

 共同技研化学(濱野尚吉社長、04・2944・5151)は工業部材などの接着に利用できる両面接着用「瞬間接着テープ」を開発した。貼り合わせ後約1時間で接着力が10キログラム(100ニュートン)と、汎用(はんよう)のゴム系接着剤をしのぐ接着力を持つ。弾性があるため位置ズレや衝撃に強く、市販の瞬間接着剤などに比べ経年劣化が少ないのも特徴。電機、自動車、木工家具向け接合用途などとして月内に量産試作を開始し、年内の市販化を目指す。

 自動車部品の防水シールなどの接合工程では従来、両面テープで仮止めしてから、接着剤を塗るなどしていた。「瞬間接着テープを利用することで、こうしたマルチ工程が一工程で済むようになる」(濱野社長)という。

 同両面テープは、アクリル系の両面テープ粘着層内部に、空気中の水分で硬化する触媒を封じ込めており、テープ接着後に硬化反応が進む仕組み。粘着層の中の厚み方向に分子量の勾配を付け、表面層と中間層に異なった物性の構造を形成する同社独自の「分子勾配膜」技術を用いた。これにより「テープの接着品質保持や、任意の接着力形成」(同)を可能にした。

テープの横幅は任意に設定できるが、幅数センチメートル以下など薄幅品については、接着力の劣化を避けるため耐水性のポリエステルフィルム袋に入れて出荷する予定。


埼玉県西部で最大級のメッキ処理設備を保有

高松電鍍工業

▲メッキを施した製品群

▲メッキを施した製品群

 高松電鍍工業(埼玉県狭山市、高橋利行社長、04・2954・7611)は、1947年の創業からおよそ65年の間、表面処理一筋に歩んで来た。アルミ、鉄、真ちゅう、ステンレス材などのメッキに幅広く対応。電子部品、電気部品、医療部品、自動車部品、精密部品などいずれも欧州のRoHS規制に対応している。埼玉西部地域では最大級のメッキ処理工場でもある。

 主要営業品目は光沢ニッケルめっき、無電解ニッケルめっき、黒ニッケルめっき、クロムめっき、亜鉛クロメート(ユニクロ・クロメート・黒クロメート・3価クロメート)、貴金属めっき(金・銀)、銅めっき、アルマイト加工(白・有色・硬質)、3価クロムめっき、アロジン(3価アロジン処理)、不動態化処理など多岐にわたる。

 「人にも環境にも優しい企業」をスローガンに掲げ、平成6年には埼玉県から「彩の国工場」の指定を受けるなど、外部評価も高い。試作品、量産品のどちらにも柔軟に対応できる生産体制が強みでもある。


ステンレス並みの高耐食アルマイト処理が好調

エムエフケイ

本社工場

 エムエフケイ(埼玉県日高市、古屋十三栄社長、042・984・0333)は蓚酸アルマイト、硬質アルマイトを始め、アノダイズ、電解研磨、化学研磨、精密洗浄などの表面処理およびオリジナルコートを手がける。中でも独自の「MFコート」は10―15マイクロメートルの厚さでステンレス並の高耐食性を実現する優れたアルマイト被膜だ。半導体製造装置や油圧・空圧シリンダー向けなど、高耐食性や耐摩耗性が要求される分野に数多く用いられている。

 08年に新設した現在の本社工場(写真)は、上水道の使用量を極力抑えるなど最先端の工夫を凝らした環境配慮型工場だ。古屋社長は「中小企業であっても技術力で稼げなければ将来はない。円安になったからといって一度出て行った工場が日本に戻ることはないだろう」と独自技術での生き残りを模索する。

 その一つの研究テーマが、同社のアルマイト表面処理で表面に生ずるナノメートル径のハニカム構造の有効利用だ。ハニカム内に酸化チタンなど紫外線で活性化する触媒被膜を入れ、大気浄化装置などに利用する実験を行っている。また、現在500HV程度の硬度を持つMFコートを800HVにまで上げる研究に着手するなど、アルマイト被膜が持つ潜在性をとことん追求している。


脱脂炉からの排煙を無臭・無害に

E&Mエンジニアリング

排気燃焼炉

 E&Mエンジニアリング(埼玉県朝霞市、瓶子公延社長、048・456・8665)は、部品の粉末焼結工程で用いられた決着材料(バインダー)除去に用いる脱脂炉の専業メーカー。排煙に対する優れた脱臭機構に大きな特徴がある。同脱臭機構のみを独立させ客先既設炉にも対応できる「排気燃焼炉=写真」装置としての販売も行う。

 最近は特に「工場に対する居住区の接近などに苦慮する金属やセラミックス部品メーカーからの取り付け依頼が増えている」という。

 排気燃焼炉は、排気口が合えば、どのメーカーの脱脂炉にも接続が可能。1台で脱脂炉2台分迄の排気を処理できる。天井の高い工場では工場内にそのまま排気できるため装置からのダクト設備が不要。大幅なコストダウンにつながる。

 脱脂炉内からの煙を、長さ5メートル長のラビリンス状燃焼管に通し焼却する仕組み。徹底焼却によりほとんどの悪臭および有害物を除去できる。排煙温度を調節可能な「排気温度調節器」を装備。800度C程度の排気を最大で40度Cまで下げられる。


微細ネジ締結用電動トルク管理ドライバーを開発

バンガードシステムズ

電動トルク管理ドライバー

 バンガードシステムズ(埼玉県所沢市、池野成雄社長、04・2951・5381)は、M0・8以下の微細ネジ締結に適した電動トルク管理ドライバーを開発した。締結トルクのバラツキをプラスマイナス5%以内に抑えた。手動用とロボット搭載タイプがある。XY軸に加えオプションでZ軸搭載可能。サイズは長さ158ミリ×幅47ミリ×奥行き95.5mm。発売は9月。

 独自技術であるステッピングモーターを用いたサーボ制御機構や新方式のネジ吸着法を採用。ネジ締め付け方式には、ネジ破断に至らない程度のトルクで締結する「トルク勾配法」を利用する。パソコンからネジ締め付け条件やパターンが設定可能。16種類のネジ締め付けパターン設定を記憶できるほか、締結トルクの履歴管理もできる。

 同社既存の装置技術である小型部品の自動検査・テーピング化技術と組み合わせることで「微細ネジ締結工程の全自動化も可能」(池野社長)としている。


地震感知ストッパーを発売

ケージーエス

地震感知ストッパー

 ケージーエス(埼玉県小川町、博松武男社長、0493・72・7311)は、視覚障害者用機器およびソレノイド製品が主力。中でも、点字ピンを上下するためのソレノイド駆動セル(点字セル)において、世界で7割程度のシェアを握る。小川町の本社工場、フィリピン工場、上海工場の3拠点で、研究開発・適地生産を行う。2012年にはソレノイドを用いたアイデア製品として、地震向け転倒防止機器「地震感知ストッパー=写真」を市場投入。大手医療機器メーカーが可動式医療機器とセットでの販売計画を進めるなど、話題を呼んでいる。

 「地震感知ストッパー」は、大型地震の揺れをセンサーで感知し、キャスター付き事務機器など重量物の転倒を防ぐことができる。樹脂製の平面床で用いる。キャスター台の下部に取り付けたストッパーから、15センチメートル角の粘着ゴム付きプレートがソレノイド駆動で落ち、床に粘着ゴムで張り付く仕組み。病院の手術用キャスター向けなどとして引き合いが相次いでいる。

 合わせて、OA機器などの底面に粘着ゴムで貼り付けるタイプの「固定式耐震ストッパー」を発売した。粘着ゴムがついた105ミリメートル四方のステンレスプレート2枚が1セットで、双方をステンレスワイヤで接合。それぞれを耐震を必要とする機器の底面と床に貼り付け固定することで地震時の転倒を防ぐ仕組み。

 両機種とも、UR都市機構技術研究所で東日本大震災「仙台波」震度6強の振動実験を行い、耐震性を確認済み。一度接着した粘着ゴムはねじるだけで簡単に取り外しでき、水洗いにより何度でも再接着できる。接着持続力は5年間が目安。

<出稿企業一覧>

企業名   新聞広告
ワックデータサービス 編み機向け選針アクチュエーターで世界一
三芳合金工業 特殊銅合金のスペシャリスト
垣堺精機 スリッター巻き取りの悩み解消
青木科学研究所 ダイカスト金型向け油性離型剤
武州ガス ホンダ寄居工場に都市ガス供給
チャレンヂ CFRP部品をプレスで高速成形
共同技研化学 瞬間接着テープ
高松電鍍工業 埼玉西部最大級のメッキ処理設備
エムエフケイ ステンレス並高耐食アルマイト処理
E&Mエンジニアリング 排気ダクト不要の脱脂炉
バンガードシステムズ 微細ネジ締めトルク管理ドライバー
ケージーエス 地震感知自動ストッパー

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