機械工業デザイン賞・経済産業(通商産業)大臣賞 受賞製品
第21回(1991年・平成3年)
■「超音波診断装置 TOSBEE(トスビー)SSA-240A」 (株)東芝
製品分野:医療・福祉機器
【受賞のポイント】
同製品は中小病院・開業医向けに企画・開発されたもので、大幅な小型化、低価格化を実現。高級機並みの高画質を得るために、フォーカスコントロール回路(PDF)を普及機用に簡素化した高画質PDFを開発、高級機用の高密度プローブの採用により、このクラス最高の画質を実現した。デザイン面では本体とパネルをセパレート化し、患者に対して不安感や威圧感の軽減を図った。
■「対話型高速レーザー加工機 SUPER TURBO-X48」 ヤマザキマザック(株)
製品分野:金属加工・処理機械
【受賞のポイント】
32ビット対話型CNC装置を搭載、炭酸ガスレーザー発振器と加工機の一体化を実現した製品。最大の特徴は、従来、オペレーターの長年の経験に依存していた加工条件がCNCに記憶されていることで、ワークの材質と板厚を入力するだけで条件が自動決定される。デザイン面では操作部を前面に配置し、しかも操作部が90度旋回できるようにして、機械全体をシンプルにまとめているのが特徴。
第22回(1992年・平成4年)
■「ACサーボ式小型射出成形機」 松下電器産業(株)
製品分野:プラスチック加工機械
【受賞のポイント】
電動射出成形機としては世界で初めてたて型を採用。成形部品供給形態をテーピング、トレー、フープに統一簡素化することによる、組み立てラインにおける部品供給トラブルを防止した。すべての駆動源を電動化し、クリーン化、低騒音化も図った。射出圧力、射出速度はACサーボにより微細にコントロールする。このためプラスマイナス0.02%高寸法精度を実現した。
■「パンチ・レーザー複合加工機 APELIO II-357V」 (株)アマダ
製品分野:金属加工・処理機械
【受賞のポイント】
タレットパンチプレスの駆動に油圧シリンダー方式を採用、その油圧コントロールに業界初の高速サーボバルブ(エアバスに使用)機構と独自開発のパワーハイドロニクスNC制御により、高速・高精度加工と低騒音を実現した。トライアルカットで打ち抜きスピードを自動設定する学習機能を装備し、女性パートでも簡単に使用できる。
第23回(1993年・平成5年)
■「超微細放電加工機 MG-ED71」 松下電器産業(株)、松下技研(株)
製品分野:金属加工・処理機械
【受賞のポイント】
髪の毛よりはるかに微細な穴や軸の加工が可能な放電加工機。微小エネルギー放電と高精度電極送り機構により最小穴加工寸法5ミクロン、加工ステージ送り分解能0.1ミクロンを実現するとともに、機構部の高剛性化でサブミクロン精度の微細形状加工を可能とした。デザイン面では構成部品の標準化、共用化を図り、シリーズとしてのデザイン統合により工場環境の美的向上を目指した。
■「オールテレーンクレーン AR-1000M」 (株)タダノ
製品分野:土木建設機械
【受賞のポイント】
100トン吊りクレーンながら車幅2.78メートルと45トン吊りクレーンに匹敵するコンパクトな車体を実現、これまで100トンクラスでは進入できなかった狭い現場での作業を可能にした。造形面では建機独特の威圧感をなくし、都市環境に融合したフォルムを取り入れた。建設省による低騒音建設機械指定も受けている。
第24回(1994年・平成6年)
■「電子部品実装機 パナサートMSH II」」 松下電器産業(株)
製品分野:自動化機械
【受賞のポイント】
微小部品で装着タクト1個当たり最高0.094秒を達成、ユーザーニーズに応えたもの。同機はクリームハンダ付けしたプリント基板の上に搭載し、リフロー装置へ送る一連の行程の中に位置する装置。最大の特徴は、16本の同軸三重ノズルタイプのロータリーヘッドを開発したこと。操作・安全面ではラインの管理、部品の供給をパネルで情報提供すると同時に、トラブル発生についても独自の自己診断装置で対処するなどの配慮がある。
■「汎用超音波画像診断装置 LOGIQ 500」 GE横河メディカルシステム(株)
製品分野:医療・福祉機器
【受賞のポイント】
同機は超音波制御部だけではなく、装置中枢部のビームフォーマーをデジタル化したことにより、従来のアナログ制御形式のものと比べ高品質の画像情報が得られる。主な特徴は(1)ズーム前の画像と同等の高い音線密度のターゲットスキャンを採用、(2)多脂肪や筋肉質の患者に起こりやすい画像劣化を低減する技術の導入など。
第25回(1995年・平成7年)
■「ハイビジョンカメラ KH-100」 日本ビクター(株)
製品分野:光学機械
【受賞のポイント】
同機は50%以上の低価格化を達成、さらに重量4.4キログラム、60%の軽量化に成功したことにより、これまでにない機動性を発揮している。本体はアルミダイカストだが、カメラマンの顔面保護と汗の吸収性をよくするために、チークパッド部にエラストマー樹脂を採用、やわらかな感触を出している。把手の部分を大きくとり、ぶら下げて使用することも可能。
■「CNCタレットパンチプレス MOTORAM-2000」 村田機械(株)
製品分野:鍛圧機械
【受賞のポイント】
同機は駆動機構にサーボモーターを採用したことにより、従来の油圧駆動方式に比べ打ち抜き音を30%も軽減した。高速加工と高精度・高品質加工を両立させるため、フロア固定型テーブルトップを採用、移動部分を必要最小限に抑えることで、移動時の板金の揺れを軽減し、高速での加工精度を上げている。加えて、従来、鉄製だったフリーベアを樹脂製に変えたことで、騒音の抑制とキズをなくすことに成功した。