第19回 オゾン層保護・地球温暖化防止大賞
受賞者一覧
第19回 オゾン層保護・地球温暖化防止大賞贈賞式
経済産業大臣賞
微燃性冷媒適正利用のためのリスク評価
公益社団法人 日本冷凍空調学会
一般社団法人 日本冷凍空調工業会
冷凍空調業界では地球温暖化係数(GWP)の低い次世代冷媒のへの転換が急がれている。ただ微燃性のものが多く、冷凍保安規則などに規定がないため、強燃性と同様に厳しく規制されている。これを受け、産官学のリスク評価審議体制を構築し「R32」「R1234yf」「R1234ze(E)」の安全対策、業界規格・ガイドラインをまとめた。これらの成果を反映し、漏えい対策を講じることなどを条件に不活性ガスに位置付け、規制緩和される見込み。「純冷媒や混合冷媒」「強燃性冷媒」のリスク評価にも成果を活用する計画。
日本冷凍空調学会・川村邦明会長(右)、松村祥史経済産業副大臣(中)、日本冷凍空調工業会・岡田哲治専務理事(左)
環境大臣賞
小型店舗向け冷凍機内蔵型/別置型CO
2
システムの開発と実用化
サンデン・リテールシステム株式会社
小型店舗向けに二酸化炭素(CO
2
)冷媒を採用した冷凍機器(内蔵型、別置型)システムを展開。2013年度からコンビニエンスストアで実証を開始し、15年度までに累計100店舗以上に導入。機器出荷台数は累計2000台に達した。別置型では冷却回路の系統を分割し、各ショーケースの負荷に合わせて圧縮機を制御して省エネ化。配管の細径化で施工性も向上した。またカーエアコン用で実績があるオールアルミニウム製マイクロチャンネル式熱交換器を初採用し、熱交換効率を上げ、コンパクト化した。
サンデンホールディングス・斉藤好弘執行役員環境推進本部長(右)、鎌形浩史環境省地球環境局長
優秀賞
フロン代替真空洗浄乾燥機の開発と19年間の実績
株式会社アクアテック
真空方式の洗浄乾燥機の改良を続け、この19年間で国内をはじめ、中国など海外8カ国で展開し、約1200台の納入実績を積み上げた。従来の洗浄装置の1台当たりフロン使用量が年7200リットル、1200台として試算した場合、年864万リットル、ドラム缶換算で年4万3200本分を代替したことになる。
アクアテック・堂元雅洋代表取締役(右)、日刊工業新聞社・佐野友昭専務取締役
優秀賞
冷媒フロンのリサイクルネットワーク構築と高純度再生品の供給
阿部化学株式会社
フロン回収から再生、充填までのリサイクルネットワークを構築し、この10年間で計約3300トンの再生冷媒を製造した。再生処理による温室効果ガス削減効果は二酸化炭素(CO
2
)換算で約1万3000トンと試算。1トンを超える冷媒回収にも対応。“補充用冷媒のメーカー”として存在感を発揮している。
阿部化学・阿部裕之社長(右)、日刊工業新聞社・佐野友昭専務取締役
優秀賞
フロン排出抑制法普及活動とHCFC冷媒機器の更新推進
東京冷機工業株式会社
顧客約7000社に独自のフロン排出抑制法施行案内チラシを配布。点検管理用ステッカーも用意し、点検時期の明確化、視認性の向上を図り、周知徹底につなげた。冷媒フロン類取扱技術者も増員した。また積極的にHFC冷媒機器への更新を提案しており、2016年度は3600台を更新する見込み。
東京冷機工業・吉田丈太朗社長(右)、日刊工業新聞社・佐野友昭専務取締役
審査委員会特別賞
加熱調理品凍結装置におけるヒートポンプ活用技術
日東ベスト株式会社
ハンバーグ製造向け加熱調理品凍結装置の予冷部に自然冷媒採用のヒートポンプを搭載し、冷却時に奪った熱で温水をつくり、工場の洗浄などに活用した。これらにより2015年度は温室効果ガス排出量を年891トン削減。成果を横展開して代替フロン使用をなくし、二酸化炭素(CO
2
)排出削減を図る。
日東ベスト・林由久山形工場工場長(右)、関屋章審査委員長
新聞特集 2016年9月16日掲載 12面/13面(PDF:3.5MB)
主催:
日刊工業新聞社
後援:
経済産業省
/
環境省
協力:
日本冷媒・環境保全機構
環境省 オゾン層保護対策推進月間
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