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業界展望台

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切断機・ベンダー・端末加工機
−加工効率・精度品質を追求

5月12日(火曜日)付 日刊工業新聞 12面

 切断機・ベンダー・端末加工機は、パイプ材や板・棒材など金属材料の2次、3次加工に欠かせない機械。モノづくりの根幹を支える「切る」「曲げる」「絞る」などの役割を担い、幅広い産業の製造現場で活躍している。携わる加工機メーカーでは多様化するワーク(加工対象物)への対応をはじめ高精度化、加工速度の高速化などによる生産面での効率化支援を推進。ユーザーのニーズに応える加工機の機能向上に力を注いでいる。

 切断機やベンダー・端末加工機の種類は多岐にわたる。切断機では金属や樹脂の切断には刃物やプレスによるせん断、レーザー、ウオータージェットなどがある。
このうち、ウオータージェットは高圧に加圧された水で切断する。熱による材質への影響が少なく、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス、チタンなどの精密加工に適している。また、曲げ加工でもプレス曲げや圧縮曲げ、引っ張り曲げ、ロール曲げなどが採用されている。 

 市場環境では、切断機に使用される刃物でみると、先行きへの不透明感が漂う。日本機械鋸・刃物工業会の統計によると2014年の機械刃物、丸鋸、帯鋸合計の生産額は前年比12.1%増の246億8500万円。丸鋸関連での自動車関連や輸出の好調が寄与。ただ、「15年1、2月は消費増税前の駆け込み需要の反動による影響もあるが、その後も需要は鈍い」(業界関係者)と足もとの市場環境をこう指摘する。

 株高基調の一方で、生産活動が乖離(かいり)。このため、円安による材料購入への影響や電気料金の再値上げが生じた場合のコスト上昇など、今後の動向に慎重な見方もある。
ただ、経済環境とは別に切断機やベンダーなど、関わるメーカーの優位性を高める加工機の開発は積極的に進められている。高精度化への追求とともに省力化や高速化など、生産面の効率化ニーズに応える開発や製品化が活発だ。

 例えば機械式切断の丸鋸では、加工時間の短縮やワーク(加工対象物)の大型化への対応を推進。あるメーカーでは自動車部品関連や鋼材用途向けの全自動式超硬丸鋸切断機で、切断時間を従来機比で約40%短縮させた。独自に開発した超硬丸鋸を備えたオイルクーラー付きソーヘッドを搭載し、回転速度を高めて切断時間の短縮につなげている。

 また対象領域の拡大を図り、船舶のクランクシャフトなどを加工する大型切断機(自動制御)を開発したメーカーも。直径230ミリメートルまで対応でき、バンドソーからの切り替えによる需要創出を目的に製品化した。このほか、別のメーカーでは、切りくず排出の向上や鋸刃の長寿命化などを図った金属切断用超硬丸鋸も提供されている。

 パイプや線材などに連続的に圧力をかけ、設定する形状に導き加工するベンダーでも自動化による生産性の向上や省力化、各種ワークに対応した加工機の機能強化が進む。

 厚さ3.2ミリメートルの鉄製板金を曲げられる自動曲げ加工機が市場に提供されている。ステンレス板金は同2ミリメートルまで対応する。作業者は素材をテーブルにセットするだけで加工する。

 1台で上下への部分曲げ、R曲げなど、ほとんどの曲げ加工が一体でできる。駆動方式は油圧ではなく、ACサーボモーターを採用。立ち上がりが早く、温度変化など外的要因を受けにくいため、高精度化を実現した。

 さらにパネル加工用で板金の曲げ加工を行うベンダーと、せん断加工を行う機械などを組み合わせて自動化を提案するメーカーもある。

 このほか、端曲げから円筒成形までを1工程で行える4本ロール機の提供や、ウレタンロールでは難しいワークの加工に適した鉄芯タイプのロール成形機なども出されている。各メーカーでは生産効率化や各種ワークに対応した機器提供を通して対象市場での深耕を図っている。

 

【主要各社の技術・製品(順不同)】

■アイセル

 アイセルはさまざまな板金加工機を開発・生産している。ピンチ型4本ロール機「BS−B」は、従来の3本ロール機では不可能だった端曲げを可能にした4本ロールマシン。端曲げから円筒成形までを1工程で行えるため、プレスによる端曲げが不要。また、太鼓状を解消する調整機能を搭載している。

 テーパーロール機「BU−UT1000」は幅1000ミリメートルの鋼板をテーパー加工できる。最大板厚は一般的な冷間圧延鋼板で1.6ミリメートル、最小曲げ直径は200ミリメートル。端曲げ加工にも対応できる。

■住谷製作所

 住谷製作所は3本駆動を標準採用した鉄芯タイプのロール成形機「SRSシリーズ」を発売している。バリの多い板材など、ウレタンロールでは難しいワーク(加工対象物)の加工に適している。

 ロールの有効幅は550ミリ−2100ミリメートル、7機種をそろえた。鉄芯ロールの焼き入れ研磨はオプションで可能。スリップ防止には3本駆動を標準化することで対応した。シリーズのうち「SRS−55」は1.5キロワットのモーターを搭載し厚板加工に対応。最大12ミリメートル厚(200ミリメートル幅)の板材を加工できる。

■富士機械工作所

 富士機械工作所は単管パイプ製造設備メーカー。パイプ製造技術において、開発を進めていた薄板切断技術の実用化に成功し、納入実績を重ねている。

 中間切りの切断可能最小パイプ径は60ミリメートルで、管端のみの切断であれば10ミリメートルでも対応できる。2007年に特許取得したパイプ内側から外に向かう切断方式を採用した技術。切断に伴う歪みやバリが最小限に抑えられる。従来の外から内側への切断では加工の後にバリや歪みが発生しやすく、端面切断、面とりなど、2次加工が必要だった。

■神谷機工

 神谷機工は工業用の機械刃物の製造・販売を行う。木質、窯業系材料、鉄鋼・非金属、紙・フィルム、プラスチック・樹脂など、切削する対象物に適した刃物を選べるよう幅広い材質を取りそろえている。

 形状でもチップソー、カッター、ルーター、丸ナイフなどがあり、環境・リサイクル材などの粉砕や破砕向けなど顧客用途に合わせて提案も行う。既製品とともにカスタマイズ製品も少量から受けつける。再研磨やコーティングも得意とするので、川下ユーザーへのフォローも万全だ。

■泉陽

 泉陽の油圧式電線ケーブルカッター「SWD−90K型」は最大径90ミリメートルまで切断できる。サイズによって設計変更が可能で、ほとんどのケーブルサイズに対応している。

 同製品はケーブルの切断に最適な油圧式を採用しており、操作が簡単で美しい切断が可能。また、省スペースを意識したコンパクトな設計のため、場所を取らずに設置できる。
そのほか(1)回転刃ではなく、左右から出る2枚の刃でケーブルをはさみ切断するため、粉じんがほとんど発生しない(2)まとめ切りができるため、作業効率が大幅に向上する−などの特徴を備える。

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