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業界展望台

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安定した動力伝達支える 伝動ベルト

7月15日(水曜日)付 日刊工業新聞 4面〜5面

 伝動ベルトは自動車エンジンを中心に、一般産業機械や情報関連機器などの機械要素として動力や回転を伝達する役割を担う。需要は、国内ではベルトを使用しないハイブリッド車の増加などにより自動車向けが減少傾向。しかし工作機械向けなどは好調に推移しており、自動車のマイナス分を補っている。海外でもOA機器や金融端末向けなどが拡大基調にあり、ベルトメーカーは海外市場での展開に力を入れ、売り上げ拡大を狙っている。

海外の農機向け拡販−節電ベルトで省エネ向上

■産機向け好調

 日本ゴム工業会によると2015年1〜4月のゴムベルトの出荷額は237億9900万円で前年同期比99.1%。新ゴムによるゴムベルトの生産量は8279トンで同98.1%だった。国内では射出成形機など産業機械向けの需要が伸びており、海外では今後、農業機械向けが期待されている。ベルトメーカーは、国内市場に向けては付加価値の高い製品開発を進め、アジアを中心とした海外では汎用品の販売促進に力を入れている。

 このような中、近年注目されるのは伝達ロスを低減した節電ベルトだ。空調機やポンプなどの駆動系の動力伝達効率を高め、省エネ性能を向上している。動力伝達ロスの主な要因は、ベルトの曲げ抵抗と軸受抵抗。ベルトの素材や形状を最適化し、伝達の抵抗を低減している。使用する状況や環境により節電効果に差はあるが、従来のスタンダードベルトに比べ最大で約10%の電力使用量削減を実現している。電力料金の引き上げなどで節電意識が高まる中、採用実績を伸ばしている。

■カギは海外

 現在、主要ベルトメーカーが成長のカギとするのは海外市場での販売拡大。現地での生産・供給体制を強化し、顧客サービスの向上とコスト低減を図っている。欧米では自動車向けが引き続き期待でき、東南アジアではスクーター向けの無段変速機用ベルトが堅調だ。

 タイではこれまでの政情不安により自動車の生産台数が減少していたが、15年度は経済の回復が見込まれる。

■補助金が弾み

 中国では政府による農業機械購入補助金が復活し、農機用ベルトの販売に弾みがつくものと思われる。

 農機用ベルトについては長寿命化へのニーズが高く、素材や設計を見直した新製品が市場に登場している。

 農機の日系メーカーは設計を日本国内で行っているため、ベルトメーカーはこれら日系メーカーへの新製品提案の動きを強めている。

 伝動ベルトには安価な海外製品も多いが、特に国内ユーザー向けで厳しい価格競争を強いられることはないという。

 国内製品の品質、メーカー各社の確立されたサービス体制は強い競争力となり、顧客からの信頼が厚い。

 

【主要企業の製品&技術】

バンドー化学

 バンドー化学の平ベルト駆動システム「HFDシステム」は、平ベルト特有の問題であるベルト蛇行と張力低下を克服。ベルト走行位置を自律制御する蛇行制御デバイスに、張力を維持するオートテンショナー技術を組み込むことで高い省エネルギー効果を実現した。

 Vベルトに比べ省エネ性能が高く、消費電力、二酸化炭素(CO2)排出量をともに平均7%削減。コンパクト設計が可能で、ベルトの取り換えも容易だ。また、ゴム落ちが少なくクリーンでメンテナンスフリー。長寿命化を実現した。

 低振動・低騒音で回転ムラも少ない。省エネ伝動システム製品として、さまざまな産業機械での活用が期待できる。

三ツ星ベルト

 三ツ星ベルトの節電Vベルト「ウルトライーパワー」は、省エネ雑誌「省エネルギー」(一般財団法人 省エネルギーセンター)の6月号で、省エネ性能検証事例として紹介された。平均8・4%の電力削減効果が得られたことや、張力管理の重要性が説明されている。節電意識が高まる夏場には、さらなる需要増加が期待される。

 また、災害対応ロボット用クローラーベルトとしてウレタン突起付きベルトも開発。用途に応じた特殊形状や摩擦低減、蛇行防止などを実現した。

 ロボットは災害現場での情報収集や二次災害防止などの目的で多くの需要が見込まれている。

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