「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」はオゾン層保護対策と地球温暖化防止対策の促進を目的として日刊工業新聞社が毎年実施してきた表彰制度です。国内外におけるオゾン層破壊物質や温室効果ガス(二酸化炭素を除く)の排出削減、回収、処理等の着実な実施及び、これらに関する調査、研究の進展に資すべく、オゾン層保護と地球温暖化防止の両面で不断の努力を重ね、顕著な功績をあげた産業界その他団体もしくは個人に対し、「経済産業大臣賞」「環境大臣賞」等を贈呈しておりました。第25回を一区切りとして終了させていただきます。

 第25回
オゾン層保護・地球温暖化防止大賞 受賞者
第25回 オゾン層保護・地球温暖化防止大賞贈賞式

経済産業大臣賞
「残存フロンを低減させる冷媒回収装置」
イチネンTASCO
 冷媒回収装置「クワトロ」は、フロン回収作業中の圧力低下による回収スピードの低下を改善し、機器内に残る残存フロンの回収率を向上した。並列/直列回路切替機能を有する4ピストンコンプレッサーを採用し、冷媒量、圧力に応じて運転を切り替えることで、フロンを効率よく回収するとともに、残存フロンの削減に効果を発揮する。
岩田全弘 イチネンTASCO社長(右)と山下隆一 経済産業省製造産業局長

環境大臣賞
「大型フリーザー脱フロン・省エネ化の20年」
味の素冷凍食品
 冷凍食品製造の急速凍結プロセスで使用する大型フリーザーの冷媒をフロンから自然冷媒に転換し、総保有量70トンのフロンを削減した。これは温室効果換算で二酸化炭素(CO)12万6700トンに相当する。工場や製造ラインの集約、設備能力の向上、生産能力の増強なども実施することで、47基の大型フリーザーを27基に集約した。
羽賀俊弘 味の素冷凍食品 執行役員(右)と和田篤也 環境省環境事務次官

優秀賞
「香川県でのフロン対策推進」
香川県冷凍空調設備工業協会
 フロンの回収、破壊、再生、容器輸送、容器再検査の一元化システムを確立し、フロンの地産地消を実現している。2004年に県内のフロン破壊処理インフラを整備。10年には簡易蒸留型フロン再生装置を設置。再生のための工程や管理基準などを見直し、同装置で初めて再生用機器としての使用許可を取得。受託再生事業の継続に道をつけた。
多田茂 香川県冷凍空調設備工業協会 事務局長(右)と大橋正彦 日刊工業新聞社 専務取締役

審査委員会特別賞
「石灰製造プロセスによるフロン破壊処理」
上田石灰製造
 国内唯一の石灰焼成炉混入法を用いたフロン破壊許可設備で、石灰製造に使用する1000−1300度Cの熱源だけでフロンを熱分解するため、処理コストを低く抑えられる。直近10年間でのCFC、HCFC、HFC処理量は数千トンで、そのほか家電リサイクル工場から排出されるフロン類の破壊処理も行っている。
上田和男 上田石灰製造 社長(右)と
関屋章 審査委員長

第25回「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」
受賞者のご紹介 冊子

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  過去の受賞者一覧



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