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第34回 受賞者

発明大賞 東京都知事賞
 自動外観検査システム
山田吉郎(個人)
所在地:(株式会社テクノス)東京都港区 TEL.03-3453-9111
山田 吉郎 氏
目視検査の全自動化
 今回受賞した技術は、人間の目の中にある“錐体”というセンサーの働きを電子回路に置き換え、人間の行う目視検査を全て機械で自動化してしまおうという発想で開発したものです。自動車、鉄鋼業界をはじめ、製造業全般の検査で幅広く利用されています。
 この錐体という円錐型をしたセンサーは、片目で700万個あるといわれ、水晶体や網膜を通した像をこのセンサーで捉えているわけです。錐体は円形で、丸と丸の狭間の部分はセンサーがないため、本来ならこの狭間に欠陥の画像が映ると見えないはずです。ところが、人間の眼球は自分の意思で動かせる3本の随意筋と、3本の不随意筋の6本の筋肉によって支えられていて、固視微動という不随意眼球運動をしています。この動きはピント合わせをする「フリック」、遠近により左右の視線を調整する「ドリフト」、上下に動き見逃しをなくす「トレモア」の3種があるといわれています。この中のトレモアを応用したのが今回の技術で、上下動により、錐体と錐体の狭間で見逃しがないようにする原理を電子回路に置き換えて、高精度の検査技術開発に成功したのです。

 ラインイメージセンサーを使って画像データを取得する。その際、隣接した二つの主走査ラインからデータを得て、それをラインメモリーと加算機を使って照合することで、表面状態の検査を精度良く行えるようにした。画像データを加算して画像データ列を生成し、演算処理することで素子バラつきの影響を除去して欠陥の検出感度を高めた。人による目視検査の自動化が期待できる。
 従来のラインイメージセンサーを使った表面検査装置は、隣接する主走査ラインにまたがる欠陥などを検出するのは困難だった。また一般的なイメージセンサーは明度の読み取り精度が不均一なため、表面検査装置も目視の60分の1の精度で目視の代替が難しかった。今回の技術では、H形鋼やパイプ、ベルトなど幅広い対象物の表面検査が可能となる。

H形鋼やパイプ、ベルトなど幅広い対象物の表面検査が可能




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