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第40回 受賞者

発明大賞 東京都知事賞
光触媒を用いた紫外線空気清浄機
ユーヴィックス株式会社
【受賞者】
代表取締役社長 森戸 祐幸(もりと ゆうこう)
所在地:東京都目黒区 TEL.03-5731-5501
代表取締役社長
森戸 祐幸 氏
光触媒を用いて高い脱臭効果を得る空気清浄機
 我々の発明は光触媒を使った空気清浄機です。光触媒は粉に紫外線が当たると脱臭殺菌効果が得られるという優れた特性があります。ところが、粉を製品にくっつけることが難しい。例えば、有機物の塗料に粉を混ぜると、有機物が分解されてしまいます。TOTO製のトイレや壁材に使われているものは、無機物である陶器の釉薬(ゆうやく)に混ぜています。ところが、粉が釉薬の中に埋もれ、わずかしか表面に出ないという問題がありました。
 そこで我々は光触媒には酸化チタンが用いられていることに着眼しました。海綿構造を持っている柔軟な多孔質チタン箔に、酸化チタンの粒子を付けることを考えました。チタン箔を陽極酸化させると、酸化チタンの厚さに応じて色が変化(光の干渉)します。
 従来の光触媒は、表面に汚れがつくことを防ぐ超親水特性を利用した建物の外壁、テント、自動車のミラーなどに多く使われている一方、脱臭効果を得るための穴が空気の漏れに繋がってしまうことが難点でした。そこで、エッチングして穴の構造をずらしてみたところ、針の穴のような複雑な構造ができ、そこに空気が当たると乱流が起き、光が当たると光散乱現象の反応が起こることを発見しました。
 今回の発明がベースとなって、冷蔵庫の中の脱臭や機械の組み込み、さらには大手オフィスビルの空気清浄機などにも採用されています。オゾンや活性炭フィルターなど、既存の脱臭効果と組み合わせて使われている例もたくさんあります。大型から小型まで製品化され、事業として成功を収めていると言えます。

酸化チタン粒子を付着
 光触媒としての酸化チタンは化学分解反応や太陽電池などに広く使われている。発明品は、海綿構造を持つ柔軟な多孔質チタン箔に酸化チタン粒子を付着させることで、従来生じていた粗密の干渉縞模様がなくなった。これにより紫外線光量と酸化チタン膜が最適化され、処理効果を高めた。
 特に平板状の光触媒シートと、これを折り曲げ形成したシートを1枚ずつ交互に積層してハニカム構造を形成。これにより外力に対する変形を小さくし、酸化チタン膜がはがれるのを防いだ。オゾンや活性炭フィルターの脱臭効果と組み合わせて使われている。

光触媒を用いた紫外線空気清浄機




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