日本の自動車産業に貢献するショットピーニング
当社は名古屋に本社を置く商社で、東京・江戸川区にある不二製作所のブラスト装置を販売することが主力でした。ただ、ブラスト装置は付加価値が少ないと判断されたため、目を付けたのがショットピーニングでした。
大きな玉のショットピーニングは知られていましたが、小さい玉で効果がある製品を認めてもらうまでは困難な道のりでした。ショットピーニングは現在、日本の自動車が世界に通用している技術の基本です。摺動部分にはすべて採用されていると言っても過言ではありません。
CVT(無段変速機)が実際に普通車や大型車に採用できているのは世界でも日本だけです。大手自動車メーカーにも採用されていますし、ピストンメーカーからは「100年来のピストンの歴史が変わった」と高評価をいただいています。
昨年4月頃から大手自動車メーカーの1000t車のピストンに採用され、今年秋口か年末に1800tハイブリッド車にも採用予定です。リッター40kmが実現でき加工時間も数秒から数分。それによって金属寿命が飛躍的に延びますし、摺動抵抗も下がります。さらには無接触にすることも非常に簡単で、工作機械の心臓部やトレス機械の摺動部分にも、当社製品が採用されつつあります。
現在日本は円安傾向にあり、海外から日本へとモノづくり現場が回帰しつつあります。今回、栄誉ある賞をいただいたことで、当社技術で日本のモノづくりの素晴らしさを世界に向けて発信していきたいと思います。日本の若い世代が生きがいを持って働ける社会づくりに貢献していきます。
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