過去の受賞者

■2016年度

平成28年度「環境賞」贈賞式

 国立環境研究所と日刊工業新聞社は6月28日、平成28年度「環境賞」の贈賞式を都内で開いた。環境大臣賞に輝いた広島大学などの「携帯型蛍光顕微鏡による微細アスベスト迅速検査法の開発」をはじめ、計5件に賞状と記念盾が贈られた。受賞者を代表し、広島大の黒田章夫教授は熊本地震の被災地に出向いたことを報告した上で「倒壊した建物の安全な撤去を確認できるようにして、復興に貢献したい」と抱負を語った。来賓の鬼木誠環境大臣政務官は「受賞案件はいずれも時代の要請に合致したすばらしいもの」と祝辞を述べた。


平成28年度「環境賞」受賞者

【環境大臣賞】

「携帯型蛍光顕微鏡による微細アスベスト迅速検査法の開発」
国立大学法人広島大学
国立大学法人広島大学
国立大学法人広島大学
国立大学法人広島大学
有限会社シリコンバイオ
株式会社オプトサイエンス
株式会社高志インテック
株式会社インテック
株式会社インテック
株式会社インテック
黒田 章夫
西村 智基
石田 丈典
池田 真楠
関口 潔
高橋 達也
河崎 哲男
青木 功介
市田 越子
齋藤 聡
 アスベスト(石綿)に特異的に結合するたんぱく質を蛍光で修飾した蛍光試薬を用いる「バイオ蛍光法」を確立した。大気捕集フィルターに試薬を数滴垂らし、蛍光顕微鏡で光っているアスベスト繊維を数える方法で、約1時間で検査できる。解体現場で検査できるようにするため、携帯型の蛍光顕微鏡と蛍光試薬キットも開発した。アスベストの画像は上面に搭載した「iPad(アイパッド)」のディスプレーに映し出される。倍率は約300倍で、アイパッドの機能で約1000倍に拡大できる。現場に熟練者がいない場合、画像を分析室に送信してリアルタイムで支援できる。地震で倒壊した建物からの飛散の確認にも適している。

【優秀賞】

「ECMセメント・コンクリートシステムの開発」
株式会社竹中工務店
鹿島建設株式会社
日鉄住金高炉セメント株式会社
株式会社デイ・シイ
太平洋セメント株式会社
日鉄住金セメント株式会社
竹本油脂株式会社

国立大学法人東京工業大学







坂井 悦郎
 「ECM(エネルギー・CO2ミニマム)セメント」は、鉄鋼製造の副産物である高炉スラグ微粉末を60-70%混合し、従来のセメントに比べて製造時のエネルギー消費量と二酸化炭素(CO2)排出量を60%以上削減した。品質、耐久性、施工性などの課題を克服し、建築物の要求性能に応じたコンクリート構造物にする技術も確立した。開発成果は2019年から段階的に公開し、25年に一般公開して汎用技術として普及させる計画。高炉スラグの有効利用による資源循環効果もあり、サステナブル社会(持続可能な社会)の実現につながる。

【優良賞】

「エコフィードの生産・利用技術の開発と普及」
近畿大学
龍谷大学
宮崎大学
株式会社エフエフシー・ジャパン
畜産・飼料調査所「御影庵」
入江 正和
淡路 和則
川島 知之
山口 秀和
阿部 亮
 エコフィード(食品残さを利用した飼料)で育てた家畜の肉質研究、食品残さ加工技術の開発、調査、委員会活動などを通じ、普及に貢献した。食品加工工場や店舗、廃棄物運搬会社、養豚農家による生産ネットワーク構築を後押し。霜降り豚肉「ひょうご雪姫ポーク」などのブランドを生み出した。加工技術では食品残さを廃食用油で揚げた後、真空釜で減圧して加熱する工程で脱水・脱脂する「油温減圧式脱水乾燥法」などを考案した。

 「間接外気冷房併用型ハイブリッドクーラーの開発」

株式会社デンソー
GAC株式会社
 
 大規模太陽光発電所(メガソーラー)で発電した直流電気を交流電気に変換するパワーコンディショナー(PCS)向け冷却システムで、消費電力量をパッケージエアコンに比べて年間80%削減するとともに、耐用年数20年間の長寿命化を実現した。熱交換器の冷媒を自然循環させる沸騰冷却システムとコンプレッサー駆動の冷却システムを連携制御する。カーエアコン用のアルミ扁平(へんぺい)管を改良し、熱交換器の性能向上と小型化につなげた。

 「VOCとCO2を同時削減する新塗装技術」

マツダ株式会社
マツダ株式会社
マツダ株式会社
長安マツダ゙汽車有限公司
マツダ株式会社
マツダ株式会社
マツダ株式会社
圓山 雅俊
安達 範久
穏土 博文
若林 正隆
和久 直人
加藤 秀和
篠田 雅史
 自動車の塗装において塗膜機能集約と高効率塗装技術の導入を柱とした工程革新により、揮発性有機化合物(VOC)と二酸化炭素(CO2)の排出量同時削減を実現した。高機能塗料を開発し、中塗りが担っていた耐候性、発色性などの機能をベースとクリア積層塗膜に集約。水分蒸発を制御する空調システムや熱伝導率を最大化したフラッシュオフなどを導入した。高意匠色の量産にも対応。環境保全、品質、経済性の課題を総合的に解決した。

■2015年度

【環境大臣賞・優秀賞】

・迅速測定が可能な放射能分析技術
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 西沢 博志
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 林 真照
三菱電機株式会社 先端技術総合研究所 東 哲史
九州大学大学院 総合理工学研究院 渡辺 幸信
九州大学大学院 総合理工学研究院 金 政浩

【優秀賞】

・低環境負荷の緑茶飲料充填システム
株式会社伊藤園 生産本部 田熊 元彦
東洋製罐株式会社 テクニカル本部 末 俊雄

【優良賞】

・コンクリートがらの効率的リサイクル技術
大成建設株式会社 技術センター土木技術研究所 堀口 賢一

 ・貝殻を活用した魚の棲める環境回復技術

貝殻利用研究会

【奨励賞】

・北海道根釧地方における低投入型草地管理による河川流域の環境保全
北海道当別高等学校園芸デザイン科 佐々木 章晴
虹別コロカムイの会 舘 定則
マイペース酪農交流会 森高 哲夫

■2014年度

【環境大臣賞・優秀賞】

・風による土壌侵食の抑制と収量向上を両立させる砂漠化対処技術
総合地球環境学研究所 田中 樹
首都大学東京 伊ヶ崎 健大
京都大学大学院地球環境学堂 真常 仁志
国際農林水産業研究センター 飛田 哲

【優秀賞】

・アジア地域に適したコミュニティ排水処理システムの開発と普及
特定非営利活動法人APEX 田中 直

【優良賞】

・地圏環境リスク評価システムの開発
東北大学大学院環境科学研究科 駒井 武
産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門 川辺 能成
産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門 坂本 靖英

 ・英虞湾の沿岸遊休地を干潟に戻すプロジェクト

英虞湾の干潟再生プロジェクトグループ
 三重県水産研究所/志摩市/三重県農林水産部伊勢農林水産事務所農地海岸保全管理課/
 三重県農林水産部水産基盤整備課/三重県農林水産部水産資源課/株式会社合歓の郷/
 ホテル近鉄アクアヴィラ伊勢志摩

 ・大都市における人工地盤上の大規模緑地創出

株式会社大林組
南海電気鉄道株式会社

【審査委員特別賞】

・気仙沼市舞根地区における海と生きるまちづくりの実践
特定非営利活動法人森は海の恋人 畠山 重篤