発明はアイデア創造と課題解決の原動力

 「社会人に求められるのは、アイデア創造と課題解決がすべてだ」と言った人がいます。確かに、仕事を大きくとらえるとすれば、ほとんどは、そのどちらか、あるいは両方に含まれるのかもしれません。新たな製品やサービス・事業を生み出す、生産・業務を効率化する、売り上げを伸ばす、新市場を開拓する、経営を拡大する、社会に貢献する組織になる・・・。すべての仕事は、課題を解決することであり、そのためのアイデアが求められます。いや、アイデアや課題解決が必要なのは、仕事だけではないかもしれません。家庭で、地域で生活するためにも、学校で学ぶにも、課題解決やアイデア創造は不可欠です。家事や子育て、介護、近所づきあいにもいろいろな「課題」があり、それを「解決」しなければなりません。「アイデア」も欠かせません。さまざまな教科科目はあるものの、学校で学ぶこととは、過去に蓄積された課題解決やアイデア創造の歴史を知り、将来に役立てる法則を身に付けることだと言ったら言い過ぎでしょうか。


 人類が誕生してからこれまで、さまざまなアイデアを生み出して課題を解決することで、ヒトは発展してきました。地球環境の変化、病気の蔓延、食料やエネルギーの確保、争いを防ぐことなど、数多くの「課題」を「アイデア」によって「解決」することで、人類は地球上の生物の中でも著しい進化を遂げてきました。そして今、さらに新たな課題の解決に人類は取り組もうとしています。「人工知能」(AI)は、人以外にも人に似た知能を持たせようという壮大なプロジェクトです。「ロボット」は人の代わりになるだけではなく、人が及ばないような能力を備えた機械を目指しています。「自動運転技術」は人間の移動の概念を画期的に転換する可能性を秘めています。「IoT」(モノのインターネット)は、身の回りのすべてがネットワークにつながることを意味します。iPS細胞(人工多能性幹細胞)をはじめとする「再生医療技術」の発展は、生きるとはなにかを根源から問い直すことになるでしょう。カーボンナノファイバーやセルロースナノファイバーをはじめとする「新素材」が、木材、金属、樹脂をしのぐ新たな時代を切り開くことは間違いありません。ただ、これらの技術はいずれも、まだ完成されたものはありません。数多くの課題があり、その解決に向けて、技術者たちが日夜アイデアを出して試行錯誤を重ねることで、今という時代が動いているのです。新たな広がりは「水平的」な展開にとどまりません。上は空高く宇宙まで、下は地中深くや深海まで、人間の可能性は「垂直的」にもどんどん拡大しています。宇宙旅行や火星探査は計画が着々と公表されています。宇宙ベンチャー、宇宙ビジネスにも関心が高まっています。地球の構造を探ったり、深海から新たな鉱物資源を採取する試みは、すでに多くの成果を生み出しています。ただ、こうした活動にもすべて、いまだに課題が山積しており、その解決に研究者たちは日々汗を流しています。

こうした課題解決に向け、アイデア創造の原動力となるのが、発明です。

発明の歴史は、アイデア創造と課題解決の歴史そのものです。人類は発明を通じて、技術や産業への活用だけでなく、暮らしを、社会を、世界を豊かにしてきました。これまでにないものを生み出す発明は、過去の人々の苦労に報いるだけでなく、これからの人々の未来にも希望をもたらしています。たとえ今、実現できていなくても、新たな発明がきっと課題を解決してくれる。そんな確信を私たちに与えてくれます。発明はこれからも、人類の発展や繁栄にとって、かけがえのない使命を背負っていくことになるでしょう。

「発明大賞」は今年で44回目を迎えます。優秀な発明考案を生み出して成果をあげた企業や個人を表彰してきたこの賞は、中堅・中小企業やベンチャー企業、研究者や個人発明家らを対象としている点が特徴です。歴代受賞者を含め幅広く構築された企業・個人のネットワークによって、次の新たな発明を生み出す機会を提供していることも「発明大賞」ならではです。発明で実績のある人々の「融合」が新たな刺激となって、次の発明につながる。そんな期待と高い理想に基づいて、この表彰制度は歴史を重ねてきました。発明はあらゆる課題の解決につながり、アイデア創造の原点ともなります。技術を、企業を、産業を、社会を、世界を、そして人々を大きく変える可能性も秘めています。発明大賞を通じて、そうした人類の発展の歴史の輪の中に加わって下さい。未来永劫に続いていく確かな足跡を刻んで下さい。

応募を心からお待ちしています。

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【概要】優秀な発明や研究を通じて産業の発展、国民の生活向上に寄与した中堅・中小企業、個人を表彰

【応募案件】特許・実用新案を登録済み、または公開された発明考案

【応募資格】中堅・中小企業(資本金10億円以下)および個人、またはグループ

【審査】学識経験者らによる審査委員会(菅野卓雄審査委員長=東大名誉教授)で、発明考案の革新性や社会的意義などを厳正に審査

公益財団法人日本発明振興協会はわが国の中堅・中小企業の発明の振興と普及啓発のために活動しております。この表彰事業は公益財団法人日本発明振興協会の事業に対する各位からのご寄付による資金により実施するものです。

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