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第36回 受賞者

発明大賞本賞
操作性、安全性を向上した環境に優しい給油ノズル
株式会社タツノ・メカトロニクス
【受賞者】
研究開発部 機器開発グループ 課長 夏 堅勇
所在地:東京都港区 TEL.03-3452-6211
課長
夏 堅勇 氏
新型ノズルで軽量化、女性でも給油が容易に!
 車への給油は給油所の従業員によって行われていたが、平成10年の消防法の改正で、給油に訪れた顧客自らが給油する“セルフサービス式スタンド”が日本で許可され、一般顧客が危険物を扱うこととなった。このため消防関係者をはじめとする学識経験者により、安全に給油するための設備について研究、検討と併せ、火災実験が行われ、設備基準が打ち出された。
 特に給油作業に関しては、消防庁音楽隊の隊員による実験の給油試験が実施された。その結果、10L/min以下の小流(ちょろちょろ給油)で給油するケースでは、給油ノズルの自動停止機能が作動することなく、燃料油が吹きこぼれる危険のあることが示唆された。このため、吹きこぼれ防止対策として、給油ノズルを給油動作が終了するまでを4分以内で完結させる給油時間の制限を、給油装置に追加した。ところが、セルフサービス式スタンドが普及し始めると、吹きこぼれ事故が多発し、社会問題となった。
 また、女性客からは重くて給油時の操作性が悪いといった苦情も多く、海外のセルフサービス式スタンド用として給油ノズルを世界に出荷してきた当社の自信が揺らぎ、このままでは安全給油が確保できないとの危機感から、世界で一番、小流量で作動する自動停止機能を備え、操作性の良い給油ノズルの開発プロジェクトを立ち上げた。

少ない量でも安全に給油
 少ない量の給油をしている時でも自動停止を確実にできるガソリン給油用ノズル。給油時に発生する泡立ちが少なくなることからガソリンの気化を抑えることもできる。
 従来型は給油量が少ないと自動停止機構が働くまでに時間差が生じ、給油口からガソリンが噴き出すおそれがある。セルフサービスのガソリンスタンドが増えガソリンの吹きこぼれが多発する中で、誰でも安全に給油できる機構は新規性が高い。
 ガソリン給油用ノズルは自動閉弁機構を備えており、液面が給油ノズルの先端に到達した時点で自動的に給油を停止する。この自動閉弁機構を作動させるために負圧発生機構がある。本発明は負圧発生機構を二重構造にして流速の変化に影響されずに負圧の発生を安定化させた。エアの吸い込み量を少なくできガソリンの泡立ちを少なくした。負圧発生機構の小型化によって給油停止の信頼性を向上させた。

少ない量の給油をしている時でも自動停止を確実にできるガソリン給油用ノズル。




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