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第38回 受賞者

発明大賞 東京都知事賞
 エレクトロポレーション法による外来遺伝子導入法
ネッパジーン株式会社
【受賞者】
代表取締役 早川 靖彦(はやかわ やすひこ)
営業部マネージャー 早川 清(はやかわ きよし)
所在地:千葉県市川市 TEL.047-306-7222
代表取締役
早川 靖彦 氏
営業部 マネージャー
早川 清 氏
時代の先端、再生医療やバイオエタノールへの展開
 「遺伝子導入装置」とは、細胞に電気ショック(電気パルス)を与え、遺伝子を入れる装置です。細胞は、動物性細胞や植物性細胞、両生類の細胞にも使用することができ、またバラバラにした状態の細胞、組織でも可能です。この他に、遺伝子試薬を入れる方法、ウイルスベクターを用いる方法などがありますが、試薬の場合は細胞の毒性や選択性といった性質に左右されてうまくいかず、ウイルスベクターの場合は、遺伝子を入れた後のウイルスの発がん性等の問題がありました。従来から電気ショックを使う方法はあったのですが、旧来の装置は、遺伝子はうまく細胞に入りますが、入った細胞が死んでしまうという、細胞の生存率と導入効率が悪いという課題がありました。
 今回の発明のコンセプトは、生存率と導入効率を向上させ、より手軽に浮遊状態の細胞や組織といったものにも、1台で応用できる装置を開発することでした。今回、受賞した装置の利点は、「電気の通電方法」にあります。細胞に瞬間的に高くて短いパルスを与えることで、細胞にダメージを与えずに電気を入れこむことができ、周囲の遺伝子を入れることができます。また、その途中で極性を変えてリバースすることで効率を上げる仕組みをつくりました。大学の医学部、薬学部、生命科学部などの遺伝子を預かっている機関や製薬会社をメインターゲットとし、海外輸出も展開しています。
 最近の話題にもなっている、iPS細胞に関する再生医療への応用や、藻類から油脂をつくり、バイオエタノールに使うなど、今後も広範囲にわたって利用できることを期待しています。

効率と細胞生存率向上
 細胞内に外来遺伝子を導入する装置。電圧をかけることによって、遺伝子を効率よく、高い生存率で挿入することを可能にした。
 強い電気パルスと弱い電気パルスの2種類のパルスを連続して与え、電圧に強弱をつけることで、遺伝子導入時の細胞の生存率と導入効率を上げた。従来の装置は波形がシンプルで高電圧のため、死滅する細胞が多いという課題があった。
 専用のバッファー(緩衝液)試薬が不要。血清を取り除いた細胞の培養液がそのままバッファーとして使用できるため、ランニングコストを抑えることができるメリットもある。大学の研究室や製薬会社への販売実績がある。

NEPAGENE
遺伝子導入装置「NEPAGENE」




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