HOME 応募方法 第46回 受賞者 これまでの主な受賞者 各種サービス

HOME > 第38回 受賞者

第38回 受賞者

発明大賞本賞
羽根の無い遠心撹拌装置
株式会社エディプラス 代表取締役 村田 和久(むらた かずひさ)
所在地:さいたま市浦和区 TEL.048-826-2211
URL:http://www.eddyplus.co.jp/
代表取締役
村田 和久 氏
固定観念にとらわれない疑問が新発想の製品とビジネスを生んだ
 当社は、受賞した撹拌体の特許をライセンスすることを目的に設立された会社で、自社では製造販売などを一切行っていません。もともと販売目的の開発ではなく、私が26年勤める、創業65年の歴史を持つヤマテックという工業塗装と電子機器の組み立てを行っている会社の塗料撹拌工程の現場改善のために作ったものです。なぜ本業でもない攪拌機を開発したのか・・・それは20年在籍したヤマテックの電子機器事業部から、6年前に塗装事業部に転属となった際、素人ながら工場長となった私が塗料撹拌の現場を初めて見たときに疑問を持ったことです。その疑問とは、塗料を混ぜるときに攪拌機の羽根が缶に接触し、音がすることで、缶が削れてゴミが出るのでは?と思いました。
 撹拌という「混ぜる」作業は、塗装に限らず幅広い製造工程で当たり前に行われており、その当たり前が「今までと同じでよい」という感覚に陥り、見直されていなかったのですが、素人だった私は前例にとらわれずに改善してみよう、と開発を始めました。本業でもない攪拌機を自社開発することに、会社は否定的だったので、ポケットマネーとプライベートタイムを3年費やしましたが、失敗ばかりで諦めかけたとき、いよいよ最後の試作品(一番ダメだと思っていたもの)で驚く結果を得られました。
 その後、ライセンスビジネスで多くの企業に技術を広めてもらうことを選択しました。この技術が100年後も使われているような、多くの企業と社会に広く貢献できる技術になってくれれば、と願っております。

発明大賞 東京都知事賞

エレクトロポレーション法による外来遺伝子導入法
ネッパジーン株式会社 代表取締役 早川 靖彦(はやかわ やすひこ)
ネッパジーン株式会社 営業部 マネージャー 早川 清(はやかわ きよし)
所在地:千葉県市川市 TEL.047-306-7222
URL:http://www.nepagene.jp/
代表取締役
早川 靖彦 氏
営業部 マネージャー
早川 清 氏
時代の先端、再生医療やバイオエタノールへの展開
 「遺伝子導入装置」とは、細胞に電気ショック(電気パルス)を与え、遺伝子を入れる装置です。細胞は、動物性細胞や植物性細胞、両生類の細胞にも使用することができ、またバラバラにした状態の細胞、組織でも可能です。この他に、遺伝子試薬を入れる方法、ウイルスベクターを用いる方法などがありますが、試薬の場合は細胞の毒性や選択性といった性質に左右されてうまくいかず、ウイルスベクターの場合は、遺伝子を入れた後のウイルスの発がん性等の問題がありました。従来から電気ショックを使う方法はあったのですが、旧来の装置は、遺伝子はうまく細胞に入りますが、入った細胞が死んでしまうという、細胞の生存率と導入効率が悪いという課題がありました。
 今回の発明のコンセプトは、生存率と導入効率を向上させ、より手軽に浮遊状態の細胞や組織といったものにも、1台で応用できる装置を開発することでした。今回、受賞した装置の利点は、「電気の通電方法」にあります。細胞に瞬間的に高くて短いパルスを与えることで、細胞にダメージを与えずに電気を入れこむことができ、周囲の遺伝子を入れることができます。また、その途中で極性を変えてリバースすることで効率を上げる仕組みをつくりました。大学の医学部、薬学部、生命科学部などの遺伝子を預かっている機関や製薬会社をメインターゲットとし、海外輸出も展開しています。
 最近の話題にもなっている、iPS細胞に関する再生医療への応用や、藻類から油脂をつくり、バイオエタノールに使うなど、今後も広範囲にわたって利用できることを期待しています。

発明大賞 日本発明振興協会会長賞
自浄機能を有するばね式フィルター
株式会社モノベエンジニアリング 代表取締役 物部 長順(もののべ さきより)
所在地:千葉市花見川区 TEL.043-257-2789
URL:http://www.monobe.co.jp/
代表取締役
物部 長順 氏
長年のものづくりの経験で世に役立つ製品を
 若いときに独立をして以来、40年以上ものづくりに勤しんで参りました。このばね式フィルターの開発は、今から17〜18年前に千葉県のある会社を訪問した際に、使い古しのフィルターが工場裏に山積みになっているのを目の当たりにしたのがきっかけです。「もっと長く使えて、交換が容易なフィルターはないか」と、案内役の社長の言葉が脳裏に焼き付いていました。
 そこで私は、寿命が長くてメンテの少ない「モノベブランド」のフィルターを作ってみようと思いましたが、フィルターや濾過に関して全くの素人だったので、十数種類のフィルターを買い求めて簡単な濾過装置をつくり、実験を重ねる中で、いろいろな長所を発見し、その長所のみをフィルターにいかに取り入れたらよいのか、と試行錯誤を繰り返しました。ある時、これらの長所は巻バネの中に取り込むことができるのではないか、と思い、生業でもあるものづくりの技術を基礎として開発を進めました。6年半の研究を重ね、ようやく自分の理想とするフィルターが完成しました。このフィルターは、高温、高圧、高濁度といった過酷な環境でも対応でき、最近では直接手で触れることのできない危険物の処理、希少金属の回収といった特殊作業にも使われるようになりました。
 世界では、年間数百万トンのフィルターが廃棄されており、それによる環境悪化が懸念されています。この環境に優しいフィルターが、できるだけ多くの環境浄化に貢献できることを願っています。

発明大賞 日刊工業新聞社賞
心なし歯車ラッピング盤
株式会社カシフジ 取締役社長 樫藤 達郎(かしふじ たつお)
所在地:京都市南区 TEL.075-691-9171
URL:http://www.kashifuji.co.jp/
取締役社長
樫藤 達郎 氏
より性能を向上させたい~逆境からの開発~
 当社は今年、創立100周年を迎え、創立からずっと歯車をつくる歯切りの機械をつくっています。歯車仕上げ盤とは、研磨盤などがありますが、当初、仕上げとしては物足りない、まして鏡面仕上げはできないものでした。それが本発明では30秒から1分ほどで顔が映るくらいピカピカになるのです。
 当初は「歯面をピカピカにしても、効率や寿命は伸びない」、「ピカピカにしたら、逆に小さい油溝がなくなって効率が悪くなる」とユーザーも我々も思っていたのですが、その逆境の中で開発が始まりました。ところが、いざ開発した機械の現物をお見せすると、それまで歯車の粗さに無関心だったユーザーも興味を持ちはじめ、2010年には納入する状態にまで達しました。
 「心なし歯車ラッピング」は2つのラッピングギアが完全に同期しないとワーク(加工物)が安定せず、当初は危険な印象を与える機械でしたが、その後の制御を工夫し、非常に安全な機会をつくることができました。設計上、一番苦労したことはブレーキの与え方で、ブレーキをかけながら完全に同期しなければならないという点です。
 歯車はあらゆる産業で使用する重要な機械要素ですが、特に最近では自動車のトランスミッションやトラック等のギアに使用する歯車の効率を向上させることで、低燃費、省資源を可能にし、CO2削減につながるということが非常に注目されています。今回の受賞を機会に、販売促進の努力もしていきたいと思います。

発明功労賞
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
FSテクニカル株式会社 代表取締役社長 藤田 昌吾
所在地:東京都葛飾区 TEL. 03-5671-3134
URL:http://www.fs-tec.co.jp/
永吉清治 氏
タイヤ上ビード取外し方法およびタイヤ着脱装置

小野谷機工株式会社 社主 三村 義雄

所在地:福井県越前市 TEL. 0778-22-2124
URL:http://www.onodani.co.jp/
立半三樹 氏
組織薄切片パラフィンマスキング方法および装置
株式会社カケンジェネックス 設計部 主任 田村 学
所在地: 千葉県柏市 TEL. 047-383-8300
URL:http://www.kakengeneqs.co.jp/
非接触・空中伝搬超音波検査システム
ジャパンプローブ株式会社
代表取締役社長 小倉 幸夫
本社技師長 高橋 雅和
本社取締役 統括部長 高橋 修
製造部、営業設計部兼務 取締役 部長 馬場 比路志
所在地:横浜市南区 TEL. 045-242-0531
URL:http://jp-probe.com/
カーボン製吸着体及びその製造方法
株式会社タンケンシールセーコウ
研究開発部 材料研究課 副主任 伊藤 哲雄
研究開発部 次長 髙浪 浩
営業部営業課 課長 羽鳥 暢崇
技術部技術課 主任 長妻 忠浩
研究開発部 材料研究課勝又 望
所在地:東京都大田区 TEL. 03-3750-2151
URL:http://www.tankenseal.co.jp/
LED誘導路灯用定電流発電器
日本光機工業株式会社 横浜工場 技術開発部 顧問 市川 具裕
所在地:横浜市金沢区 TEL. 045-350-7231
URL:http://www.nipponkoki.co.jp/
セルフリグラインド(自己研磨)ドリル
マコトロイ工業株式会社
工具部 津工具製造課 工具技術班 班長 東脇 啓文
東京営業所 所長 橋本 英二
所在地:大阪府東大阪市 TEL.06-6782-1151
URL:http://www.makotoloy.co.jp/

考案功労賞
有機化学物質の分析前処理装置及び方法
株式会社アイスティサイエンス 代表取締役 佐々野 僚一
所在地:和歌山市黒田 TEL. 073-475-0033
URL:http://www.aisti.co.jp/aisti-homepage/top.htm
シリコーンゲル創傷用被覆保護材
アルケア株式会社
開発部ウンド&ナーシンググループ 上田 充志
開発部 副部長 松坂 俊通
所在地:東京都墨田区 TEL. 03-5611-7800

URL:http://www.alcare.co.jp/index.shtml

自由自在に位置決めするワーク切り出し装置
株式会社ウイスト 代表取締役 和田 克彦
所在地:京都府相良郡 TEL. 0774-98-6767

URL:http://www.wist.co.jp/

縫製装置の目飛び糸切れチェック装置
木下精密工業株式会社 代表取締役 木下 治彦
所在地:名古屋市北区 TEL. 052-902-3331
URL:http://www.kinoshita-abc.jp/
金型内の気体放出構造及び当該構造を備えた金型
株式会社斎藤金型製作所 代表社員 斎藤 輝彦
所在地:山形県長井市 TEL. 0238-84-3222
URL:http://www.saitomold.co.jp/
電力ケーブル防護用樹脂管の切断工具
株式会社三英社製作所 代表取締役 大場 健司
所在地:東京都品川区 TEL.03-3781-8111
URL:http://www.san-eisha.co.jp/index.php
電気を使わない扉自動開閉装置
株式会社福島エコロジカル 代表取締役 中野 泰雄
所在地:福島県郡山市 TEL. 024-954-5831
URL:http://www.eco-miimo.co.jp/
ドラムをキズつけないためにかき板を接触させないセパレーター
株式会社ブンリ 代表取締役会長 田代 実
所在地:東京都品川区 TEL. 03-3778-2061
URL:http://www.bunri.com/
お皿として使えるノントレー立体包装
有限会社水戸菜園 代表取締役 後藤 典夫
所在地:茨城県水戸市 TEL. 029-253-2970
URL:http://www.mitosaien.com
インクジェット表裏印字装置
株式会社ミヤコシ 代表取締役社長 宮腰 巖
所在地:千葉県習志野市 TEL. 047-493-3854
URL:http://www.miyakoshi.co.jp/

発明奨励賞
フルカラーLEDリングライト装置
株式会社栗原工業 代表取締役 栗原 公郷
所在地:東京都調布市 TEL. 042-483-5881
URL:http://www.kurikou.co.jp
光切断法と点光による深さ高さの測定法の融合光学システム
日商精密光学株式会社 専務取締役 江森 忠
所在地:埼玉県児玉郡 TEL. 0495-33-2251
URL:http://www.nisshooptical.com/




お問い合わせ先
公益財団法人 日本発明振興協会 発明大賞推進委員会
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町4-22
TEL.03-3464-6991
FAX.03-3464-6980
e-mail:jsai_aaa@jsai.org


第38回発明大賞 日刊工業新聞社 日本発明振興協会