より性能を向上させたい〜逆境からの開発〜
当社は今年、創立100周年を迎え、創立からずっと歯車をつくる歯切りの機械をつくっています。歯車仕上げ盤とは、研磨盤などがありますが、当初、仕上げとしては物足りない、まして鏡面仕上げはできないものでした。それが本発明では30秒から1分ほどで顔が映るくらいピカピカになるのです。
当初は「歯面をピカピカにしても、効率や寿命は伸びない」、「ピカピカにしたら、逆に小さい油溝がなくなって効率が悪くなる」とユーザーも我々も思っていたのですが、その逆境の中で開発が始まりました。ところが、いざ開発した機械の現物をお見せすると、それまで歯車の粗さに無関心だったユーザーも興味を持ちはじめ、2010年には納入する状態にまで達しました。
「心なし歯車ラッピング」は2つのラッピングギアが完全に同期しないとワーク(加工物)が安定せず、当初は危険な印象を与える機械でしたが、その後の制御を工夫し、非常に安全な機械をつくることができました。設計上、一番苦労したことはブレーキの与え方で、ブレーキをかけながら完全に同期しなければならないという点です。
歯車はあらゆる産業で使用する重要な機械要素ですが、特に最近では自動車のトランスミッションやトラック等のギアに使用する歯車の効率を向上させることで、低燃費、省資源を可能にし、CO2削減につながるということが非常に注目されています。今回の受賞を機に、販売促進の努力もしていきたいと思います。
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