脳梗塞のバイオマーカーの開発で、高齢者のQOLの向上に貢献
当社は、私が千葉大学薬学部を退職した後に設立したバイオベンチャー企業です。社会に役立つ医療の研究を目指すことを設立の趣旨に据えております。
日本は超高齢化社会の到来が目前に迫っています。こうした社会を見据えた、高齢者の生活の質、すなわちQOL(Quality Of
Life)の維持と向上が社会的にも大事な問題となっています。私たちは高齢者に質の高い生活を提供すべく、これまでも努力してまいりました。現代日本の高齢者の三大生活習慣病といえば、がん、心筋梗塞、脳梗塞があげられますが、これらの中で病気の重要度をチェックできる有効なバイオマーカーが存在しないのは、脳梗塞だけです。
今回受賞したバイオマーカーの使用で、無症候性の小さな脳梗塞を見つけることができ、適切な処置を施せば、脳梗塞が重症化する前に防ぐことができると考え、現在、事業を推進しているところです。おかげさまで、受診者のみなさまには大変な好評をいただいております。
今、日本には脳梗塞の患者が150万人もいると言われます。しかし、認知症の患者はその3倍にあたる450万人に達すると言われています。認知症も脳梗塞と同様に脳の細胞が壊れる病気です。将来的には、このバイオマーカーを認知症の診断にも応用し、高齢者のみなさまのQOLの維持のために努めていきたいと考えています。
今回の発明大賞本賞の受賞を機に、より一層、社会の役に立つバイオマーカーの開発を目指し、頑張っていきたいと思います。
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