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第41回 受賞者

発明大賞本賞
植物の特性を利用した防草技術
石川 重規(いしかわ しげのり)
所在地:愛知県名古屋市 TEL.052-624-9374
石川 重規 氏
自然の摂理を繰り返し検証し、完成させた防草ブロック
 私の技術は、植物ホルモンの異常分泌によって雑草が自ら成長抑制をおこす防草技術です。私たちの利用する道路には自然災害や利用者の安全維持に対応して、コンクリート二次製品・境界ブロック、側溝ブロックが設置されています。しかし、そこには多くの雑草が発生し、毎年多額の維持予算が使われ、防草対策による二酸化炭素の排出量も増加するばかりです。
 そこで注目したのが、植物の特性である「屈性」です。植物の芽や茎は上へ成長し、根は重力を感知し下へと成長する性質です。植物はいくつかのホルモンの調整を受けながら成長しており、ホルモンのひとつ、「オーキシン」の調整によって、正常に上下へ成長していきます。この性質を逆手にとり、植物の成長経路となる製品側面へ切り欠けを設け、本来の成長方向とは逆方向とさせることで、植物成長とホルモン調整がアンバランスとなり、雑草自ら褐変枯死するという仕組みです。2000年より当時70才だった父と二人三脚で始まった実験は、道路で検体となる雑草を採取し、検証用の器具は手作りでした。自然の摂理を繰り返し検証するため時間はかかりましたが、植物の特性を活かした防草技術として、「防草ブロック」「防草グレーチング」という製品名で、公共工事などの道路工事用二次製品に採用されるようになりました。2004年に中部地域で工業会組織を立ち上げて以降、製造メーカーも増え、2012年には全国組織として全国防草ブロック工業会が立ち上がりました。現在、北海道から沖縄まで、32都道府県36社で製造販売し、国交省はじめ各自治体で採用されています。国内の道路総延長は約127万kmあります。地球30周分、地球から月を一往復半した距離です。私たちの道路環境施策は大変な道のりですが、受賞を励みにまた新たなものづくりに挑戦していきたいと思っております。

植物の成長特性「屈性」を利用し、植物が自ら成長を止める目地形状を開発
 植物は、光や重力によって成長方向が変わる屈性という性質を持つ。光合成を行うために成長に必要なエネルギーを生産し、ホルモン分泌が起こり、その屈性を保つために植物ホルモンの1つオーキシンの影響を受け成長方向が調節される。これら植物の成長メカニズムを利用させることで、道路の構造物や構築物が造る目地部へ新たな防草技術として、また従来の道路用二次製品へ採用することで雑草が自ら成長を抑制することから、従来の防草対策工事も不要となる理にかなった特許技術である。

切欠けを設けた製品




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第38回発明大賞 日刊工業新聞社 日本発明振興協会