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第42回 受賞者

発明大賞 東京都知事賞
果実表面と接触しない果物個別包装容器
アイ・イート株式会社
【受賞者】
取締役 技術開発担当 柏嵜 勝(かしわざき まさる)
取締役 技術開発担当 尾崎 功一(おざき こういち)
研究員 技術開発担当 青山 リエ(あおやま りえ)
所在地:栃木県宇都宮市 TEL.028-689-6328
取締役 技術開発担当
柏嵜 勝 氏
農業の可能性を開く大粒イチゴの新容器
 私たちが開発した製品は、1個60gという大きくて完熟状態のイチゴを輸送するための容器です。皆様もご存知のように、イチゴは完熟状態では流通させることができません。イチゴは何かに少しでも接触するとたちまち品質が劣化してしまうためです。そのため、巨大なイチゴは見た目も味覚も優れているにもかかわらず、農家は出荷する機会を、一般消費者は口にする機会を喪失していました。私たちの発明品を使えば、イチゴの枝部分を簡単に固定して切り揃えることができ、しかもそのまま動かない状態で固定化されて格納されるので、生産者も流通業者も一切手が触れられない状態で消費者のもとへ届けることができます。品質保証として最低2週間は美味しさが保たれると謳っており、ふつうのイチゴは到達できないEU圏まで届けることができます。ベルギーの品評会では2015年に優秀味覚賞、2016年に最高賞をいただき、日本の農作物のクオリティの高さが世界から評価されました。私たちの発明品を使えば、高品質な農作物を海外に輸出することも可能になります。日本国内の生産意欲ある農家と協力しながら、海外に誇れる農産物を商品展開するビジネスに繋げていきたいと考えています。

高品質のまま、海外への長距離輸送が可能に
 日本産イチゴは食味がいいため世界的にも注目されているが、果実が柔らかく、果皮が弱いため、輸送中の損傷や品質劣化が問題であった。対策として、イチゴが完全に熟す前の比較的硬い状態で収穫し品質劣化を防いでいたが、果実全体が未成熟のため本来のおいしさではない状態で流通されていた。食味を犠牲にして輸送性を得るか、輸送性を犠牲にして食味を得るかの二者択一問題が存在していた。
 そこで、日本産イチゴの本来のおいしさを担保し、高い商品価値を維持するために、収穫以降、果実表面に非接触状態を維持可能な包装容器「フレシェル」を開発した。この包装容器は、イチゴの果底部およびガクに接触し、果柄を把持することによって、最大径60mm、高さ70mm程度(重量80g程度)までのイチゴを固定することができる。その性能は輸出試験およびEU圏での第三者品質認証によって実証した。本発明によって日本産完熟イチゴが高品質で世界展開することが可能になった。

イチゴ果実部に非接触状態を維持できる個別包装容器「フレシェル」




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