第47回「環境賞」(国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援)の受賞者が決まった。環境保全や環境の質の向上に貢献が認められる技術や製品など39件の応募があり、プレゼンテーション審査などを経て、環境大臣賞、優秀賞、優良賞、審査委員会特別賞の計6件が選ばれた。受賞したテーマ、企業・団体名(代表者)、概要は以下の通り。

第47回「環境賞」受賞者

【環境大臣賞】

「ビール醸造副産物を用いた環境保全型植物生産」
アサヒバイオサイクル株式会社
北川 隆徳

 ビール酵母を活用し、土壌の病原菌を抑え、植物自身の耐病性を高めるという、二つの特性を持つ資材を開発した。新資材を植物育成に使うことにより、植物の病害虫への抵抗性を高め化学農薬使用量を低減する。合わせて、化学農薬を使用することなく土壌の多様性を維持しながら土壌中の病原菌のみを抑える。ビール酵母を原料とし、化学農薬を使わずに多様性を維持することから、持続可能な環境保全型の植物生産が期待できる。




【優秀賞】

「オフィス内で古紙を再生する小型製紙機」
デュプロ精工株式会社
    〃
長田 優輔
大原 広行

 オフィス内で、使用済み用紙を白い再生紙としてリサイクルできる小型製紙機を開発した。本製品は、古紙リサイクルについて、廃棄文書の溶解、脱墨(印字成分除去)、製紙、A4サイズ加工まですべての工程を連続で処理し、再生紙を作製する仕組みだ。こうした工程を兼ね備えた小型装置としては、世界でも珍しいという。オフィスでの紙リサイクルシステムを構築することができ、用紙購入量や古紙廃棄量を削減できる。

 

「RoHS2向けフタル酸類検査装置の開発と世界標準化」
株式会社日立ハイテクサイエンス
    〃
    〃
    〃
    〃
    〃
田村 浩一
坂井 範昭
的場 吉毅
廣瀬 龍介
岩田 寿哉
秋山 秀之

株式会社日立ハイテク
    〃
    〃
    〃
    〃
    〃
照井 康
吉岡 信二
吉江 正樹
皆田 晋介
山下 博教
南波 秀徳

株式会社日立製作所
    〃
    〃
    〃
坂入 実
橋本 雄一郎
高田 安章
山田 益義

 日立ハイテクサイエンスは、迅速に検査でき、メンテナンス頻度が少ない「ダイレクト質量分析法によるフタル酸類検査装置」を開発・製品化した。①メンテナンス頻度が従来の10分の1以下②検査時間が約10分③誰でも使用可、という点がポイント。本方式は、2018年の国際電気標準会議(IEC)で承認され、世界標準化の道筋がついた。フタル酸エステル4種の使用を禁止するRoHS(特定有害物質規制)2に対応する。

 



【優良賞】

「産業用装置向けノンフロン液温自動調整機」
関東精機株式会社
    〃
魵澤 剛史
鈴木 秀幸

 関東精機は、工作機械・産業機械分野の液温制御について、水冷式にCO2(二酸化炭素)冷媒、空冷式にR-1234yfを採用した液温自動調整機「ノンフロンオイルマチック」を実用化した。水冷式を採用するとともに、冷凍サイクルに設置した種々のセンサーから得た情報を基に、運転状態の監視、成績係数が最大となるように冷凍サイクルを自己補正する技術を開発した。これにより、HFC冷媒よりも高い成績係数での運転が可能。

 


「R32を用いた室内配水型ビル用マルチエアコン」
三菱電機株式会社
    〃
    〃
    〃
    〃
    〃
池田 宗史
本村 祐治
石村 亮宗
竹中 直史
川島 充
西尾 淳

 三菱電機は、R32冷媒と水で搬送する世界でも珍しい室内配水型ビル用マルチエアコンを開発した。この空調システムは、地球温暖化効果が小さいR32を使いながら、追加の安全装置が不要で、従来のマルチエアコンと同等の省エネ性、機能、施工性を実現している。冷媒と水が熱交換する新型中継機の搭載により、冷水と温水を同時に生成し、冷房と暖房が混在する「冷暖同時運転」を実現した。

 


【審査委員会特別賞】

「化学物質の自動同定・定量データベースの開発・普及」
公立大学法人北九州市立大学
福岡県保健環境研究所
門上 希和夫
宮脇 祟

 北九州市立大学は、短時間に多数の化学物質測定ができる化学物質測定手法「自動同定・定量データベース(DB)システム(AIQS)」を開発し、普及を進めた。化学物質の同定・定量に必要な3情報(保持時間、質量情報、検量線)をDB化し、試料測定に使うクロマトグラフ質量分析計の性能をDB構築装置と同一にし、DBを標準品測定の代替とする。物質が追加でき、測定物質数に制限もなく、入手困難な物質も分析できる。