第50回環境賞(国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援)の受賞者が決まった。
環境保全や環境の質の向上に貢献が認められる技術や製品など48件の応募があり、ヒアリング審査などを経て、環境大臣賞、優秀賞、優良賞、審査委員会特別賞の計5件が選ばれた。なお今回は50回を記念して50回記念特別賞2件も選出した。受賞したテーマ、企業・団体名概要は以下の通り。
第50回「環境賞」受賞者
花王株式会社 |
花王は、廃ポリエチレンテレフタレート(PET)の骨格を活用したアスファルト改質剤「ニュートラック」を開発した。ブロック型ポリエステル樹脂により、アスファルトと骨材(石・砂)の親和性・吸着性を高めた。アスファルト舗装に1%併用することで、耐久性5倍、水にも油にも強い舗装を実現する。きれいな舗装を長持ちさせ、100平方メートルの舗装では500ミリリットルペットボトル換算で1430本の廃PETを活用できる。
ユニ・チャーム株式会社 |
ユニ・チャームは、2010年に「使用済み紙おむつのリサイクル」技術の開発に着手。「紙おむつから紙おむつ」の水平リサイクルを目指し、オゾン処理による滅菌技術を確立。高品質のリサイクルパルプの生成に成功した。16年から鹿児島県志布志市、大崎町と共同で、リサイクルセンター敷地内に実証実験設備を設置し、回収―リサイクル―資源化を一元化した実験を開始した。年間約500トンのリサイクルを目指す。
アサヒバイオサイクル株式会社 |
アサヒバイオサイクルは、食品廃棄物を微生物発酵により減量化した上で、堆肥として再利用できる循環型有機系農業(サーキュラーエコノミー)を推進する技術を開発した。枯草菌「C-3102株」を含んだ微生物資材「サーべリックス」は堆肥化促進材で、食品廃棄物を95%以上の減量率で減量化できる。廃棄コストを削減するほか、焼却処理せず堆肥化することで、焼却処理で発生するCO2の排出を抑制できる。
日本インスツルメンツ株式会社 |
日本インスツルメンツの水銀測定装置「RA-4500」は、最大10ステップにおよぶ試料の湿式前処理を完全自動化した。回転式ヒーターブロックと赤外線ヒーターで温度ムラを最小限にし、自動での加熱分解を実現。装置は検出器、サンプルチェンジャー、前処理部を一体化した筐体(きょうたい)設計とし、排気機構を備えた。5ミリリットルの試料で測定でき、試薬、排液を大幅削減できる。10年間で500台を出荷した。
ながたに振興協議会 |
ながたに振興協議会は地域課題の解決や活性化を図るため、2015年に七つの自治会が集まり設立。里山に放置された竹林という地域課題を、地域住民による伐採活動という解決方法だけでなく、伐採竹の堆肥化による地域内循環型農業への活用、竹ぬか床などの商品開発、酵素風呂の導入など、事業の収益化につなげている。地域課題の解決が、地域の活性化、自主財源確保へと直結し、住民参加のブランドづくりを行っている。
50回記念特別賞は過去に受賞歴のある技術、研究、製品、取り組み等が、現在の社会シスステムに組み込まれ、浸透し、環境保全や環境の質の向上へ貢献しているものに贈りました。
株式会社 デンソー |
東京電力エナジーパートナー 株式会社 |
一般財団法人 電力中央研究所 |
日本板硝子株式会社 |
第49回環境賞(国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援)の受賞者が決まった。
環境保全や環境の質の向上に貢献が認められる技術や製品など32件の応募があり、プレゼンテーション審査などを経て、環境大臣賞、優秀賞、優良賞の計5件が選ばれた。受賞したテーマ、企業・団体名概要は以下の通り。
第49回「環境賞」受賞者
大成建設株式会社 | 渡邊 篤 |
〃 | 鈴木 菜々子 |
〃 | 竹田 茂 |
〃 | 岡村 尚彦 |
一般社団法人 富士山南陵の森フォレストセイバー | 山田 辰美 |
NPO法人 ホールアース研究所 | 今永 正文 |
NPO法人 森林インストラクターしずおか | 大澤 能孝 |
大成建設などは2010年に静岡県富士宮市に工業団地を整備。その中で自然再生の取り組みを進めている。ハード面で徹底した自然環境の保全・再生を実施するとともに、ソフト面では工業団地進出企業や地域の人たち産学官民が、持続的に自然と関わるための仕組み作りを構築して、10年以上に渡り運用している。ハードとソフトをセットにすることで、自然と人間とがつながり、真に「自然と共生した開発」を可能にした。
株式会社 尾鍋組 | 尾鍋 哲也 |
〃 | 濱口 幸三 |
〃 | 大石 新之介 |
国立大学法人三重大学 | 酒井 俊典 |
株式会社三重ティーエルオー | 飯田 和生 |
尾鍋組などは砕石(小さく砕いた自然石)だけを使った地盤改良技術「エコジオ工法」を開発した。従来は地盤改良にセメントや鋼管が使われているが、砕石は生産段階でのCO2排出が非常に少なく施工時に廃棄物も発生しない。地球環境と土地の価値を守る地盤改良工法として期待されている。2022年3月末の時点で累計施工数は2万5000件超。昨年度の年間施工数は約4500件で9割程度が住宅の地盤改良に使われているという。
鹿児島工業高等専門学校 | 山内 正仁 |
〃 | 山田 真義 |
〃 | 片平 智仁 |
鹿児島県農業開発総合センター | 上薗 一郎 |
生産環境部土壌環境研究室 | 中村 憲知 |
産業技術総合研究所 | 黒田 恭平 |
株式会社日水コン | 碇 智 |
〃 | 種市 尚仁 |
〃 | 佐々木 俊郎 |
株式会社三州衛生公社 | 二見 勇二 |
〃 | 松原 剛 |
鹿児島工業高等専門学校などは、下水処理施設から発生する下水汚泥と、焼酎粕や米糠(ぬか)、竹材などの地域バイオマスを使った新たな下水汚泥肥料を開発した。低重金属で肥料効果が高い高窒素・低カリウムの新規肥料製造技術を確立。有機質資材の菜種油粕と同等以上の肥料効果と安全性を確認した。2 - 3年後を目標に事業化を検討。茶栽培への適用を計画しており、肥料費を1ヘクタール当たり10万円程度削減できる見込み。
キヤノン株式会社 | 武石 洋明 |
〃 | 岩本 和徳 |
〃 | 高林 幸夫 |
〃 | 山本 磨人 |
大日本印刷株式会社 | 市村 公二 |
キオクシア株式会社 | 河野 拓也 |
キヤノン、大日本印刷、キオクシアが開発に取り組む「ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術」は、半導体製造のリソグラフィ工程といわれる微細な回路パターンを形成する工程で使われる。最先端半導体で求められるナノメートルレベル(ナノは10億分の1)の回路パターンの転写を実現。製造時の消費電力を約10分の1に抑え、IoT(モノのインターネット)社会の拡大を支える製造技術として注目されている。
高効率モーター用磁性材料技術研究組合 | 尾崎 公洋 |
〃 | 立石 裕 |
〃 | 庄司 哲也・加藤 晃 |
〃 | 藏 裕彰・後藤 翔 |
〃 | 山際 昭雄・浅野 能成 |
〃 | 松本 紀久・枦山 盛幸 |
〃 | 松橋 大器・内山 翔 |
〃 | 豊田 俊介 |
高効率モーター用磁性材料技術研究組合は、将来の資源リスクに対応する磁石材料を開発した。モーターの省エネルギー化には磁石材料が欠かせない。現在は日本で発明されたネオジム磁石が主に使われている。「超ネオジム磁石」は最高性能の磁石を目指して開発を進めた。資源リスクに対応した磁石開発も進め、ネオジム元素の使用量を低減した「省ネオジム磁石」や、希土類元素を使用しない「鉄ニッケル磁石」を開発した。
第48回環境賞(国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援)の受賞者が決まった。環境保全や環境の質の向上に貢献が認められる技術や製品など45件の応募があり、プレゼンテーション審査などを経て、環境大臣賞、優秀賞、優良賞の計5件が選ばれた。受賞したテーマ、企業・団体名(代表者)、概要は以下の通り。
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第47回「環境賞」(国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援)の受賞者が決まった。環境保全や環境の質の向上に貢献が認められる技術や製品など39件の応募があり、プレゼンテーション審査などを経て、環境大臣賞、優秀賞、優良賞、審査委員会特別賞の計6件が選ばれた。受賞したテーマ、企業・団体名(代表者)、概要は以下の通り。
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第46回「環境賞」(国立環境研究所・日刊工業新聞社主催、環境省後援)の贈賞式が東京・霞が関の霞山会館で6月6日に開催され、「環境大臣賞」をはじめ「優秀賞」「優良賞」「審査委員会特別賞」が授与された。いずれも苦節十年、試行錯誤を重ねた末の結果で、受賞者は地道な努力が報われ感無量の様子だった。
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三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 |
米谷 晴之 宮本 佳典 亀山 正樹 出口 学 水谷 敏彦 |
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日東電工株式会社 日東電工株式会社 |
山本 修平 田部 淳希 |
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平成30年度「環境賞」(国立環境研究所・日刊工業新聞社主催、環境省後援)の贈賞式が東京・霞が関の霞山会館で6月7日に開催され、「環境大臣賞」をはじめ「優秀賞」「優良賞」が授与された。循環型社会をリードする中小企業の独創的な技術が目を引き、受賞者は表彰状と記念盾を手に誇らしげな様子だった。
創設から45回を数える今回は、有害物質の除去や産業廃棄物処理、廃熱利用、温暖化対策、再生可能エネルギー、自然保護活動といった多様なジャンルから39件の応募があった。厳正な審査の結果、鋼製橋梁の古い塗膜に含まれる鉛・ポリ塩化ビフェニール(PCB)廃棄物を効率よく安全に除去するヤマダインフラテクノスの「鉛・PCB廃棄物を削減する循環式ブラスト塗膜除去」が環境大臣賞を受賞したのをはじめ、計5件が受賞の栄誉に輝いた。
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イコールゼロ株式会社 マツイマシン株式会社 |
林 宏道 松井 洋 |
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大成建設株式会社 大成建設株式会社 大成建設株式会社 大阪大学 大阪大学 大阪大学 北里大学 |
山本 哲史 瀧 寛則 日下 潤 池 道彦 井上 大介 黒田 真史 清 和成 |
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平成29年度の贈賞式が6月8日、東京・霞が関の霞山会館で開かれた。「環境大臣賞」に輝いたエコサイクルの「バイオ浄化剤による土壌地下水汚染対策技術」などの計5件を表彰した。44回目を迎えた今回は43件の応募があり、厳正な審査の結果、土壌地下水汚染対策や大気汚染対策、業界に先駆けて開発した環境配慮型の技術・製品などが選ばれた。来賓の関芳弘環境副大臣は「いずれも時代の要請に合致した環境賞にふさわしいものだった」とした上で、「今、わが国は人口減少という歴史的な転換期を迎えている。大量消費と大量廃棄を前提とした従来の経済・社会の仕組みを環境の面から持続可能で活力のある形に転換していくことが喫緊の課題になっている。環境問題の解決に向け、環境に関する研究・技術開発が今後一層重要になる。多くの方々がこの分野に加わって挑戦してほしい」と強調した。受賞者は表彰状と記念盾を手にして誇らしげに胸を張っていた。
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富士電機株式会社 富士電機株式会社 宇都宮大学 |
中田 栄寿 花井 洋輔 酒井 保藏 |
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三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機株式会社 三菱電機エンジニアリング株式会社 |
稲口 隆 千葉原 宏幸 松本 紀久 竹本 智彦 河合 秀泰 八木 哲也 牧野 智史 |
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(メンバー) 国立環境研究所 国立環境研究所 国立環境研究所 国立環境研究所 国立環境研究所 九州大学 九州大学 九州大学 柴田科学株式会社 柴田科学株式会社 柴田科学株式会社 富山県環境科学センター 長崎県環境保健研究センター 島根県保健環境科学研究所 日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター |
杉本 伸夫 松井 一郎 清水 厚 西澤 智明 神 慶孝 鵜野 伊津志 原 由香里 弓本 桂也 柴田 眞利 榎本 孝紀 板谷 庸平 |
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柴田科学株式会社 柴田科学株式会社 柴田科学株式会社 電力中央研究所 |
牧野 宗夫 大山 雅嗣 寺門 真吾 大村 直也 |
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国立環境研究所と日刊工業新聞社は6月28日、平成28年度「環境賞」の贈賞式を都内で開いた。環境大臣賞に輝いた広島大学などの「携帯型蛍光顕微鏡による微細アスベスト迅速検査法の開発」をはじめ、計5件に賞状と記念盾が贈られた。受賞者を代表し、広島大の黒田章夫教授は熊本地震の被災地に出向いたことを報告した上で「倒壊した建物の安全な撤去を確認できるようにして、復興に貢献したい」と抱負を語った。来賓の鬼木誠環境大臣政務官は「受賞案件はいずれも時代の要請に合致したすばらしいもの」と祝辞を述べた。
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鹿島建設株式会社 日鉄住金高炉セメント株式会社 株式会社デイ・シイ 太平洋セメント株式会社 日鉄住金セメント株式会社 竹本油脂株式会社 国立大学法人東京工業大学 |
坂井 悦郎 |
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龍谷大学 宮崎大学 株式会社エフエフシー・ジャパン 畜産・飼料調査所「御影庵」 |
淡路 和則 川島 知之 山口 秀和 阿部 亮 |
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GAC株式会社 |
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マツダ株式会社 マツダ株式会社 長安マツダ゙汽車有限公司 マツダ株式会社 マツダ株式会社 マツダ株式会社 |
安達 範久 穏土 博文 若林 正隆 和久 直人 加藤 秀和 篠田 雅史 |
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