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今こそOSAKA! 北部産業界

6月27日(水曜日)付 日刊工業新聞 30面〜35面 地域特集から

 

<出稿企業一覧 30面>

企業名 新聞広告
貴和化学薬品
トヨシマ
ダイセイ
国際文化公園都市

 ゆるやかにではあるが日本の経済にも持ち直しの兆しが見えつつある。ただ、製造業については依然として厳しい環境が続く。円高、電力不安、世界の構造的な変化。ただよう暗雲を吹き払うために、いま一度想像力と行動力を奮い起こしモノづくりの魅力を高めることが必要だ。そこで今、あらためて注目されるのが大阪北部である。

 大阪のモノづくりといえば東部の印象が強いが、北部もまた国内産業をけん引してきた。淀川区・西淀川区・東淀川区と豊中市、吹田市、池田市、高槻市、摂津市、箕面市、茨木市には金属加工から電気電子、化学、食品、医薬・バイオや情報、紙器・包装まで幅広くそして活気のある企業が集う。近年は金融や自治体の支援策も充実してきた。

 現在大阪では、JR大阪駅北側の「うめきた」を軸とした再開発が本格化しつつある。隣接する大阪北部にもこれに応える新たな動きが見られる。北部産業界の地力に加え、ずばぬけた陸空の交通利便性、大学など研究施設も含めた知の集積などが合わさり、“化学変化”があちこちで起こりつつあるようだ。特集では、次代のモノづくりに取り組む北部産業界の現状や展望を紹介する。

「うめきた」から大阪北部をのぞむ

「うめきた」から大阪北部をのぞむ

 

金融機関の取り組み

 大阪北部が地盤の金融機関は地元自治体や大学、商工会議所など産学官金連携で中小企業支援に力を注ぐ。摂津水都信用金庫(大阪府茨木市)は、支店単位での顧客同士の交流会や大阪大学の協力で産学交流マッチングフェアを毎年開催してきた。11年度から同金庫のシンクタンクである大阪彩都総合研究所が運営する会員向けビジネスマッチング交流サイト「つながるサイト」を開設。会員同士のBツーBの商談や一般向けの商品PRを支援する。

 1月には豊中市、豊中商工会議所と「産業振興連携協力に関する協定」を結び自治体との連携を強化。個人向けには、土日祝日も営業し住宅ローンなどの相談に応じる相談プラザ「チャオパルコ」を本店、豊中支店に開設。また5月には北部の商工会議所や商工会などと「うまいもん市in万博2012」を初開催した。

 さらに大学生のビジネスプランを公募・顕彰する「キャンパスベンチャーグランプリOSAKA」を通じ次代を担う人材の育成や入賞案件の事業化などを支援している。
十三信用金庫(大阪市淀川区)は「ビジネス経営者セミナー」や「じゅうしんマネージメントクラブ」で経営者のマネジメントスキルなどの向上を支援。若手経営者向けのセミナーも始める。中小企業基盤整備機構近畿本部とは毎月の情報交換のほか同本部に事務局を置く「信金PLUS+」事業には当初から参加、大手企業と中小とのビジネスマッチングをコーディネートする。

4月に開かれた府内10信金合同ビジネスマッチングフェア

4月に開かれた府内10信金合同ビジネスマッチングフェア

 また、大阪商工会議所と長年共催してきた展示会「淀川ビジネス・エキスポ」を4月、府内信金取引先の中小企業118社出展による合同ビジネスマッチングフェアに変え規模を拡大。創業支援にも力を入れ大阪府と連携し「金融機関提案型融資」を利用した「じゅうしんスタートローン」を開始。また大商とは「開業サポート資金(地域支援ネットワーク型)」融資も始めた。

 池田泉州銀行は設立以来60年以上大阪北部の中小企業を支えてきた。同行では独自に助成金を設け製品開発を支援する。また、大阪で大規模なビジネスフェアを開くほか、中小企業の海外展開ニーズが高まると、東京海上日動火災保険や国際協力銀行、あるいは中国の中国工商銀行などと提携、積極的な支援策を打ち出している。
北部の自治体や商議所との連携も進め、昨年からは箕面、豊中、池田、摂津、吹田それぞれの市と商議所、商工会と相次ぎ産業振興連携協定を締結したほか、各市と協力し「産業振興融資ファンド」を設け、地元企業を支援している。

 

大学(阪大、関大、大阪経済大)

 大阪北部地域には全国的にも存在感のある大学がそろう。大学の特色を生かした独自の取り組みもさまざまだ。地域活性化の一翼を担う大学の動きを紹介する。
 大阪大学は、学部間連携の強化に乗り出している。学部独自の研究を伸ばしつつ、学部の枠を飛び越えた横断型の研究に力を入れる。平野俊夫総長をトップとする「大阪大学未来戦略機構」を立ち上げた。2012年度に本格稼働した新組織は、阪大の人事や予算、認定などのあらゆる審議案件に素早く対応する。

 今までの学内会議は人数も多く、迅速な決定が難しかったが、未来機構の会議への参加は11人とコンパクトな陣容。集合と意思決定もスピーディーだ。今回の新機構設立で、阪大の存在感も大きく高まりそうだ。

関西大学は、30〜40歳代の経営者や後継者の経営マインドやスキルの向上を目的にした「次世代経営者塾」と題した勉強会を開いている。10年度からはじめ今年度で3回目。期間は4〜11月まで。

 人材開発やマーケティングなどがテーマ。人数も少人数制が特徴で参加は6人。製造業や流通、デザインなど、多種多様な業種から企業経営者が集う。各自の経営課題を披露し、全員での討議を踏まえた課題解決に取り組むこともある。大学側も「日ごろ接点が少ない業界の情報や、同年代の経営者としての考えや悩みに触れ、得るところが多いのでは」と見ている。

洋菓子店と学生の共同開発も

洋菓子店と学生の共同開発も

 大阪経済大学は、9月30日に創立80周年を迎える。これを記念して学生が企画したイベントを実施した。大阪府下で店舗を展開する洋菓子店「プチ・フランス」と共同開発した「はてにゃん。ケーキ」を、4月22日から約3週間、大学のある東淀川区内で販売した。

 ケーキの母体となった「プチ・フランス×大経大コラボ商品企画」は、経営学部の女子学生3人が企画した。3人はプチ・フランスを訪れ、社長プレゼンや試作品づくり、商品検討会を経て作り上げた。完成したケーキは大経大のキャラクター「はてにゃん。」をモチーフにしたケーキとタルト、チョコレートフォンデュの3種類だ。

 今後、創立80周年事業計画の柱にする「つながる力の向上」を目指し、さまざまな形で地域社会と大学の連携を強める。

NEXT> 各自治体の産業の現状と展望


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