「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」はオゾン層保護対策と地球温暖化防止対策の促進を目的として日刊工業新聞社が毎年実施している表彰制度です。国内外におけるオゾン層破壊物質や温室効果ガス(二酸化炭素を除く)の排出削減、回収、処理等の着実な実施及び、これらに関する調査、研究の進展に資すべく、オゾン層保護と地球温暖化防止の両面で不断の努力を重ね、顕著な功績をあげた産業界その他団体もしくは個人に対し、「経済産業大臣賞」「環境大臣賞」等を贈呈しています。

 第24回
オゾン層保護・地球温暖化防止大賞 受賞者
第24回 オゾン層保護・地球温暖化防止大賞贈賞式

経済産業大臣賞
「二酸化炭素を用いる冷凍・冷蔵設備事業の協業」
日立プラントサービス日本熱源システム
 自然冷媒として二酸化炭素(CO)を用いる冷凍機と大型冷凍・冷蔵設備事業で協業した。日立プラントサービスが持つ冷凍・冷蔵設備のエンジニアリング(設計・施工)やメンテナンスサービス、リニューアル技術などと、日本熱源システムが製造・販売するCO冷媒冷凍機「スーパーグリーン」を組み合わせた。両社の技術やリソース、ノウハウを結集することで、冷凍・冷蔵設備の製品からOT(制御・運用技術)、ITまでワンストップで提供していく。
岡野邦彦 日立プラントサービス社長(中央)と原田克彦 日本熱源システム社長(右)と藤木俊光 経済産業省製造産業局長

環境大臣賞
「冷蔵倉庫の脱フロン化と地球温暖化対策」
横浜冷凍
 冷蔵倉庫の脱フロン化と地球温暖化対策に積極的に取り組んでいる。脱フロン化では、現在も一般的にフロン冷媒が主流ななか、1990年代後半からアンモニアなど自然冷媒を使用した冷蔵倉庫を建設して、実証実験を進めてきた。2001年以降の新設冷蔵倉庫はすべて自然冷媒を使用。既存設備についても脱フロン化工事を計画的に進めている。
 温暖化防止では、屋上太陽光発電システムの導入を推進する。06年に初導入後、現在では国内17カ所、海外2カ所で稼働している。
吉川俊雄 横浜冷凍会長(右)と小野洋 環境省地球環境局長

優秀賞
「低GWP冷媒を用いた空気熱源循環加温ヒートポンプ」
三菱重工サーマルシステムズ中部電力
 地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒を使った空気熱源循環加温ヒートポンプ「キュートン・サーキュレーション」を開発した。冷媒にR454Cを日本で初めて採用した。ガスボイラーに比べてランニングコストは67%減、エネルギー消費量は52%減を達成する。
佐々倉正彦 三菱重工サーマルシステムズ常務(中央)と石川民子 中部電力 先端技術応用研究所長(右)と井水治博 日刊工業新聞社社長

優秀賞
「炭化水素を用いた冷却装置用凝縮器ユニットの開発と普及」
三菱電機冷熱応用システム
 炭化水素R290(プロパン)を用いた冷却装置用凝縮器ユニットを開発した。自然冷媒を使い製品安全性も高めた。スーパーマーケットなどの小型多段内蔵ショーケースに組み込んだ製品では、年間消費電力を従来の二酸化炭素(CO)冷媒機に比べ約60−70%削減した。
松木哲三 三菱電機冷熱応用システム社長(右)

審査委員会特別賞
「船舶用空調への低GWP冷媒の適用」
ダイキンMRエンジニアリング
 地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒R407Hを船舶用空調・冷凍システムに適用した。船舶の冷媒規制はHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の使用規制だけで、温暖化に関する規制がなかった。今後の船舶への冷媒規制強化に先駆けて、新冷媒の適用を始めた。
鶴田幸大 ダイキンMRエンジニアリング社長(右)と関屋章 審査委員長

審査委員会特別賞
「低GWP冷媒の熱物性情報の整備」
日本冷凍空調学会
 日本冷凍空調学会は、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒の熱物性情報を整備した。新規低GWP冷媒候補物質に関して、信頼できる熱物性値を日本から世界に向けて発信することが狙い。低GWP冷媒の普及により、代替フロン類起源の温室効果ガス削減に直接寄与することが期待される。
川村邦明 日本冷凍空調学会会長(右)

第24回「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」
受賞者のご紹介 冊子

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「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」
受賞企業アンケート

(第19〜23回受賞企業 16社より回答)

「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」を受賞したことによる効果・反響はございましたか。

円グラフ

「あった」とご回答の方 どのような効果がありましたか(複数回答可能)

棒グラフ

受賞者の声

第19回 優秀賞 東京冷機工業株式会社

受賞したことにより、社員一人一人が自信をもってお客様へPRができたことで、売上向上、顧客増加の成果があり、協力業者や社員の家族などにも信頼される企業(社会貢献)であることが証明できた。

第19回 受賞者

環境問題への取組みはCSR(企業の社会的責任)の面からも重要。受賞はとても励みになった。

第20回 審査委員会特別賞 オーム電機株式会社

受賞について会社案内・カタログへの掲載や展示会でブースの装飾に入れるなどを行い、弊社の環境問題の取り組みについて、アピールすることができた。

第21回 審査委員会特別賞 関東精機株式会社

SDGs(持続可能な開発目標)の認知が世界的に高まる中、この受賞によりサステナビリティ時代の「企業と社会」のあるべき姿やかかわり方について、深く考える「気づき」を与えて頂けた。

第21回 受賞者

今後もこの受賞を励みに更なる地球環境保全に繋がる環境技術の向上を目指していきたい。

第21回 受賞者者

受賞をカタログや製品パンフレット、web等に記載し活用。広告効果やブランド力向上に寄与した事に加えて、開発陣のモチベーションアップにつながった。

第22回 経済産業大臣賞 セントラル硝子株式会社

今後も、低GWPフッ素系溶剤メーカーとして、さらなる用途拡大に向けた技術開発をまい進するとともに、市場に対して製品の安定供給に努めていく。

第22回 環境大臣賞 日本冷凍空調設備工業連合会

回答→業界活動の一環が高く評価されたことは大変意義のあること。

第22回 優秀賞 日本熱源システム株式会社

受賞は社員の自信や会社と製品の信用力増大など大きなものをもたらしてくれた。

第23回 環境大臣賞 株式会社ナンバ

当社ではフロンを漏らさない施工を業界に先駆けて取り組んできた。地球温暖化防止を使命として、今後も研究開発に取り組んでいく。

第23回 優秀賞 株式会社アースクリーン東北

受賞発表後は、新規のお客様からの問い合わせも増えた。

第23回 受賞者

各方面から受賞のお祝いを多数ご連絡いただき、反響は大きかった。ブランド力向上に寄与したので、アピール点として活用したい。

  過去の受賞者一覧



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