地域応援隊
東京・多摩エリアの有力 計側・分析機器メーカー
トップが語る技術・製品・戦略
3月28日(水曜日)付 日刊工業新聞 12面〜13面 地域特集から
国際計測器
松本繁社長
振動計測技術をベースに、自動車のタイヤやモーターなどの振動を測定し、「釣り合いよさ」を計測するバランシングマシンを手がける国際計測器。専門メーカーとして日本でトップシェアを獲得するとともに、回転機器の品質向上にも貢献している。ここ数年、電気サーボモーター式振動試験機の開発に取り組み、中期の成長事業として期待されている。
−足元の受注環境は。
「リーマンショック後に落ち込んだ受注は2010年1〜3月期から回復に向かい、11年3月期は過去最高の約120億円となった。ピークは12年4〜9月期まで続き、10月以降には中国など東南アジア向けが落ち着き平常の動きに戻った。ピークは一巡したとはいえ、受注は依然として高い水準にある」
−4月以降の需要動向を踏まえ、2013年3月期を展望すると。
「タイヤ向けバランシングマシンは中国の設備投資が一巡し、12年3月期と同等か若干落ちると見ている。逆に電気サーボモーター試験機は伸長する。12年3月期の受注残高は為替の影響で多少目減りしても60億円強を確保できそうなため、13年3月期は売上高、受注高とも110億〜115億円を狙う。利益も今期と同等レベルを目指す」
−サーボモーター関連事業の事業戦略は。
「柱の一つが『地震シミュレーション加振システム』だ。構造物を台の上に載せ、地震振動を与えることで影響を調べられる。台を縦6メートル×横6メートルに大型化する一方、価格は2億円以下と従来の油圧式の5億円超より安く提供する。ゼネコンや鉄道車両メーカー、研究所、大学に拡販する」
「車関連では『回転ねじりのシミュレーションシステム』をシリーズ化して提供する。実際に駆動部品が必要とする負荷や耐久性を再現し、シミュレーションできる。あらゆる駆動系システムに対応できるよう4種類の試作機を提案中だ。価格は油圧式の約半額。国内の自動車メーカー、駆動部品メーカーに販売し、韓国や中国、米国でも提案する。13年3月期にはサーボモーター関連で売上高、受注高とも15億円を達成したい」
−海外では中国、韓国、米国に生産拠点があります。
「早くから海外に出て共通部品の海外生産を始めた。ここ数年は出荷ベースで海外が約60%を占め、東南アジア向けが中心だ。バランシングマシンを中心に生産する中国の現地子会社では、来年3月までに工場床面積を現状比1.5倍に増築する。2輪車向け中心から車向けも生産し、現行の年15台から2倍の年30台に増産する。円高対策の一環で現地生産比率を約15%から20%に引き上げ、コストメリットを追求する」
◇会社データ◇
■本 社=東京都多摩市永山6−21−1
■設 立=1969年6月6日
■資本金=10億2310万円
■売上高=110億円(12年3月期予想)
■従業員=297人(連結)
■事業内容=自動車およびタイヤ業界向け各種計測装置、モーターおよび回転機器を対象とする試験計測装置など各種自動検査装置の製造・販売
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