地域応援隊
東京・多摩エリアの有力 計側・分析機器メーカー
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3月28日(水曜日)付 日刊工業新聞 12面〜13面 地域特集から
リガク
志村晶社長
研究用・工業用X線機器で約80%の国内シェアをもつリガク。昨年12月に60周年を迎え、「グローバル化の推進」と「イノベーション(企業改革)の断行」という二つの長期経営方針を掲げた。「グローバル・ワン・リガク(リガクは世界で一つ)」の思想の下、グローバル活動のためのITインフラ作り、経営スピードの向上と効率化を積極的に推進する。
−2012年3月期連結業績の着地点は。
「売上高は11年3月期の305億円から3〜5%増え、315億〜320億円になる見通しだ。当初は7〜8%の伸びを見込んでいたが、東日本大震災や欧州経済の減速、円高が影響した。新興国経済も外国資本逃避により減速した」
−4月以降の外部環境をどう見ますか。
「米国が回復基調にある一方、不安定な為替、欧州危機や国内の民間設備投資動向も不透明で予断を許さない。一方、当社では物性分析用に培った技術を医療用に応用するなど、新分野への進出を目指す。連結売上高で5%前後の伸びを見込む」
−長期的な円高への対策は。
「海外への生産シフトよりも『グローバル・ワン・リガク』としてのトータル経営コストを徹底的に引き下げる。サプライチェーンや生産手法の見直し、研究開発の効率化などを組み合わせる。他方、当社独自の技術を深め、非価格競争力をつける」
−中期経営目標では16年3月期に連結売上高600億円、うち66%に当たる400億円を海外で稼ぐ計画です。
「当社の現製品群を広げる内部成長とともに、社外の経営資源を活用する戦略的提携、協業、M&A(合併・買収)を推進する。M&Aの目的は従来の内部成長支援中心から、今後は新分野への進出による販売拡大が中心になる。昨年9月に事業買収した米ベイスペックの携帯型ラマン分光装置が好例だ。ラマン分光とX線の技術を融合させ、新製品を開発していく」
「海外拠点作りは年内のブラジルを最後に完了する。次は各地域の販売力強化に移る。現地の販売代理店と組み、並行してサービス拠点も整備する。1、2年で進める」
−企業改革を推進するための社内プロジェクトを立ち上げました。
「昨年10月に企業改革推進本部を設置、私が本部長を兼務し14人で始動した。13年初にもCRM(顧客情報管理)、PLM(製品ライフサイクル管理)、ERP(経営管理パッケージ)を導入する。初期投資が少なくてすむクラウド型システムが望ましい。営業部隊のIT武装によりウェブを使ったマーケティングやセミナーを行い、営業活動を効率化する」
◇会社データ◇
■本 社=東京都昭島市松原町3−9−12
■設 立=1951年12月6日
■資本金=4億円
■売上高=305億円(11年3月期連結)
■従業員=1100人(連結)
■事業内容=X線回折装置、蛍光X線分析装置、熱分析装置、X線非破壊検査装置の開発・製造・販売
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