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東京・多摩エリアの有力 計側・分析機器メーカー
トップが語る技術・製品・戦略

3月28日(水曜日)付 日刊工業新聞 12面〜13面 地域特集から

 

日本電子

栗原権右衛門社長

栗原権右衛門社長

 ハイエンド理科学・計測機器の製造・販売を事業とする日本電子(JEOLグループ)。1社でこれほど幅広いラインアップを持つ企業は世界的にも他に例がない。その強みを生かし、グリーンテクノロジーや食品分析などアプリケーションサイドから光を当てたセミナーを開催しており、同社の全製品群を集結した最適ソリューションの提供を行っている。

−足元の状況をどう見ていますか。

「東日本大震災、原発事故、タイの洪水、異常な円高進行など未曽有の厳しい環境下に置かれているが、過去数年にわたる経営構造改革の遂行により利益水準は改善している。また、半導体不況と競争激化で苦戦していた半導体事業も電子ビーム描画装置4台の受注が確定し、財務体質は確実に改善している」

−製品・技術戦略をお聞かせ下さい。

「競争力のある装置を開発することが事業拡大の要諦である。世界最高レベルの原子分解能分析電子顕微鏡『JEM-ARM200F』、業界で初めてマルチタッチパネルを採用し直感的操作を実現した分析走査電子顕微鏡『InTouchScope』、小惑星イトカワの微粒子分析にも使われている『電子プローブマイクロアナライザ』、検体・試薬の超微量化と高速分析処理を実現した生化学自動分析装置『BioMajesty』など受注は引き続き好調であり、いずれも特徴ある製品だ。60年を超えて築き上げてきた最先端の技術力で世界の科学技術を支えるソリューション・プロバイダーとしての役割を果たしていく」

−新興国など海外での事業戦略についてはいかがですか。

「創立当初から常に世界で戦うことを意識した事業展開をしており、特に欧米市場では古くから自前の営業・サービスネットワークを構築している。『JEOLブランド』は世界で広く知られている。新興国では中国・ブラジル・ロシア・インドに現地法人を設立し、近々タイにテクニカルセンターを設置する。既存ユーザーへのサポート強化や新規ユーザーの開拓など、それぞれの市場に即した施策を行い、当社の総合力を発揮して世界市場での競争力を強化していく」

−今後の見通しは。

「リーマンショック以降、グループ関係会社の再編や固定費・コスト削減などを推し進めてきており、会社の実力は確実についてきている。取り巻く世界環境は想像を超える勢いで変化しているが、東日本大震災やタイの洪水で被災した日本企業の多くはその後の懸命な努力で急回復している。当社も外部環境の動向にたじろぐことなく、信念とスピード感を持ってV字回復を達成していきたい」

◇会社データ◇

■本  社=東京都昭島市武蔵野3−1−2
■設  立=1949年5月30日
■資本金=67億4000万円
■売上高=752億7400万円(11年3月期)
■従業員=2926人
■事業内容=電子顕微鏡などの理科学・計測機器、半導体関連機器、産業機器、医用機器などの開発・製造・販売

 

 


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