【コラム:ロボットよもやま話(番外編)】
2022国際ロボット展ではコネクターメーカーの出展が前回から増えた。ロボット産業を新市場と位置付ける。ロボットには画像認識カメラなど多くのセンサーが搭載。多機能で小型化が加速する一方、コネクターにも小型で高性能化の要求が高まっている。コネクター各社は、確実な信号伝送や高温対応といった機能に加え、コネクターの挿入を自動化するロボットなどのデモを交え提案している。
日本航空電子工業は前回開催の2019年に続き、2回目の出展。車載や産業機器用途で需要が高まるフローティングコネクターのラインアップの訴求のほか、サーボモーターの配線用コネクターにおいて低背化の技術力を紹介している。
同社のフローティングコネクター(写真)は、8ギガビット秒越えの高速信号で、2点接点による確実な伝送を実現する。
画像認識カメラとロボットの動作をコントロールする制御部において、伝送の高速化が予想される。
初出展のヒロセ電機は、車載用途で培ったマイナス40度Cの低温からプラス140度Cの高温に対応したフローティングコネクターを出品している。Z方向の基板位置ずれがプラスマイナス0・75ミリメートルを実現しており、篏合(かんごう)が容易に行える。展示会ではアームロボットによる挿入をデモで提案している。
フローティングコネクターはコネクターを基板に実装する時に多少のズレが発生しても嵌合できる。また振動や衝撃をある程度吸収できる。
スイス系大手コネクターメーカー日本法人のタイコエレクトロニクスジャパン(TEジャパン)も初出展した。過酷な環境下でも優れた性能を発揮する産業機器向けのコネクターを多彩にそろえる中、ロボットのインターフェース向けコネクターの新製品「HDC H3Aコネクター」を協働ロボットの挿抜デモを交えて紹介している。
協働ロボットによるロボットのインターフェース向けコネクターの挿抜デモ
新製品は今秋に発売予定で、ロック機構を改良し挿抜の自動化を実現した。従来品(動画右)と比べ、簡単にロックできる。自動化によるタクトタイム短縮や正確にコネクターを結合、分離ができる。
また極数は従来品と比べて11極増加した31極となっている。ロボットの小型化や多機能化により、コネクターは省スペース化、多くの信号伝達要求による狭ピッチによる多極化要求が高まっている。
独系のハーティングの日本法人は車載で採用が進むシングル・ペア・イーサーネット(SPE)を出品している。これまでの8芯と比べて、SPEは2芯構造のためインターフェースの小型化、ケーブルの軽量化が図れる。ロボットの筐体内配線における省スペースで軽量化、高速伝送を可能とする。
屈曲性と堅牢(けんろう)性に優れ、ロボットアームの激しい動きや産業用途に対応する。LAN規格「IEEE802・3」に準拠。毎秒1ギガビットの高速伝送に対応する。
シュンク・ジャパン株式会社
Standard Robots Co., Ltd.
iCOM技研株式会社
ドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)
NTNテクニカルサービス株式会社
IDEC株式会社
NTN株式会社
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