2022国際ロボット展の歩き方

押さえておきたい!ロボット・技術のキーワード専門技術用語編

なるほど 日刊工業新聞マスコットキャラクター ものたん

 2022国際ロボット展には幅広い産業分野を支えるロボットが登場します!ロボットは大きく分けて「産業用ロボット」と「サービスロボット」があり、それぞれサイズや動き方、得意とする作業分野などが異なっています。ロボットのさまざまな関連用語から押さえておきたいキーワードをピックアップ!ものたんによるロボ展に関するつぶやきも合わせてチェック!

自律走行ロボット・関連技術

LiDAR(ライダー)

 光による検知と測距を意味するLight Detection And Rangingの頭文字をとった略称。 光を用いたリモートセンシング技術の一つで、レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、距離や方向を測定する。測量や気象学のほか、自動運転技術を実現するために欠かせない技術として注目される。

ヌヴォトンテクノロジージャパン E7-26

ヌヴォトンテクノロジージャパン E7-26

SLAM

 自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術。Simultaneous Localization and Mappingの頭文字をとった略称。カメラの映像・画像によって自己位置推定を行う「ビジュアルSLAM」や、レーザー照射で推定する「LiDAR SLAM」などがある。SLAMは自動運転、無人搬送車(AGV)や自立走行運搬ロボット(AMR)などに採用されている。

リンクス E4-18

AGV

 Automatic Guide Vehicleの略称。床面に敷設された磁気テープや磁気棒を認識しながら、走行する無人搬送車のこと。工場や倉庫で作業者がピッキングした物品の搬送を行い、作業者の移動距離の削減、省人化に貢献する。将来的なルートの改造や延長などにも対応できる。

芝浦機械 E3-33

芝浦機械 E3-33

AMR

 Autonomous Mobile Robotの略称。AGV導入時に必要となるテープなどのガイドなしで走行が可能な自律走行搬送ロボット。搭載されたセンサーなどから自己位置の推定を行い、周囲の環境に合わせて自動算出したルートを走行する。

Standard Robots E3-06

Standard Robots E3-06

リンクス E4-18

リンクス E4-18

概念・システム

デジタルツイン

 IoTやAR(拡張現実)、 VR(仮想現実)などの最新デジタル技術を活用して、サイバー空間内にフィジカル空間(実在の空間)の環境を再現したモデル。フィジカル空間の情報をリアルタイムで受け取り、常に状態を更新する。遠隔地からでもフィジカル空間のモニタリングやシミュレーションなどの実施が可能。生産のリードタイム短縮や適正な生産量と在庫管理、問題発生時の原因究明と影響範囲の特定、製品や設備の予防保守などに活用できる。

ゼネテック E2-19

ゼネテック E2-19

ゼネテック E2-19

ゼネテック E2-19

ディープラーニング

 「深層学習」とも呼ばれる。人間が自然に行っている行動をコンピューターに学習させる機械学習を発展させた手法。人間の神経細胞(ニューロン)をモデルにしたシステム「ニューラルネットワーク」が基盤となっている。ニューラルネットワークを多層にして用いること、データに含まれる特徴を段階的に深く学習することができる。文字や数値、画像、動画、音声といった膨大な量のデータを入力することで、指示をしなくても自動的に学習する。読み込ませるデータによっては学習の方向性も変わり、使い方によっては人間のもつ認識能力を超えることもある。

ロボットの動作関連

パレタイズ

 箱詰めされた荷物をパレット(荷役台)に積みつけ、まとめること。パレットから荷物を下ろすことを「デパレタイズ」と言う。パレタイジングロボットによって、食品や機械部品など製造業現場における重量物の運搬・積載を自動化でき、迅速かつ的確な連続作業が可能となる。

芝浦機械 E3-33

芝浦機械 E3-33

ピック&プレース

 特定の位置にある対象物(ワーク)をつまみ上げ、所定の位置まで移送し、そこに対象物を下ろすという一連の作業を行う装置およびそのシステムのこと。

西研グラフィックス E5-44

ティーチング

 産業用ロボットに決められた動作や複雑なプログラムを記憶させる作業。実際にロボットが納入されている現場で、動作をさせながら記憶させる「オンライン・ティーチング」と、コンピューター上で作成したティーチングデータをロボットへ送信して動作を記憶させる「オフライン・ティーチング」の手法に大きく分けられる。

ロード・アンロード

 金属の機械加工現場で工作機械に加工対象物(ワーク)の取り付け・取り外しをすること。バラ積みになった素材をセットする作業を、産業用ロボットで完全自動化することで、作業ロス削減に貢献する。

チョコ停

 「ちょこっと停止」の略語で、生産設備のトラブルが発生するなどして、一時的に設備・生産が停止・空転すること。「空転ロス」とも呼ばれる。発生原因は設備不良や製品の欠陥など多様であり、1日に何度も発生したり長時間続くと、稼働率や生産性の低下、製造コストの高騰にもつながる。

ロボットの部位、部品

アクチュエーター

 「動作させるもの」という意味の英語で、機械システムの動作を誘導または制御するための駆動装置を指す。モーターや油圧シリンダーなどがある。

SMC E1-05

SMC E1-05

ロボットマニピュレーター

 産業用ロボットの作業する腕(アーム)部分のこと。Manipulate(操作する)の派生語。

ロボットハンド

 ロボットマニピュレーター(アーム)の先端に取り付け、人間の手のような動きをし、対象物をつかむ・回す・傾け・握り潰しなどのハンドリング作業を行う。多指・多関節のものや、空気や磁石で吸着するものなどさまざまな種類がある。生産や物流工程では、対象物を別の場所に移動させる役割をし、そのほか組み立てや組み付けの補助を行う。グリッパやチャックとも呼ばれる。

北川鉄工所 E2-32

北川鉄工所 E2-32

ロボットツールチェンジャー

 加工機や多関節ロボットなどにツールの交換機能を付加するために使われるシステム。ツールチェンジャーを搭載するとツールの着脱を自動的に行えるようになるので、1つの加工機で複数のツールを扱うことができる。

スター精機 アインツ事業部 E1-07

スター精機 アインツ事業部 E1-07

スター精機 アインツ事業部 E1-07

スター精機 アインツ事業部 E1-07

シュマルツ E5-36

ものたん

 ロボットを支える部位、システムなど様々な専門技術・・・それらを知ることでよりロボットへの理解が深まります。2022国際ロボット展ではそんな専門技術にも注目です!

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